約半数が
「パンプスをまったく履かない」!
スニーカー人気の潮流に加え、テレワークなどワークスタイルの変化とともに、「パンプスを履く機会が減った」との声が多いおとな世代。ワコールボディブックが40、50代を中心に行ったアンケートでは、「まったく履かない」49.3%、「週1~2日」24.6%という結果でした。
- 「以前は履いていたが、コロナ以降スニーカーが多くなりました」(50代)
- 「秋冬は足元が冷えるので、厚手ソックスが履けるスニーカーかブーツばかり」(40代)
- 「(パンプスは)冠婚葬祭のときだけ」(50代)
- 「スーツを着る仕事が減ってから履いていません」(50代)
- 「ホテルなどかしこまった場所に食事に行くときだけ履く」(40代)
- 「足が疲れるので履かなくなってしまった」(50代)
- (2024年12月ワコールボディブックにて実施 回答数615人)
…など、いつしか「パンプスを履かないスタイル」が定着した人が多いことがわかります。
とはいえ、服やシーンによってはパンプスが必要になるのも事実。パンプスから遠ざかったおとな世代が快適にパンプスを履くための疑問に、ワコールのシューフィッター井上幾久美(いのうえ・いくみ)が答えます。
パンプスでも「快適に歩ける」
からだづくり。
筋力は何歳になっても鍛えられる!
「私自身、コロナ禍に家のスリッパやフラット靴ばかりを履いていたら、足裏のアーチが落ちてきたと感じたことがありました。久しぶりにパンプスを履いたら、どうりで疲れやすいわけです。
また、更年期世代はホルモンの影響もあって、筋力が弱まっていく方が多いといえます。といっても、筋力は何歳になっても鍛え直すことができる。いちばんの筋トレは、歩くこと。足に合った靴を選んで、ぜひたくさん歩いてください。そうすれば、パンプスでも疲れずに“歩ける”からだは取り戻せるはずです」

参考:
●足のアーチについて
●もっと歩きたくなる足へ。ビシネスパンプスの選び方
パンプスの選び方の基本はこちらで紹介しているとおり。まずは正しく選んで、少しずつでも「歩く」ことから!
足に起こるトラブルに嫌気がさして、「パンプス嫌い」になってしまうのはもったいない。ここからは、アンケート回答者みなさんの「パンプスのお悩み(複数回答)」とその回答をご紹介します。
1位 足が疲れる 55.5%
「すでにお話ししたように、足のアーチが落ちてしまうと、歩くときにふくらはぎが引っ張られることになり、ふくらはぎの疲れ・痛みにつながります。足の筋力が落ちてくる更年期世代は特に、疲れ防止にアーチをしっかり保つことが大切なのです。
アーチ部分にクッションの入ったインソールを入れることで対応できますし、“サクセスウォーク”シリーズのパンプスであれば、あらかじめアーチをサポートする3Dインソールが入っています」(井上)

参考:
●ワコールの靴「サクセスウォーク」
ワコール独自のインソール「3Dインソール」。サクセスウォークにはすべて搭載されている
2位 足指が痛い 52.2%
「足の骨と骨をつないでいる靭帯が、年齢を重ねると弱くなっていくのは、避けられないこと。そこに、体重増加が加わるとさらに足のアーチが落ちてしまい、足のトラブルにつながります。靴の中で足が前にすべってしまい、足指が痛いと感じるのが、その代表です。
一般には、体重が6キロ増えると、足囲ひとつ大きくなる(幅がEなら2Eに、2Eなら3Eに)といわれています。また、からだの脂肪が増えても足の脂肪層は減るという更年期世代ならではの特徴もあり、足と靴の摩擦に敏感になる方も多くいらっしゃいます。
また、足の指そのものが四角く広がっている場合は、ラウンドトゥよりスクエアトゥのものを選ぶとよいでしょう」(井上)

3位 かかとがパカパカする 41.6%
4位 かかとの靴擦れ 34.8%

「どちらの悩みも、靴のサイズが合っていないことが要因ですが、もうひとつ、足長・足幅が合っていても“かかとの形状”が要因になっていることもあります。ワコールでは、かかとの丸みが少ない方に向けて、かかとを小さめに設計した商品もあります。これによって、かかとのパカパカと同時に、かかとの靴擦れ対策にもつながります。

靴擦れは、靴が小さいからできるのではなく、靴と足との隙間があることで擦れて傷や水ぶくれを起こす、ということも知っておいてください。こうした足のトラブルを防ぐためにも、足の測定で正しいサイズを知ることをおすすめします」(井上)

参考:
●ワコールオリジナル足型自動計測機「REAL FOOT special customized for WACOAL」
足長・足囲・足幅を計測。「かかとの丸み」も判定できる
●「かかと小さめ設計パンプス」
●フットコンシェルジュ ~足型計測相談~
5位 歩きにくい 32.5%
「スニーカーやローヒールに慣れた方に特にお伝えしたいのが、スニーカーとパンプスでは歩き方が異なるということです。スニーカーやヒールの低い靴はかかとから着地し、ヒールの高いパンプスは足裏全体で着地します。着地した足をそのあと蹴り出すのはどちらも同じですが、着地の意識を間違えると歩きにくく、また疲れやすくなります。

着地したあと、かかとを蹴り出し前に進みやすいように、サクセスウォークのパンプスではヒールの着地面にカーブがついている商品もあります。蹴り出ししにくく歩きにくいと感じている方は、こうした工夫のあるパンプスも活用してみてください」(井上)
悩みはいろいろでも、おとな世代にとっての共通した要因は「足の変化」と「サイズ選び」にあることがわかります。「健康診断を受けるのと同じように、定期的に足のサイズも測ることを習慣に」(井上)と言うように、おとな世代の新習慣に「サイズ計測」を加えて、パンプスのおしゃれを快適に楽しみたいもの。
特に足の周囲は、立って体重がかかった状態で測ることが必要なので、自己流ではなく店頭での測定を。
- Answer -
□おとな世代ならではの足の変化を知ろう
□健康診断と同じく、定期的に足のサイズ計測を

イメージイラスト/stock.adobe.com
おしえて、ワコール
- #21|迷えるブラジャーの捨てどき・替えどき。適切な決別タイミングと方法は?
- #22|うちの娘もそろそろ? 初ブラジャーの始めどき、選び方、わからないことだらけです
- #23|ヒップアップしたいけど、ガードルは「キツい」「苦しい」!? どう選ぶ?
- #24|パンプスが「痛い」「ツラい」は歳のせい? 足元の悩みを解消したい!
- 「おしえて、ワコール」記事一覧はこちら