• Fashion
  • 2025.02.19

パンプス選びは足のサイズと特徴を知ることから。こうすれば「快適さ」と「おしゃれ」を両立できる!

ワコール シューフィッター/井上幾久美
パンプス選びは足のサイズと特徴を知ることから。こうすれば「快適さ」と「おしゃれ」を両立できる!

「疲れる」「痛い」がパンプスの2大お悩み

おしゃれのトレンドとしても主流となったスニーカーですが、その一方で「パンプス離れ」が起きているのも事実。ワコールボディブックが行ったアンケートでは、「まったく履かない」49.3%、「週1〜2日」24.6%という結果に。おしゃれ面の理由以外に、どんなことが「パンプス離れ」につながっているのでしょうか。

Q. パンプスのお悩みはありますか?

足が疲れる55.8%
足指が痛い52.2%
かかとがパカパカする41.6%
かかとの靴擦れ34.8%
歩きにくい32.5%
親指や小指の付け根が痛い30.4%
足裏が痛い27.5%
足がむくむ24.4%
足指の靴擦れ16.9%
ムレ・においが気になる14.6%
その他10.2%

(2024年12月ワコールボディブックにて実施 回答数615人)

「通勤時間が長いので、1日履くと足がぐったり…」
「本当は履きたいけれど、足が小さくてかかとがパカパカして、靴擦れができるのが苦痛」
「足の甲が薄く、前にずれてしまうので、すぐ足指が痛くなる」
「いろいろ試しても、どれも土踏まずがフィットしない」
「スニーカー生活に慣れてしまって、パンプスを履いただけで足裏がつらい」
「パカパカするのでワンサイズ小さくすると、今度はキツくて指がいたくなる。どうしたらいい?」

など、「履きたいけれど」「つらい思いをしたくない」という声が多数。こうしたジレンマに対して、いい解決方法はあるのでしょうか。

パンプス選びは足のサイズと特徴を知ることから。こうすれば「快適さ」と「おしゃれ」を両立できる!

思い込みで
パンプスを選んでいませんか?

「まずは、ご自分の足の特徴を知って、それに合わせたパンプスを選ぶことから。同じ足の人はふたりといなくて、顔と同じようにひとりずつ足も異なるんです」とワコール シューフィッター・井上幾久美。

「お客さまのなかには、『幅広で』『痛くなる』とおっしゃる方がよくいますが、実際に幅広の方は足幅のところでパンプスが止まるので、意外と痛くなりにくいものです。幅広だと思っている方のなかには、足幅が狭いために前にすべり、幅やつま先が圧迫されて痛くなっている場合も。それでどんどん大きいサイズに移行して、さらに合わなくなる…。起こりがちな間違いです」(井上)

ワコール シューフィッター・井上幾久美

正しい足のサイズと特徴を知るために、店頭で計測することが、第一歩。同じ23cmでも、幅がDなのかEなのか、幅の広い2E、3Eなのか、さらにかかとが小さいタイプなのか、計測することで正しく把握できます。そして店頭での試着では、「遠慮せずにたくさん歩いてください」(井上)。店内でも「いつもと同じスピードで」、そして「できるだけ端から端まで長めに」歩き、さらに「つま先立ちをしてかかとが脱げないか」必ずチェックを。

営業からパーティまで
シーン別パンプスの選び方

サイズ把握と試着にしっかり時間をかけたうえで、「冠婚葬祭のときだけ履く」「(子どもの)学校行事にはやっぱりパンプス」「ドレスアップしたときはハイヒールを履きたい」「人前に出るプレゼンなど、ハイヒールを履くと気合が入る」と答えてくれたみなさんのために、さらにシューフィッター視点からのアドバイスに耳を傾けてみましょう。

冠婚葬祭のときは

「葬儀であれば、華美にならないブラックパンプスが定番です。フォーマルウェアはスカート丈が長めなので、ヒールが低すぎるとバランスが悪くなってしまいます。5cmくらいのヒールがよいでしょう」

「結婚式などパーティの場であれば、7cmヒールもありですし、リボンがついた華やかなものもおすすめです」

出張・営業のとき

「仕事でたくさん歩く場合、3.5〜5cmヒールでかつストラップ付きのものだと、足の甲が固定され、前すべりが抑えられます。足指が痛くなるという方にも、ストラップ付きはおすすめです。また出張などであれば晴雨兼用のものも、濡れや汚れを気にせず履けて便利です」

仕事でたくさん歩く場合、3.5〜5cmヒールでかつストラップ付きのものだと、足の甲が固定され、前すべりが抑えられます。足指が痛くなるという方にも、ストラップ付きはおすすめです。また出張などであれば晴雨兼用のものも濡れや汚れを気にせず履けて便利です

足の甲が薄くて前すべりしやすい人には、さらに「甲が覆われて前すべりを抑えられるブーツ、ストラップで甲のフィット感を調整できるタイプのパンプスもおすすめです」とのこと。シーンに合うものを選んで、快適なお仕事ライフを!

足の甲が薄くて前すべりしやすい人には、さらに「甲が覆われて前すべりを抑えられるブーツ、ストラップで甲のフィット感を調整できるタイプのパンプスもおすすめです」

学校の行事、子どものイベントなど

「学校を訪れると、舗装していない場所、土の多い場所が案外多く、細いヒールのパンプスは不向きです。かかとは太めのものを選び、お庭を傷つけないよう配慮したいもの。ヒールはやはり5cm以下がいいでしょう」

――アンケート回答のなかには、こんな声も。
「たまに7cmヒールを履きたいと思うけど、尻込みしてしまう」「デザインのよさと履きやすさ、両立する靴に出会えない」…。こうした迷いを解消するためにも、上の提案を参考に。ただし、くれぐれも事前に正しいサイズと足の特徴の把握を忘れずに。

  • 井上幾久美(いのうえ いくみ)
  • 井上幾久美(いのうえ いくみ) ワコール入社後、店頭販売員を経て、BA教育に携わる。2011年FHA上級シューフィッター取得。店頭では足型計測相談会等のイベントを実施している。
構成/ワコールボディブック編集部
撮影/合田慎二
デザイン/WATARIGRAPHIC