2025.03.12

【特集】おとな世代の肌悩みを徹底解剖#03

愛用品も大公開! 小林ひろ美さんが考える、おとな世代のスキンケアで大切なこと

美容家 小林ひろ美さん

肌からハリやツヤが失われてしまったり、シミやシワが増えてしまったり。何かと深いため息をつきたくなるのが更年期。そんなとき私たちはどんな心持ちでスキンケアに臨めばいいのでしょうか。「人は誰しも歳を重ねるもの。今の自分を肯定するために何ができるのか、一緒に考えていきましょう」と語るのは、美容家の小林ひろ美さん。自分の肌を慈しむためにできること、そして愛用品を交えたスキンケア実践法まで、ゆっくりと語ってもらいました。

更年期のスキンケアは
抗わない、頑張らない。
王道のケアで現状維持を

「女性ホルモンが乱れることで、肌の状態がゆらいでしまう更年期というお年ごろ。『なんとかうまく乗り切りたい。でもどうすれば…?』と悩んでいる人は少なくないと思うんです。そこで提案したいのが『まずは現状維持』という穏やかな姿勢。何かとマイナートラブルが発生しがちなこの時期は、抗わない、頑張らない。そんなゆったりとしたスタンスでケアに臨むぐらいがちょうどいいのではと思うのです。

だからこそ大切なのは、今の自分を受け入れて、現状の肌を肯定してあげること。たとえばフランスの名女優たちは、深いシワが入っていたとしても、それがオーラやムードとなって、唯一無二の存在感を放っていますよね。そんなナチュラルエイジング、ビューティフルエイジングが私の理想の年齢の重ね方です。

そのために必要なのは、やはり日々の丁寧なスキンケア。攻めのケアは少しお休みしてもいいと思います。守りのケア、いわゆる『落とす』『うるおす』『フタをする』という王道のケアに専念する。そうすることで、中古車などではなく、価値の高いクラシックカーとして輝くことができるのではないかな、と思います。

私自身の話をすると、改めて『テクスチャー』と『香り』を意識してスキンケアアイテムを選ぶようになりました。ローションひとつとっても、『これは自分の肌にスッと自然になじんでくれる』というものがあると思うんです。また『この香りをかぐと、心とからだがほぐれていく』と感じるものもあるでしょう。自分がラクでここちよくいられる、そんなアイテムでスキンケアを癒しの時間にする。今の時期は、そんな心持ちで自分の肌と向き合ってみるのはいかがでしょうか」

小林さんの愛用品コラム 1

美肌へと導く、からだ巡りセット

ハーブの香りに癒されるマルチオイル

「美しい肌づくりのためには、全身にアプローチすることが大切だと考えています。というのも、からだ全体の巡りをよくすることで、肌は内側から輝き、透明感が増すからです。そこで365日欠かさず使っているのが、このハーブサーキュレイトオイル。お風呂から上がったらすぐに手に取り、リンパを意識しながら全身マッサージ。ハーブの香りも心を癒してくれる、なくてはならない最愛アイテムです」

自分に合った腸活で日々に安心感を

「さらに私が重要視しているのが、腸。肌は臓器のいちばん外側だと考えると、その内側を整えずして、美肌が叶うことはないですよね。そのために、8種類の生きたプロバイオティクス菌株が含まれているカプセル、オレゴン州のアッパークラマス湖に自生する天然の藍藻類をフレーク化したエナジーパウダー、微生物酵素が生きたまま腸に届く直径3ミリの小さな粒を、それぞれ体調に合わせて取り入れています。自分のからだと合う腸活アイテムがあると、日々の安心感が違うもの。ぜひ探してみてください」

小林さんの愛用品コラム 2

暮らしの動線に置いておく、プチプラ&コスパセット

シートマスクと導入美容液

前回の記事#02でもお話ししたとおり、最近のプチプラコスメはどんどん進化を遂げていて、この流れに乗らない手はない、と思うことがよくあります。私が気に入っているのが、注目のグルタチオンとビタミンCを含んだ韓国ブランドのボックスパック。見た目も洗練されているし、フタを開けるとシートを指で汚さずに取り出せるピンセットが内蔵されていたりして、本当によくできているんです。リビングに置いておいて、YouTube1本見る間にサッとつければ、肌の調子もアップ。先述のハーブサーキュレイトオイルと同じように、暮らしの動線上に備えてルーティンにすることをおすすめします。

また、うるおい改善を目的とした導入美容液も愛用中。実際に使ってみて、価格と効果のコスパのよさに驚きました。こちらも同様に、お風呂上がりすぐにつけられるよう、手が届く場所にスタンバイ。おとなだって、いやおとなだからこそ、プチプラ&コスパアイテムを賢く活用してみてください」

小林さんの愛用品コラム 3

テンションUPの持ち歩きうるおいセット

マルチバームとネイルオイル

「肌や髪だけでなく、唇に爪など、全身のあらゆる場所が乾燥してしまう更年期。そこで私は、ポーチにお気に入りアイテムを入れて持ち歩き、気になるときにサッと取り出して、うるおいアップを心がけています。しっかり水分や油分を与えるとツヤが出て、みずみずしい印象になるんですよね。

まずひとつは、俳優の井浦新さんが手がける自然由来成分100%でケミカルフリーのマルチバーム。そして爪やその周囲の皮膚を保湿・保護し、ささくれや二枚爪、ひび割れなどのトラブルから守ってくれるネイルオイル。お気に入りの理由は、どちらも香りが豊かだから。更年期はやる気が出なかったり集中が続かなかったり、メンタルもゆれてしまいがち。香りで五感を刺激することで、自分の前向きスイッチがオンになる。そんな役目も果たしてくれている気がするんです」

小林ひろ美さん
  • 小林ひろ美(こばやし・ひろみ) 美容家、「美・ファイン研究所」主宰、リバイタライズサロン「クリーム」ディレクター。1991年、日本を代表する美容研究家である母・小林照子とともに「美・ファイン研究所」を設立。1998年、リバイタライズサロン「クリーム」をオープン。自身の経験に基づく理論と美容方が多くの人々の支持を集める。 Webサイト:「美・ファイン研究所
撮影/望月みちか
ヘア&メーク/広瀬あつこ
構成・文/本庄真穂
デザイン/日比野まり子