花粉の季節は「お酢」を使ったおかずで解毒促進

薬膳の知恵できれいに〜レシピ付き

花粉の季節は「お酢」を使ったおかずで解毒促進

目がかゆい、くしゃみが出る…。花粉症の症状に苦しんでいる人も多いのではないでしょうか?

さて、そもそもアレルギーとはなんでしょうか? 私たちのからだに入り込む、細菌、ウイルス、寄生虫などの感染症微生物や異物から身を守るために「免疫」という仕組みがあることはご存知ですよね。免疫は、異物が侵入してきたら攻撃をする働きをしますが、現代文明による環境やライフサイクルの変化によって異常を起こし、くしゃみ、発疹、呼吸困難などの症状を起こしてしまう状態が「アレルギー」であり、花粉によって起こるアレルギー反応が「花粉症」ということになります。

中医学的な考えでは、花粉症の原因は風邪(ふうじゃ)。風によって運ばれる「邪気(*)」によるものであるとされています。

*邪気とは、からだの外部から侵入し、病気を起こす原因となるもの。

花粉症対策の薬膳のポイントは、からだから不要なものを排出させること。つまり、解毒してくれる臓である「肝」を大切にすることです。

過労、寝不足、ストレス、疲れ目は「肝」が疲れる原因であり、アルコール、カフェイン、揚げ物、乳製品、肉の脂、添加物は「肝」が疲れる食品です。

反対に、「肝」が喜ぶ味は、酸味。レモンやお酢を使った、さっぱりとした料理がおすすめです。

今回ご紹介するのはタコとセロリの簡単マリネ。タコは気血を補う食品です。生肌という作用もあり、傷痕や皮膚のただれを収れんし、治す効果もあるといわれています。セロリはからだから不要なものを出し、気の流れをよくしてくれます。

今月のレシピ
たことセロリの簡単マリネ

たことセロリの簡単マリネ

<材料>(2人分)
ゆでダコ……120g
セロリ……1本
セロリの葉……少々

A(ドレッシング)
酢……大さじ6(90cc)
砂糖……大さじ4と2/3
塩……大さじ1

オリーブオイル……適量
黒こしょう……適量

作り方
❶タコを薄切りにする。セロリは筋を取り、厚さ5mmの薄切りに、葉は粗く刻む。

❷Aをよく混ぜ合わせる。

❸❶、❷をポリ袋に入れて手で軽くもみ込み、冷蔵庫で10分以上おく。

❹器に盛り付け、オリーブオイル、黒こしょうをかける。

酢・砂糖・塩でつくるドレッシングは、寿司酢と同じ割合なので、時間がないときは市販の寿司酢をドレッシングの代わりに使っても大丈夫です。ご飯に混ぜれば寿司飯としても使えます。

  • 橋本加名子(はしもと かなこ) 料理研究家、栄養士、フードコーディネーター、国際薬膳調理師。タイ料理、ヴィーガンタイ料理、和食、発酵の料理教室「おいしいスプーン」を主宰。『老けない体をつくる! たんぱく質の10分おかず』(ART NEXT)ほか著書多数。新刊『魔法の万能調味料 玉ねぎ麹レシピ』(河出書房新社)が好評発売中。食べてからだを調える「養生・ベジ発酵薬膳クラス」、「ヴィーガンタイ料理・ベジタイ指導者クラス」開催中。
    サイト:「おいしいスプーン」oishi-spoon.com
    Instagram:kanakohashimoto1
文・写真/橋本加名子(料理研究家、国際薬膳調理師・栄養士)
イラスト/いしわたりきわこ
デザイン/WATARIGRAPHIC