• Wellness
  • 2023.01.25

ハーブティーからはじめる、からだを整えるハーバルセラピー

冷え性解消、快眠、むくみとり……よく効くハーブティー5選!

ハーブティーからはじめる、からだを整えるハーバルセラピー 冷え性解消、快眠、むくみとり……よく効くハーブティー5選!

寒さが厳しさを増すこの季節、ハーブティーでからだを温めリラックスしませんか? 今回は京都でブレンドハーブティーの販売やワークショップを行う<LITTLE WONDERS(リトルワンダース)>の太田明子さんに、ハーブティーの淹れ方や、効能別のおすすめのハーブティーを教えてもらいました。

“自然の恵み”で心とからだを和らげる
ハーブを通したセルフメディケーション

ハーブティー

ハーブティーとは、ハーブの花や葉、種子などから有効成分を抽出し、植物のエキスを楽しむ飲み物のこと。ハーブひとつひとつに独自の効能があることから「西洋の漢方」とも言われています。

「ハーブは種類が多くどれをどう選べばいいか迷うかもしれませんが、選び方がわかればとても便利なもの。なかでもハーブティーは、植物の中にある有効成分を手軽に体内に取り入れることができ、その穏やかな作用でからだの不調の回復を助けてくれる、セルフケアの入門にぴったりの飲み物なんです」と、太田明子さん。多忙だった20代の頃に体調を崩しては薬を飲む……という習慣を繰り返していたことから「薬に頼らない自然療法」のひとつとしてハーブの世界に触れた太田さん。その後、ハーブについて深く知りたいと、身近にある植物を使い心身の不調を癒す「ハーバルセラピー(植物療法)」について学び、セラピストの資格を取得。世界中から集めたオーガニック・無農薬・ワイルドクラフト(自生)の茶葉のみを使い、ハーバルセラピーの観点からブレンドしたハーブティーを広く紹介しています。

ハーブ

「まずは、自分のからだに合うブレンドを一日一杯、飲んでみることからはじめてみてください」と太田さん。ハーブティーに慣れてきたら、お気に入りのブレンドをいくつか用意しても。慣れてきたら、その日の自分にしっくりくるアレンジをシングルハーブを組み合わせてオリジナルで作ってみるのも楽しいはず。続けていくうちに、自分のからだのリズムに合うものやこのトラブルにはこのハーブが効果的、と少しずつ見えるようになるそう。

「飲むときはリラックスしてハーブティーと過ごす時間すべてを楽しんで。お湯を入れる静かな音を聞いて、穏やかな香りと美しい色を楽しみ、繊細な味を感じる。五感をフルに使ってあげることで眠っていた自然治癒力を呼び覚まし、ひいては病気にならない心とからだづくりにつながります

ハーブの恵みをからだに行き渡らせるために
覚えておきたい淹れ方のポイント

ハーブの恵みをからだに行き渡らせるために覚えておきたい淹れ方のポイント

茶葉は、ティーカップ1杯(約150ml)につきティースプーンに山盛り1杯~2杯程度が目安。茶葉を淹れたポットに沸騰したお湯を注ぎ、ふたをして3〜5分蒸らせば完成です。

「湯気にも様々な成分が含まれていて、アロマテラピーと同様の作用があるため、ふたをあけたときの湯気の香りもぜひ楽しんで。お湯に浮かぶ色とりどりの花にもきっと癒やされるはず」

中がよく見えるガラスのポットを使うと、待つ時間がより楽しくなりそうです。

ポイントは最後の一滴。そこに大切な成分が凝縮されているので、残さずしっかりと注ぎましょう。

ポイントは最後の一滴。そこに大切な成分が凝縮されているので、残さずしっかりと注ぎましょう。お好みで、はちみつや砂糖(てんさい糖やきび砂糖がおすすめ)などで甘みをつけてもおいしくいただけます。

体調に合わせたハーブの選び方

体調に合わせたハーブの選び方

種類や組み合わせがたくさんあって、どれを選んでいいのか迷ってしまうこともあるハーブティー。今回はハーブ初心者でも飲みやすい、効能別のハーブをお聞きしました。

1. 冷え性の対策には……ジンジャーとカモミール

冷え性の対策には……ジンジャーとカモミール

身体の冷えは様々な不調につながっているため、冷えを解消することは冬のケアに必要不可欠。ジンジャー(生姜)は、古くからからだにいいと親しまれている植物。血行を良くし、芯から温めてくれるので、冷え症の方や風邪の引きはじめにも効果的。カモミールにはからだを温める作用や発汗作用があり、からだを内側からじんわりと温めてくれます。

