親は「わからない」、
娘は「言い出せない」
という現実
親からしてみると、「いつの間にか」成長していると感じることの多い「娘のバスト」。一方、娘さんからすると、自身のからだの変化に戸惑ったり、それを親に言い出しにくかったり…。「最初のブラジャー」への道のりに、モヤっとしたものを抱えている親・子どもは、実際にとても多いようです。ワコールが行った「お子様の初ブラ選びに関する調査」では、おうちの方のおよそ50%が「娘のはじめてのブラ選びに正しい知識を持っているか不安」と回答したほど。
具体的にどんな不安をもっているのか、母親側の悩みを聞いてみたところ、大きく3つの問題が浮かび上がりました。

一方で、お子様側はどんなことで悩んでいるのでしょうか。

親の「わからない」と、娘の「言い出せない」。これらを解決していく方法を、次の章から考えてみます。
初経の1年以上前から
胸の成長は始まっています
胸の成長が始まるのは、初経の1年以上前から。バストトップのしこりやバストのふくらみが始まり、ブラジャーデビューの目安になります。ただ、初経を迎える時期はかつてより早まっている(*)ので、親世代の既成概念だけでブラの始めどきを判断するのは、ちょっと危険。
*1980年代は12歳で初経を迎えている女の子が20%だったのに対して、2000年代では38%に。(ワコール調べ)
「うちの子はまだ早い」と思っているうちに、周囲の大人からするとハラハラするケースも、実際にはあります。思春期の男の子のほうが意識してしまったり、運動会などでバストが揺れていることに周囲の保護者が気づいたり。ブラをつけ始めるタイミングを見逃さないよう、ふだんから、からだの成長について家族で会話をする、からだの悩みを共有する、などして、お子さんの成長に寄り添うことが大切だといえそうです。
バストのふくらみ・かたさで
選ぶブラジャーは変わります
初経前からふくらみはじめ、約4年間をかけてゆっくり大人の形に近づいていくバスト。サイズもかたさも変化が大きいときなので、そのときどきのバストに合ったブラジャーが必要です。
STEP1
上の図の「STEP1」のようなふくらみはじめのバストには、敏感なトップ部分にクッションが入ったやわらかな素材のブラジャーで「ふんわり」守って。キャミソールや肌着を入門編とするのもいいでしょう。
STEP2
初経を迎えるころ、ふくらみがはっきりしてきたら、バスト全体をやさしくつつみこむタイプを。成長期のバストを締めつけず、伸縮性のある素材で動いてもズレにくいように、やさしくつつみこみます。
STEP3
丸くふくらみ、大人のバストに近くなりますが、「かたさ」があるので、成長期専用のブラジャーを選んであげて。やわらかいワイヤーや伸びのよいカップ素材がおすすめです。
「スポーツブラでもいいんでしょ」と思っている親御さんも多いようですが、ハーフトップのブラジャーとスポブラは用途が異なります。運動をするときの動きや汗対策が施されたスポブラは、運動時にはかかせませんが、かたちやかたさを変えながら成長するバストには、そのときどきの成長度合いに寄り添ったブラジャーを選びましょう。
同時に大切なのが、正しいサイズ選び。親子でコミュニケーションをとりながら、またサイズ測定を行っている店頭で、こまめにサイズを測って、正しいブラジャーを選びたいものです。
家族と、友達と、
ブラジャー選びを「楽しい」習慣に
ふだんの家族間の会話や買い物途中で、ブラジャー選びが話題にのぼるようにれば、素敵なこと。お母さんの下着選びに一緒に行くことで「下着が大事なアイテム」だと気づくこともあります。それでも「恥ずかしい」と感じてしまうお子さんは、友達どうしでブラジャーを買いに行くという方法がおすすめ。新学期の始まりや誕生日・記念日などのタイミングに「ブラジャーを買いに行く」新習慣をつくって、親も子も、ブラ選びを「楽しみ」に変えていきましょう!

- Answer -
ふだんから「からだ」について話題にしつつ、一緒に下着ショッピングに行ってはいかが?
参考サイト
胸が膨らんできたけど、ブラジャーはまだ早い?
娘がブラを恥ずかしがってるけど、どうしたらいい?
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デザイン/日比野まり子