紫外線対策は大事。でもビタミンD不足も深刻

文/おくだじゅんこ(管理栄養士)
イラスト/いしわたりきわこ
紫外線対策は大事。でもビタミンD不足も深刻

からだの土台のために大事な紫外線とビタミンD

ウィズコロナの生活も1年以上が過ぎました。

おうち時間に慣れてきたのはいいけれど、外出機会が減り、日光に当たる機会が以前より減ってしまった人も、同様に多いのではないでしょうか。

日光に当たらない生活が続くと、不足してしまう可能性がある栄養素があります。
それは何でしょう…? 答えは「ビタミンD」です。

ビタミンDは、カルシウムの吸収を促し、骨や歯へのカルシウム沈着を高めます。ですから、ビタミンDが不足してしまうと、乳幼児では骨が硬くならない病気(くる病)を引き起こしたり、成人でも骨軟化症や骨粗鬆症を発症する原因となるわけです。

骨が硬くならいと、脚がからだを支えきれず、X脚やO脚になったり、からだのゆがみの原因にもなります。からだを美しく保つうえでも、しっかり支えられる丈夫な骨を保ちたいものです。

さけ、いわしはビタミンDの宝庫

ビタミンDは皮膚に紫外線が当たることで合成されますが、日光に当たらないとその分不足しやすくなります。その場合、食品からビタミンDを摂取して補わなければなりません。

下の表からもわかるとおり、ごはんやうどんなどの穀類・野菜・果物・海藻類には、ビタミンDはまったく含まれません。卵や肉類、キノコ類には若干含まれますが、特に多いのは「魚」です。

ビタミンDが多い食品と含有量 *『八訂 食品成分表 2021』(女子栄養大学出版部)を元に、筆者作成

魚というと、煮魚、焼き魚を思い浮かべる方も多いですが、ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、油との相性も抜群です。油で調理することで吸収率も高まります。フライやムニエルにすれば調理のレパートリーも増えますし、時間がないなら缶詰での摂取でも十分です。

しらす干しにもビタミンDは多いので、ごはんのお供にしたり、サラダにトッピングして和風サラダにするもよし! ちょっとしたところから魚の摂取を心がけましょう。

実は、このビタミンD不足から起こる「くる病」は、戦後間もなく栄養状態が悪い時代に多くみられましたが、その後患者は減少していました。それが、東日本大震災の後に、福島周辺地域で患者が出たという報告があったそうです。「放射能を心配して、外に出ることができなかった」ことも原因のひとつではないかと考えられています。外出が少なくなるという点では、今のコロナ禍の現状と似ているかもしれません。

とはいえ、太陽が一日中昇らない、一日中日光が当たらない生活をしている北極圏の人が、みんな、くる病になるのかといえばそうではありません。北極圏に住む民族・イヌイットの人たちは血中ビタミンD濃度が高いといわれています。イヌイットの伝統的な食べ物というと、魚やアザラシ、クジラやトナカイの肉などで、いずれも大きなビタミンDの源ばかりです。

気兼ねなく外に出られる日が来たとき、健康に自由に動けるからだであるためにも、ビタミンDを意識してみましょう。まずは「おうちお魚生活」から始めてみませんか。

*参考書籍:佐々木敏のデーター栄養学のすすめ(女子栄養大学出版部)

  • おくだじゅんこ/管理栄養士 広島生まれ。2004~2012年の8年にわたり株式会社ワコールに勤務。陸上選手から社員まで幅広く健康管理に携わる。 病院栄養士を経て、現在は広島酔心調理製菓専門学校にて、調理師やパティシエの卵たちと「健康且つおいしい!」を追求し、日々奮闘中。
からだ用語辞典: カルシウム

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