女優・清水みさとさん<後編>サウナラバーが語る、初心者向けサウナ指南

特集/2022年夏、汗対策の最新事情

語り/清水みさとさん(女優)
清水みさとさん

19歳のころから11年間、毎日サウナに通っているほどサウナを愛する女優・清水みさとさん。これからサウナに行ってみたいと思う方に向けて、おすすめのサウナや、最初は抵抗がある人も多い「水風呂の入り方」などを教えてもらいました。

サウナ初心者でも行きやすいのは、こんな場所

東京・後楽園の「スパ ラクーア」や、神奈川・横浜駅直結で行ける「スカイスパYOKOHAMA」などは施設もきれいで入りやすいです。今日の取材場所の東京・神楽坂「ソロサウナtune」のように、ひとりで入れるサウナも最初の入り口としておすすめですね。

銭湯は、場所によっては常連の方の暗黙のルールがあるところもあります。それをうっかり破ると、ちょっときつめに言われてしまうこともありますが、「あ、はい!」とさらっと受け流せるハートがあれば大丈夫。そして、ルールは素直に聞いたり徐々に覚えていけばいいんです。

水風呂は2秒でも入ると「ととのう」が味わえる

よく聞かれる「水風呂」。これはもう正直言って、からだが慣れていない1回めは頑張るしかありません。最初は2秒でもいいので、冷やすことが大事です。それが何よりサウナでいい汗をかくコツ。慣れないうちの水風呂は本当に冷たく感じるし、その後にからだがあたたまるのも遅い。でもその最初さえ乗り越えてしまえば、2回めからはグッと気持ちよくなることが多いです。もちろん個人差がありますが、不思議と「水風呂に入りたい」という感覚になっていくんです。

理屈はシンプルで、熱いサウナに入ると、からだを冷やすために汗が出る。そして水風呂で冷やすと、からだをあたためる機能が働く。さらにそこでここちいい温度の場所で休憩を挟むと、いわゆる「ととのう」感覚を味わえると思います。

清水みさとさん

特に、屋外で休憩する「外気浴」ができるサウナを選ぶと、季節も全身で感じられていいですよ。普段、夏と冬はしっかり感じるけれど、春と秋ってなかなかかみしめる機会が少ないですよね。でも、風が冷たくなってきた、気温が高くなってきた…と、中間の季節も全身で感じられて感覚が研ぎ澄まされ、豊かな気持ちになれるんです。

夏場のサウナも「暑いのにさらに暑いところに行きたくない」と敬遠されることもありますが、実はからだにこもったイヤな熱が放出されるようで、スカッとするのでおすすめです。

日本各地に広がるサウナは、地方創生のきっかけにも

サウナは全国にたくさんあるので、好みの場所を探してみてください。ほとんど毎日サウナに行っても行き尽くせないほどありますし、新店の情報も追いつかない。ちょっと前はサウナがニュースになるなんてレアだったのに、次々オープンするのを見ていると、ブームを感じます。「何ここ、知らない!」って、新しい発見ができるのは、本当に楽しい。もともとサウナ好きな方が施設を手掛けていることも多く、内装や設備などにこだわりを感じられる場所もたくさんあります。長野の野尻湖にある「The Sauna」のように、地方創生の一環として活用されている場所も増えています。

サウナは、自分のご機嫌をとれる非日常の場所

今は文明が進化していて、とっても便利。自分のからだの体温調節機能が弱っていても、扇風機やエアコンがあれば、あたためたり冷やしたりできる。でも、それってからだの本来の機能を使い切れていないような感覚があるんですよね。「汗をかく」って、人類の根本的な機能のひとつではないでしょうか。それを思い出させて、高めてくれるのが、サウナだと思っています。

清水みさとさん

かといって、ただ「汗をかく場所」ではなく、気分を切り替えて楽しい自分でいられるスイッチでもある。そして、情報をシャットアウトしてひとりになれる、ある種の非日常空間でもある。できるだけ毎日楽しくいたいし、機嫌よくいたい。今の自分はまさにそうですが、「これは、なんのお陰なんだろう?」と考えてみると、サウナそのものや、サウナでいろいろな人に会ったからなんです。

毎日いろいろなことがあるけれど、サウナに入ってすっきりすれば、重く考えずにご機嫌でいられる。サウナに出会っていなかったら、まるで違う人生だったんだろうな、と感じています。

取材・文/後藤香織
撮影/名和真紀子
取材協力/ソロサウナtune
デザイン/WATARIGRAPHIC
  • 清水みさと(しみず・みさと) 1992年3月5日生まれ。奈良県出身。女優、タレント。サウナを愛し、サウナ・スパ健康アドバイザー、サウナ・スパプロフェッショナルの資格も所有。サウナのポータルサイト『サウナイキタイ』モデルや、ラジオ番組『清水みさとの、サウナいこ?』など、サウナにまつわる活動も多数。
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