花粉症対策に、粘膜を強化する栄養素に注目!

薬膳の知恵できれいに〜レシピ付き

花粉症対策には、粘膜を強化する栄養素に注目!

今年は例年より早く、1月からスギ花粉が飛び始めたとのこと。ということは、昨年より花粉が飛んでいる時期が長くなるといえそうです。花粉症の方には、辛い日々が長くなる。苦痛でしかないですよね。できるだけ花粉症を軽度にするには、どうすればよいでしょうか。

花粉症対策の第一歩は、花粉がからだの中に侵入するのを阻止することです。花粉は目や鼻などから侵入します。私たちのからだは、花粉を異物侵入と認識し、撃退しようとし、アレルギー反応を起こします。

からだの粘膜は体内のバリア機能です。特に目や鼻の粘膜を強化して、花粉の侵入をできるだけ防ぎたいものです。そして免疫力を身につけて、侵入したらすぐに対応できるからだにすることも大切です。

中医学的観点からみると、「脾(ひ)」(=胃、消化器系)の働きが低下すると、花粉症を発症しやすくなるといわれています。脾を労ることにより、栄養の吸収もよくなります。どんなにからだにいいものを食べても、脾に問題があるときは吸収しにくくなってしまいます。脾を補う「補脾食材」は、いも類、豆類、穀類などです。

また粘膜を強化する栄養素は、粘膜の元となるたんぱく質、粘膜を丈夫にするビタミンA、粘膜を保護し、細胞の再生を助けるビタミンB2、粘膜を維持するビタミンB6。豚鶏のレバー、うなぎ、卵、緑黄色野菜に多く含まれています。

今回のレシピで使用したホタルイカは、たんぱく質、ビタミンA、ビタミンB1、B2、B12が多く含まれており、亜鉛、鉄などのミネラルも豊富です。ビタミンB1、B2は疲労回復に効果があり、ビタミンB12は血液をつくるときに必要なビタミンです。

小さなイカですが、栄養満点。旬の間に積極的に食べたい食材のひとつです。補脾食材、じゃがいもと組み合わせました。

今月のレシピ
ホタルイカとじゃがいものニンニク炒め

ホタルイカとじゃがいものニンニク炒め

<材料>(2人分)
ホタルイカ(ボイル)……120g
じゃがいも……1個
にんにく……1片
酒……大さじ1
しょうゆ……小さじ1

オリーブオイル……小さじ2
青ねぎ小口切り……適量

作り方
❶ホタルイカの目、軟骨を取る。じゃがいもは皮をむいて半分に切り、さらに5mmに切り、水にさらしてから水気を切る。にんにくは薄切りにする。

❷フライパンにオリーブオイルをあたため、じゃがいもを透明感が出るまで炒める。

❸❷ににんにくを加えて香りがたったら、ホタルイカ、酒を加える。さっと炒めて、しょうゆをまわし入れて、味を調える。

❹器に盛り付けて、青ねぎを散らす。

  • 橋本加名子(はしもと かなこ) 料理研究家、栄養士、フードコーディネーター、国際薬膳調理師。タイ料理、ヴィーガンタイ料理、和食、発酵の料理教室「おいしいスプーン」を主宰。『老けない体をつくる! たんぱく質の10分おかず』(ART NEXT)ほか著書多数。新刊『魔法の万能調味料 玉ねぎ麹レシピ』(河出書房新社)が好評発売中。食べてからだを調える「養生・ベジ発酵薬膳クラス」、「ヴィーガンタイ料理・ベジタイ指導者クラス」開催中。
    サイト:「おいしいスプーン」oishi-spoon.com
    Instagram:kanakohashimoto1
文・写真/橋本加名子(料理研究家、国際薬膳調理師・栄養士)
イラスト/いしわたりきわこ
デザイン/WATARIGRAPHIC