2024.10.02

【特集】50代からのリセット術「私はこれを始めました/やめました」#03

緊急開催!「おとなボディブック」スタッフ座談会<後編> 私たちが50代になって「やめた」こと

OTONA BODY BOOK 編集部

「おとなボディブック」のスタッフに緊急招集をかけ、座談会を開催! 前編では「50歳前後で感じ始めた変化」と「50代に入って新しく始めたこと」をテーマにそれぞれが本音トークを展開。引き続き後編では「50代に入ってやめたこと」を語り合いながら、クロストークを繰り広げます。
前編はこちら

今回の座談会のメンバーは…デスクI:現在、自覚する更年期症状はなし。既婚・子どもなし、デザイナーC:40代前半から更年期に突入。既婚・子ども3人、ライターA: 自称「更年期のデパート」。既婚・子ども2人、編集M:更年期対策として漢方を服用中。既婚・子どもなし

食生活に子育てまで…
私たちがやめたこと

――前回は「50代に入って新しく始めたこと」を話してもらいましたが、続いて「50代に入ってやめたこと」を教えてください。

デスクI: ちょうど2年前ぐらいでしょうか。家の体重計の電池が切れたんですよね。そのことを機に、体重を測るのをやめました(笑)。それからは、年に1回の健康診断のタイミングで計る程度。数値に振り回されるより、「最近おなかがキツいなぁ」とか「からだが重いなぁ」とか、そういう感覚のほうを大切にするようになりました

デザイナーC:感覚を大切にするようになったのは、わかる気がします。というのも、私は3食しっかり食べるのをやめたんです。前はエネルギー不足になるのが怖くて、おなかいっぱいになるまで食べてました。でも更年期に入って気力がわかなくなってしまったこともあり、食べることへのエネルギーも徐々に減っていったんですよね。よくよく考えると「食べすぎていたのかも!?」と思い始めて、意識的に減らしてみたら大正解。口内炎が出なくなったり、そもそもそこまでおなかが空かなくなったり。ムダな消化活動が減ったからなのか、からだが楽になった気がします。

編集M:食生活を整えるのは大切ですよね。私は伊達友美先生の取材で油選びの大切さを学んで、オイルの整理整頓に着手。いわゆる「飽和脂肪酸」の摂取をやめました。今メインで使っているのは亜麻仁油とカメリナオイルの2種、あとは香り付けのオリーブオイルと胡麻油のみ。認知症予防も見据えて、今後はこのラインナップでいく予定です。あと…大好きだったセールでの爆買いをやめました! 物欲がなくなってきたのと、欲しいものは欲しいタイミングに正規価格で買う。そのほうが大切にものを扱うことができると思い始めました。

ライターA: 私は育児に関することなのですが、子どもに怒鳴るのをやめました。怒鳴ることで効果が出るならまだしも「自分が疲れるだけでは?」と思い始めていたのと、ちょうど長男が大学進学で家を出ることになったので、そのことを機に「もうやめよう」と決意。ずいぶん楽になりましたね。

あとは、夫のお昼ごはんをつくるのもやめました。コロナ禍以来、夫が家でお昼ごはんを食べる日が増えたのですが、そもそも私はお昼を食べないんです。だからもう「勝手にやりましょう」と宣言。このときばかりは「更年期でイライラしているからつくりません」と、更年期を利用。でもそれで納得してもらえたので、よかったと思っています。

デザイナーC:ああ…わかります! 私も同じく、子どもに怒鳴るのをやめました。40代は上の子どもたちの反抗期真っ最中で、さらに受験も重なって5年ほど激しいバトルが続いていたんです。一方で、世の中は優しく育てることが主流になっていて…。反抗期が落ち着き、受験が終わったこともありますが、我が子とはいえ干渉しすぎないようにしようと決めました。ある程度の距離感は必要だと学んだのかもしれません。今でも、子ども3人のランドセルを見ると、そのころのことを思い出します。

運動をルーティンにするには
どうすれば…

――では、「始めたいけど始められてないこと」「やめたいけどやめられないこと」も聞いてみたいです。

編集M:少しずつ始めているけどさらに進めたいのが「断捨離」でしょうか。最近、もう着られない背中の開いたドレスとか小さすぎて何も入らないパーティバッグ、黄ばんでしまったヌーブラなどを一気に処分したら、すごくスッキリしたんですよね。

