朝晩寒さが厳しい季節ですね。
顔がつっぱったり、唇の皮がむけたり、かかとがカサカサしたり…。毎年この時期になると、お肌のトラブルを感じてしまうもの。さらに歳を重ねるごとに、長期間放置されたみかんのように、シワシワでうるおいがなくなっていって…。そもそも、何がそうさせているのでしょう。
原因は冬の寒さにあります。冬は気温が下がることで、空気中に含まれる水蒸気が水滴や氷に変わり、空気中の水分量が減り、空気が乾燥します。その結果、肌のうるおいが乾燥によってどんどん奪われていくのです。
それに加え、からだが冷えて血の巡りが悪くなると、肌に必要な栄養成分がゆき届かずに停滞します。中医学的な観点で見ると、からだの生命活動を維持する流れが「滞る」ことは病気の原因になるとされています。
シワシワ、カサカサする乾燥から守り、若さを保つためには、下記の養生ポイントが大切です。
●からだの内側からうるおいを補いととのえること。
●成長・発育・生殖などに関わる泌尿器・生殖器・腎臓などの機能・生命の源である「腎(じん)」を守ること。
●全身に栄養を届ける「血」の循環をととのえること。
うるおいを与えてくれる食材は、れんこん、百合根、白きくらげなどの「白い食材」、腎を守る食材は黒豆、キクラゲ、牡蠣など「黒い食材」です。そこで、今回ご紹介する薬膳は白と黒の食材を両方使った黒胡麻のおしるこです。
黒胡麻は「腎」を補い、牛乳は「うるおい」を与えてくれ、黒糖は血を補い、もちと共にからだをあたためてくれます。この時期、老化が気になる方にぴったりのおやつです。お正月で余ったおもちもぜひ活用してください。
今月のレシピ
黒胡麻しるこ
<材料>(2人分)
黒ねり胡麻……大さじ2
牛乳……400ml
黒糖……大さじ1〜(お好みで)
もち……適量(お好みで)
作り方
❶もちを薄い焼き色がつくまで焼く。
❷牛乳を小鍋に入れてあたため、黒練り胡麻を少しづつ入れる。黒糖を加える。
❸器に❷を入れ、❶のもちを入れる。
生姜のすりおろしやシナモンパウダーを加えると、よりからだをあたためる効果がアップします。
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橋本加名子(はしもと かなこ)
料理研究家、栄養士、フードコーディネーター、国際薬膳調理師。タイ料理、ヴィーガンタイ料理、和食、発酵の料理教室「おいしいスプーン」を主宰。『老けない体をつくる! たんぱく質の10分おかず』(ART NEXT)ほか著書多数。新刊『魔法の万能調味料 玉ねぎ麹レシピ』(河出書房新社)が好評発売中。食べてからだを調える「養生・ベジ発酵薬膳クラス」、「ヴィーガンタイ料理・ベジタイ指導者クラス」開催中。
サイト:「おいしいスプーン」oishi-spoon.com
Instagram:kanakohashimoto1
イラスト/いしわたりきわこ
デザイン/WATARIGRAPHIC