2023.09.13

【特集】おとなの白髪問題、何が正解? #01

実は知らないことばかり! 「白髪の素朴な疑問Q&A」<前編>

「クレアージュ エイジングケアクリニック」総院長
浜中聡子さん

今回は待望の白髪特集! この企画を組むにあたり、おとなボディブックで白髪に関するアンケートを行ったところ、なんと2週間で1800件もの質問が寄せられました。今回は、なかでも特に多かったものをピックアップ。アンチエイジングの専門医である「クレアージュ エイジングケアクリニック」総院長・浜中聡子先生にお答えいただきます。

浜中聡子先生
Q

1.白髪を抜かないほうがよいと聞きますが、それはなぜですか?

A

白髪を抜きたくなる気持ちはよくわかります。理由は解明されていませんが、白髪は太くなる傾向にあり、目についてしまう。だから抜きたくなるのですよね。でもスバリ、白髪は抜かないほうがいいでしょう。なぜなら、その毛根の色素細胞はすでに衰えていて、結局また生えてくるのは白髪だからです。

さらに抜き続けると、そこから毛が生えてこなくなります。年齢を重ねると、自然と毛量が減ってしまうもの。抜くよりはカラーリングして、元の髪の仲間に入れてあげてください。どうしても気になるならば、根本からハサミで切るのがいいでしょう。

Q

2.どうして白髪のできやすい部位は決まっているのですか?

A

これもいろんな説がありますが、医学的な根拠はありません。ただ男女ともに、おでこから耳にかけての生え際が白くなりやすいなど、個人個人で偏りが見られるのは事実です。あとは頭頂部や後頭部にも白髪は生えているが、目につきにくいというのもあるかもしれません。白髪の部位については、まだ解明されていないというのが現状なのです。

Q

3.頭皮が薄くなってきたのは、白髪染めの影響でしょうか?

A

頭皮は加齢変化により誰でも薄くなっていくものです。そのことにより過敏になり、突っ張りやひりつきなど違和感をうったえる方はいらっしゃいます。とはいえ、それが白髪の原因になるわけではないし、白髪染めのせいでそうなるわけでもありません。あくまでも頭皮が薄くなるのは加齢による変化です。

白髪染めの影響が出るとしたら、髪そのものでしょう。定期的に繰り返すことにより傷みが進み、ツヤがなくなっていきます。加齢によりうねりが出てくることも覚えておきましょう。

Q

4.美白サプリメントをとると白髪になりやすい?

A

美白サプリを摂取すると髪まで白くなるのでは、と捉えているのかもしれませんね。答えはNO。たとえば美白サプリにはシステインという成分が入っていることがありますが、これはタンパク質に含まれているアミノ酸の一種。タンパク質をとることで髪が白くなるということはないわけで、そこまでの影響はありません。

Q

5.白髪は遺伝するというのは本当ですか?

A

薄毛や抜け毛に比べると、髪質や髪のクセと同様、ある程度遺伝が関係するといわれています。両親を見て、白髪が早く生えていたり、その量が多かったりする場合は、自覚しておいてもいいでしょう。

Q

6.産後に白髪が増えた気がするのですが…。

A

確かに、産後は白髪が増えたり、髪の色素が薄くなったりする方はいらっしゃいます。しばらく経つとリカバーされるものですが、最近は不妊治療の発達で高齢出産が増え、ハイリスクな妊娠・出産の割合が多くなっています。その場合は母体に対する負担が大きく、産後に髪質が変わったまま戻らないという人も。産後、必ず白髪が増えるわけではありません。加齢変化も同時に起こっていることを理解しておきましょう。

―――次回【特集】おとなの白髪問題、何が正解?#02は、「白髪の素朴な疑問Q&A」<後編>(Q7~13)。引き続き浜中先生に教えていただきます。

  • 浜中聡子(はまなか さとこ)
  • 浜中聡子(はまなか さとこ) 医学博士。国際アンチエイジング医学会(WOSAAM)専門医、米国抗加齢医学会(A4M)専門医、米国先端医療学会(ACAM)専門医、日本抗加齢医学会専門医。 薄毛治療に多くの症例と実績を有するクリニック「クレアージュ エイジングケアクリニック」にて総院長を務める。
    クレアージュ エイジングケアクリニック
構成・文/本庄真穂
デザイン/日比野まり子
イメージ写真/shutterstock.com