デスクI: ああ、わかります。うちは実家の引越しにともなってさまざまなものを処分しました。実家の片付けは多くの人にとってのミッションだと思いますが、それを終えられたのはよかったなと。ただコロナ禍以来、ネットショッピングの便利さに目覚めてしまい、セールのたびにポチっとするのがクセになりつつあります…。

デザイナーC:私もー! 「あなただけのタイムセール」なんて表示されると、「今しかない!」とポチポチ。妊娠中もそうだったのですが、お買い物とホルモンのバランスってあると思うんですよ。あとで冷静になってみると「なんで買ったの!?」って思うもの、家にたくさん転がってます(笑)

デスクI: 運動も習慣化したいんですけどね、どうしてもできない。スポーツクラブに入会しても通うのは最初の3カ月まで。半年間ほどはお風呂に入りに行き、その後はずっと幽霊会員で、3年ほど経ってようやく退会、その繰り返し。あの月会費はどこへ行ったのか…。

ライターA: だからといって、家でのストレッチやスクワットもルーティンにできないのはなぜでしょう?(笑) トイレに行くたびに思い出すように、廊下にヨガマットを置いているのですが…。それでも忘れてしまいます。

デスクI: 明日できることは明日にやる。それがモットーだからいけないのかな?



全員: 最高! 50代はそれでいきましょう(爆笑)!





穏やかな暮らしを望みつつ、
リスキリングにも興味津々

――では最後に。これからどんなふうに年齢を重ねていきたいと考えていますか?

デスクI: 年齢を重ねるにつれ、悩ましいことやままならないことはたくさん出てくると思います。でも、まだ起こっていないことで不安になるのは少し違うかなって。それなりの対処法や落としどころは必ずあるはずなので、そこを探りながら、我が家の猫を見習って日々おだやかに過ごせたらいいなと思います

編集M:これまでおとなボディブックにて、藤原美智子さん杉山愛さん山本浩未さん熊谷真美さんほか、多くの素敵な女性たちを取材してきました。彼女たちに共通することをしいてあげるなら「今の自分を受け入れている」ことなのかなぁと。もう自分にダメ出しするのも疲れちゃったし、その気力体力もないので(笑)、「今の自分、まるっとアリ」ということにして、自分と他人に優しくできるといいなと思います。

ライターA:年齢を重ねてから何かを始めるとしたら、「昔にあきらめてしまったこと」や「やり損ねたこと」に手をつけるといい、と聞いたことがあるんです。ならば私は、何か楽器を始めてみようかなと。誰に聴かせるわけでもないから、上手に弾けなかったとしても問題なし。更年期でうまく動かない指のリハビリにもなるかも? 何か始めようかなと思う人には、ずっと心の奥にある、休んでいたことや挫折したことをぜひ始めてみてほしいですね。

デザイナーC:うわぁ…いい話ですね。私はその昔、制作会社で激務に追われていたころ、深夜に乗ったタクシーの運転手さんにこんなことを言われたんです。「無理しなくていいよ。そこそこの人生っていいじゃない」って。ことあるたびに思い出す言葉なのですが、たとえばいちばん身近な女性である母親を見ていても、がむしゃらではないけどなんだかそこそこ幸せそう。最近はそこに近づければいいのかなって思い始めました。あとは、長くデザイナーという仕事を続けてきたけれど、あらためてもう一度学び直したい気持ちもありますね。

ライターA:あ、そういえば私、取材で出会ったある先生の大学の講義に通ってます。いわゆるリスキリング? 大人になってからの学びってすごく楽しいんですよね。

全員:何それ? 興味ありますー!




ライターA:ではまた今度! 詳しくお話ししますよー!




――話せば話すほど、ネタが尽きないアラフィフの座談会! みなさんも「始めること/やめること」をテーマに、友人同士で語らってみるのはいかがでしょうか? 

構成・文/本庄真穂
イラスト/nana__11
デザイン/日比野まり子