2. 花粉症やアレルギー対策には……ネトルとエルダーフラワー

花粉症やアレルギー対策には……ネトルとエルダーフラワー

季節の変わり目に体調を崩しやすい人や花粉などに敏感に反応してしまう人に。ネトルは「浄化のハーブ」と呼ばれ、浄血作用があり冬に溜めた老廃物を出すことで春の不調やアレルギーが軽減されるといわれています。エルダーフラワーは鼻水、咳を鎮めてくれ、抗アレルギー作用も期待できるハーブです。

3. デトックスやむくみとりには……ハイビスカスとダンデリオン(根)

花粉症やアレルギー対策には……ネトルとエルダーフラワー

ハーブの中には利尿・デトックス効果のあるものが多くありますが、ハイビスカスとダンデリオンはその代表格。体内の余分な水分や老廃物の排出を促してむくみを改善。強い酸味が特徴のハイビスカスは、クエン酸を豊富に含みミネラルも豊富で、スポーツ後の水分補給にもぴったり。ダンデリオンは、ビタミンや鉄分、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれていて、貧血の解消や肝臓や腎臓、消化器系の働きを高める作用もあるそう。

4. 女性特有のお悩みには……ラズベリーリーフとローズ

女性特有のお悩みには……ラズベリーリーフとローズ

PMSや更年期、ホルモンバランスの乱れなど、女性特有の悩みを和らげるハーブも。ラズベリーリーフは月経にまつわる様々な不調を和らげてくれる効果があり、「子宮のためのハーブ」とも。ローズはホルモンバランスを調整する作用があり、月経前のイライラや更年期の症状を緩和し、憂うつな気分を和らげる作用が。ビタミンCやポリフェノールを豊富に含んでおり、アンチエイジングにも効果的です。

5. よく眠りたいなら……カモミールとリンデン

よく眠りたいなら……カモミールとリンデン

ベッドに入ってもなかなか寝付けない、眠りが浅い……といった睡眠に関するお悩みには、リラックスして安眠を助けるハーブが有効です。カモミールはリラックスハーブの代表で、心身の緊張や疲労をやわらげ安眠に導いてくれます。リンデンは鎮静効果があり不安やストレスからくる不眠におすすめです。

ハーブティーを飲む以外の楽しみ方も

消費期限以内に飲みきれなかった茶葉や好みの味じゃなかったハーブティーを無駄にしないためにバスソルトにアレンジする提案も教えていただきました。肌にもやさしく、自然の香りでリラックス。天然塩による保温効果でからだが芯からポカポカになります。

ハーブティーを無駄にしないためにバスソルトにアレンジ

材料は、余った茶葉と大粒の天然塩。そのまま入れると湯船にハーブが広がってフラワーバスのようになります。散らばらないほうがいい場合は、小ぶりの巾着型の袋などに入れても。

作り方は、茶葉と同量の塩をボウルに入れてしっかりと混ぜるだけ。

作り方は、茶葉と同量の塩をボウルに入れてしっかりと混ぜるだけ。より香りを楽しみたいときは、お好みの精油を塩に垂らすと香りも立ちます。

ハーブを使ったコーディアルシロップ

ハーブを使ったコーディアルシロップも今、注目を集めています。「コーディアル」とは、ハーブや果物を漬け込んでエキスを凝縮させたもので、古くは医薬品として、現代では漢方のように体調を整えるために飲まれているドリンクのこと。水や炭酸で割ってジュースのように、ビールなどのお酒と割ってカクテルに…と、手軽に植物の恵みを取り入れられるのが特徴。<LITTLE WONDERS>では、さっと煮るだけで簡単にシロップが作れるキットも販売しているので興味のある方はぜひチェックを。

豊かな香りに心が緩み、内側からやさしくいたわってくれるハーブティー。からだの不調が気になるときや、忙しい日々からちょっとだけ抜け出したいときは、ハーブの力に頼ってみるのもいいかもしれません。お茶を淹れる時間も心を癒される、ハーブティーライフを楽しみましょう。

  • 太田明子(おおた・あきこ)
  • 太田明子(おおた・あきこ) 京都府生まれ。社会人時代の体調不良をきっかけにハーブとハーバルセラピー(植物療法)に出会い、セラピストの資格を取得。日々の変わりゆくからだの変化に合わせてハーバルセラピー(植物療法)の観点からブレンドしたハーブティーを提案する<LITTLE WONDERS>を立ち上げる。自身のオンラインストアや全国のセレクトショップなどで商品を展開するほか「ハーブティーをもっと身近に取り入れてほしい」との思いから、ワークショップも頻繁に開催。活動の場を広げている。
    http://www.littlewonders-herb.com/
取材・文/下川あづ紗
撮影/山口健一郎
構成/梅原加奈
デザイン/WATARIGRAPHIC