• Wellness
  • 2022.12.28

簡単! 煮込み料理に使える手づくりブーケガルニ

「LIKE LIKE KITCHEN」の小堀紀代美さんに教えてもらう温活レシピ

簡単! 煮込み料理に使える手づくりブーケガルニ

ブーケガルニとは、臭い消しや風味づけのためにスープやシチューなどに入れるハーブのこと。小さなブーケのように好みのハーブを数種類束ねれば見た目も華やかになり、テーブルが盛り上がります。今回、簡単にできるブーケガルニの作り方と、からだを温めてくれるブーケガルニを活用したレシピ2品を、予約がとれない料理教室と話題の「LIKE LIKE KITCHEN」を主宰する小堀紀代美さんに教えていただきました。

まず、ハーブを使ってブーケガルニをつくる

左から:長ネギ、ローリエ、ローズマリー、タイム、イタリアンパセリ 左から:長ネギ、ローリエ、ローズマリー、タイム、イタリアンパセリ

ヨーロッパでは一般的にポロネギを使いますが、今回は日本で手に入りやすい長ネギの青い部分を使います。それと、お好みの香りのハーブを用意します。

使用する道具は、ハーブを束ねるたこ糸とはさみだけ。

使用する道具は、ハーブを束ねるたこ糸とはさみだけ。

まず、長ネギを縦にハサミで切ります。

まず、長ネギを縦にハサミで切ります。

切った長ネギにハーブを置きやすい順番で挟んでいきます。

切った長ネギにハーブを置きやすい順番で挟んでいきます。

バラバラにならないようにたこ糸でぐるぐると巻いてぎゅっと締めます。

バラバラにならないようにたこ糸でぐるぐると巻いてぎゅっと締めます。

これで完成。「複数のハーブを入れることで、さまざまな香りが広がります。そのまま使うとバラバラになってしまうタイムもネギで包むと扱いやすくなりますよ。今回は洋風にしましたが、しょうがなどの和の食材でもできます。たこ糸がなくても、簡単にお茶パックなどに入れて使うのでもいいですよ」

これで完成。「複数のハーブを入れることで、さまざまな香りが広がります。そのまま使うとバラバラになってしまうタイムもネギで包むと扱いやすくなりますよ。今回は洋風にしましたが、しょうがなどの和の食材でもできます。たこ糸がなくても、簡単にお茶パックなどに入れて使うのでもいいですよ」

ハーブのほかに、玉ねぎの端やセロリの葉、香味野菜を入れても。また、普段は捨ててしまうような野菜くずなどをまとめて使えばサステナブルにも繋がります。

作ったブーケガルニは冷蔵庫で保存することも可能です。

作ったブーケガルニは冷蔵庫で保存することも可能です。
「ハーブがしんなりするので、かたく絞ったペーパータオルに包み、バットなどに入れて密閉します。2、3日持つので、まとめて何本か作ってもいいですね」

また、ブーケガルニは煮込み料理に使うイメージがありますが、蒸し野菜にブーケガルニを入れるのもおすすめだそう。

また、ブーケガルニは煮込み料理に使うイメージがありますが、蒸し野菜にブーケガルニを入れるのもおすすめだそう。
「厚手の鍋に好みの野菜をぎゅうぎゅうに入れ、塩とオリーブオイルをかけ、ふたをして弱火で20分ほど蒸します。水分の多いかぶや大根を入れると、蒸気がまわりやすいのでおすすめです。粗塩とオリーブオイル、好みでビネガーをかけて。オリーブオイルに香りが移りやすいので、何もつけなくてもいいくらいおいしくなります。缶詰の豆を使った豆料理やアヒージョなど、さまざまな料理に使えるブーケガルニをぜひ作ってみてください」

からだを温めてくれる、ブーケガルニを使った冬のレシピ2品

ハーブが香るアクアパッツァ

ハーブが香るアクアパッツァ

材料を鍋に入れて火にかけるだけと簡単なのに、彩りがあって豪華に見えるおもてなしにもぴったりなメニュー。「切り身ならあっという間にできますが、小さな魚を1尾入れて作るのも見栄えがしておすすめです。冷凍の魚介類を使う場合は、ブーケガルニを入れたお湯にさっとくぐらせてから使うと、臭みが取れます。具材に火が通ったら、魚や貝を取り出して強火で煮汁を煮立てるのがポイント。水とオリーブオイル、魚介類のダシが乳化して、コクのあるソースになります。かぶやパプリカなどの野菜をプラスして、アレンジしても」

