睡眠コンサルタント友野なおさんの快眠生活<後編>

特集/眠りの真実

語り/友野なお(睡眠コンサルタント)

睡眠は意識を変えるだけで、だれでもとれる、フェアな健康方法。睡眠を削って頑張るという考えからは、もう卒業! 上質な睡眠で免疫力を上げ、すこやかな心、元気なからだを取り戻しましょう! 友野なおさん

Secret6
寝起きには水を補給し、血流促進を!

寝ている時間を7時間だとすると、人はその間にコップ1杯分の汗をかいているので、朝起きたときはからだが砂漠化している状態です。寝起きには、のどが渇いたと実感していなくても、水を飲んで血流を促進させましょう。コーヒーやジュースではなく、あくまで水であることが大切です。冷蔵庫でキンキンに冷えたものだと内臓が冷えてしまうので、常温か白湯をとりましょう。私は起き抜けに白湯をとることを日課にしています。

Secret7
タンパク質が質のよい眠りを導きます

質の高い睡眠のために、タンパク質をとることを心がけています。タンパク質には、トリプトファンという必須アミノ酸の一種が含まれているのですが、それが、神経ホルモン「セロトニン」、ひいては睡眠ホルモン「メラトニン」の材料になります。私の朝食は、バナナやアボカド、ヨーグルト、はちみつなどの手もみスムージーが基本。昼食は、豚肉などの肉料理をメインに、夕食はヘビーなものを避けています。夕食に関してはとる時間のほうが大切で、0時就寝だとすると、19〜20時くらいには食べ終わるのが理想です。

Secret8
ぬるめのお風呂で就寝準備

私は、毎日、0時就寝、7時起床を習慣にしていて、23:45くらいには、お布団の中に入るようにしています。逆算して、22:30にお風呂、23:00ボディケアやストレッチ、23:30マインドフルネス瞑想という流れになります。お風呂は、副交感神経を優位にするためには効果的。ただし、熱いお湯だと、交感神経が高ぶってしまうので注意を。冬なら、40℃のお湯に20分ほどつかるようにしています。バスソルトや精油など、保温効果を高めるものもおすすめ。私はラベンダーやイランイラン、サンダルウッドの精油をバスソルトに加えたり、発泡タイプをその日の気分で使いわけています。

Secret9
寝る前に脳の疲れをリセット

脳の疲労をとるために、「マインドフルネス瞑想」を寝る前10分くらい、ソファに座って行っています。「マインドフルネス瞑想」とは、"今、ここだけ"に意識を集中させること。たとえば、手の指先だけ触れて、その感覚に意識を向けることで、ストレスを緩和させることができるのです。また、一日中駆使した目元の疲れを取ることも、脳の疲れには効果的。一般的に、寝付くまで15分ほどかかるので、その間にホットアイマスクなどで目元ケアを行うのもおすすめです。ちなみに、布団に入ったら"バタンキュー"の状態は健康だからではなく、失神に近い状態です。そんな状態が続いているなら、睡眠不足を疑ってみてください。

Secret10
月経中の睡眠の質は下着が左右

寝返り力と睡眠力はイコールです。ここちよい寝返りをうてる状態をつくることが大切なので、月経中はフィットする下着を選びましょう。下着がズレたり、不快感をもたらすものだと、無意識に寝返りをうたなくなるものです。月経中はただでさえ睡眠が浅くなりがちです。快適な睡眠を得るためにも、安心感をもたらす下着へと改善させましょう。

友野なお 睡眠コンサルタント 株式会社SEA Trinity代表取締役
科学でわかる ねむりの環境・空間ラボ主宰
睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から睡眠を研究。科学的なエビデンスを基本とし、睡眠改善や、快眠をうながす睡眠環境づくりを得意とする。全国での講演活動や商品開発のプロモーションなど、幅広く活躍。
「やすみかたの教科書」(主婦の友社)、「きょうの睡眠ダイエット」(主婦と生活社)など著書も多数。
http://tomononao.com/

取材・文/川口夏希
撮影/長谷川梓