2023.01.19

【特集】おとなの「はじめて」は楽しい#02

ビューティ ライフスタイル デザイナー・藤原美智子さん ランニング、バレエ、ピアノ…。今だと思ったら、迷わずGO! 前編

2023年がスタートし、新年の誓いを立てた人も多いことでしょう。ただ〝新しいこと〟を始めるとなると、「今さら…」「なんだか面倒…」と感じてしまうことも。そこで、おとなになってから新しいことを始めた人にインタビュー。新年第1回は、ビューティ ライフスタイル デザイナー・藤原美智子さんが語り下ろします。

頭で考えすぎない。ピンと来たら始めてみる 私がランニングを始めたのは、50歳目前のこと。さらに60歳でバレエを始め、今ではピアノもスタートさせました。年齢関係なく、人は成長できる。そう実感した私から、新しいことを始めるコツをお伝えしましょう。

「ニューヨークハーフマラソンを走りませんか?」そんな取材依頼が舞い込んだのは、49歳の年末のことでした。数年前からストレッチを始め、そのからだを使って何か始めたいと考えていた私は、「はい、走ります」と即答。そう、大切なのは「何も考えずに始めてみること」(笑)。意外かもしれませんが、これがすごく大切なのです。「体力ないし…」「冬は寒いし…」なんて、気持ちが揺れ始めたらもうおしまい。ピン!と来たら、すぐスタート。とかくおとなは、頭でっかちになってしまいがち。だからこそ、直感に従って始めてみることが重要なのです。さっそく年が明けた元旦から、二拠点で暮らしている下田の家にてランニングをスタート。「走るってどうやるっけ?」から始まって(笑)、最初は50メートル、次はひとつ先の電信柱まで、次はあの角を曲がるまで…。そうするうちに海まで走れるように!少しずつ、でも確実に走れる距離が伸びていくことが励みになって、とうとう8月のハーフマラソン本番で完走を果たすことができました。

三日坊主を繰り返し、一生続ける宝に 実は私、子供の頃から好奇心は旺盛なのですが、飽きっぽい性格なんです。でもランニングを続けられたことで自信がついた。それで子どもの頃の夢だったバレエのレッスンを受けることにトライできたのです。だから「いつか」ということがあるならば、機が熟して、本腰を入れるタイミングが訪れる日はくると思っています。「今だ!」と思ったら、迷わずGO! それを繰り返すうち、一生ものになっていくのではないでしょうか。

さらに、ピアノをスタートさせたのは、バレエのレッスン中にかかるクラシック音楽を聴いているうちに、改めてよいな、と思って。子どもの頃に習っていたのですが、当時は〝やらされている感〟があって、練習はサボってばかりでした。だから、おとなになって自分の意志で始めてみようと思ったんです。クラシック音楽を聴いていると、その美しい音色に自分の心とからだが同化するようなここちよさを覚えることがあります。それって日常では得られない特別な感覚。もちろんまだまだ練習が必要ですが、バレエもピアノも、自分の肉体が自らの感性を刺激してくれる。そのこと自体が、人生を美しく満たしてくれる宝物かなと思っています。

藤原美智子(ふじわら みちこ)ビューティ ライフスタイル デザイナー、「MICHIKO.LIFE」プロデューサー。2022年4月をもって、トップで活動し続けた42年間のヘアメークアーティスト活動を終了。現在は雑誌や広告での執筆、講演、TV等で活躍し、幅広い年齢層から支持を集めている。2022年秋、信州大学の特任教授に就任。

次回は、始めたことを続けるコツについて、引き続き藤原美智子さんが語ります。

構成・文/本庄真穂
撮影/高木亜麗
ヘア・メイク/田中宏典
デザイン/日比野まり子