材料(2人分)
好みの魚(金目鯛、鱈、さわらなど)……切り身2枚(200g程度)
あさり……12粒
海老……2尾〜
オリーブオイル……大さじ2
にんにく……ひとかけ(薄切り)
ケイパー……小さじ1
ミニトマト……8個
白ワイン……大さじ1
グリーンオリーブの実……6個
ブーケガルニ
ネギの青いところ……2枚
タイム……2〜3本
ローリエ……1枚
イタリアンパセリ……2〜3本

下準備
・魚の切り身は全体に塩小さじ1/3(分量外)をふり15分置いて表面に水気が出てきたらさっと洗って拭く。
・海老は尾を残して殻をむき、背中に切り込みを入れて背ワタを抜く。塩、片栗粉(分量外)の順によく絡めて洗い、水気をとる。
・あさりは砂抜きして、全体に塩をふり殻と殻を擦り合わせて汚れを落として洗う。

作り方
❶鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて中火にかけ、香りが出てきたらケイパーと半分に切ったトマトを加えてさっと炒める。

❷魚とあさり、白ワインを入れて魚の身の半量まで水を入れ、沸騰したらあくを取り除く。

ブーケガルニ、オリーブも入れてふたをし、中火で7〜8分魚に火が通り、あさりの口が開くまで煮る。煮汁が多ければ、魚を一旦取り出し、すこし煮詰める。

❸ブーケガルニ、オリーブも入れてふたをし、中火で7〜8分魚に火が通り、あさりの口が開くまで煮る。煮汁が多ければ、魚を一旦取り出し、すこし煮詰める。

❹最後に味をみて塩、黒こしょう(分量外)で味を調え、器に盛り付けてイタリアンパセリを添える。

スープまでおいしいゆで豚

スープまでおいしいゆで豚

ひとつの鍋で、ゆで豚とスープの2品作れるうれしいレシピ。「ゆで豚というとネギ、しょうが、酒で味付けするのが一般的ですが、ブーケガルニと白ワインで洋風に。豚肉をメインにしても、にんじんやじゃがいもなど野菜を一緒に入れればポトフにもなります。弱火でじっくり長時間煮るため、ほかの野菜を入れる場合は煮崩れないよう丸ごと入れて。時間はかかりますが、火にかけるだけで手間いらずでできあがるから実は簡単です。ブーケガルニは、長時間入れたままでもちゃんと香りが出ます」

材料(2〜3人分)
豚肩ロースブロック……450g
塩……小さじ1
砂糖……小さじ1/4

ブーケガルニ
ネギの青いところ……2枚
タイム……2〜3本
ローズマリー……1〜2本
ローリエ……1枚

白ワイン……1/2カップ
玉ねぎ……1個(半分に切る)
キャベツ……2〜3枚
マスタード……適量
粗塩……適量
黒こしょう……適量

作り方
❶豚肉の表面の水気をとり、塩と砂糖をすりこみ、ラップをぴったりと巻き室温に戻しながら2〜3時間おく。

❷お湯を沸かし、表面の色がうっすらと変わるまで湯通ししてザルにあげる。

❸きれいな鍋に白ワインと2の豚肉、玉ねぎ、ブーケガルニを入れてかぶるくらいの水を入れる。

❹中火にかけ、沸騰したら灰汁を取り除き、厚手のペーパータオルをのせて落としふたにし、弱火で90分茹でて火を止めそのまま冷ます。

スープまでおいしいゆで豚

❺豚肉は取り出し、食べやすい大きさに切る。玉ねぎ、スープと共に温め、味をみて塩で調える。キャベツは食べやすい大きさに切り、スープの中でさっと火を通す。

❻器にキャベツ、豚肉、マスタードを盛り付け、粗塩を添えてお好みで食す。玉ねぎ、スープを盛り付け、玉ねぎの上に粗挽き黒こしょう、粗塩をのせ、オリーブオイル(分量外)少々を垂らす。

ブーケガルニを使った、すぐに作りたくなるごちそうレシピ。いろいろなハーブを使って、ぜひ試してみてください。

  • 小堀紀代美(こぼり・きよみ)
  • 小堀紀代美(こぼり・きよみ) 料理研究家。各国の料理を食べ歩き、そこで出合った味からオリジナルレシピを作り出すのが得意。料理教室「LIKE LIKE KITCHEN」主宰。著書に『ライクライクキッチンの旅する味 予約のとれない料理教室 レッスンノート』(主婦の友社)、『ごはんにかけておいしい ひとさライス』(西東社)ほか多数。
    Instagram @likelikekitchen
取材・文/赤木真弓
撮影/松元絵里子
構成/梅原加奈
デザイン/WATARIGRAPHIC