ワコール発の「SCANBE(スキャンビー)」は、スキャンルームに入ってセルフで計測することで、3D映像や全身18カ所の数値など、自分のボディデータを気軽に詳しく知ることができるサービスです。計測結果はアプリに記録していくこともできます。「面白い」「楽しい」「自分のからだの発見がたくさんあった!」といったコメントが数多く寄せられている「SCANBE」。実際に体験して感じたことを、モデル・ライターのMinoriさん、モデルのRikoさん、会社員のOchibaさんにお話ししてもらいました!

- Profile(左から)
ミノリ
Minori 2000年生まれ。大学時代からモデル・ライターとして活動を開始。
現在は俳優業にも挑戦している。
大学で社会学を専攻していたこともあり、世の中の出来事や社会の構造に関心をもち、その中で自分らしい生き方を模索している。
黄 理子
Riko Ko 1996年生まれ。台湾と日本にルーツをもつモデル。
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科金工専攻卒
ジュエリーブランド「TALANTO」クリエイター。
落葉えりか
Ochiba Erica 1997年、奈良県生まれ。Creative Studio Kokoに所属するプロデューサー。ジェンダーや性教育のテーマを中心としたプロジェクトに携わる。
意外と知らない自分のからだのこと
――「SCANBE」を実際に体験してみて、どうでしたか?
Minori:未知でした! 自分のからだのことなのに、全然知らなかったな。
Riko:予想と全部違ってました。
Ochiba:へ〜! 何が予想と違いました?
Riko:データを見ると、カップがCだったことに驚きました。最後にサイズを測ったのは中学生のときなんだけど、そのときから自分はずっとAカップだと思っていたの。だから下着のサイズは「いちばん小さいのを選べばいい」としか考えたことがなかった。
Ochiba:私も計測結果はEカップだったけど、自分ではBかCだと思ってた!
Minori:思ったより大きかったんだね。
Ochiba:私は親も親戚も胸が大きくて、みんなでお風呂に行くと「おっぱいちっちゃいな」ってよく言われて。でも今日初めて自分の3Dデータを見て、胸が離れてるから小さく見えるんだなってわかった。
Minori:私は、自分の3D映像はイメージしていた通りだったかも。でも見た目の感じと体型特徴が逆だったところがあって。今までは下着に全然こだわっていなかったから、ちょっとからだにかわいそうなことしてたなって思っちゃった。
Riko:私も。自分に対して「かわいそうなことしてたね〜」って。

――どうして中学生のとき以来、バストを測らなかったのだと思いますか?
Riko:めんどくさかったのかな...?
Minori:あと、人に測ってもらうのって少し恥ずかしくない?
Ochiba:わかる。初めて下着屋さんに行ったときに測ってもらったけど、お店の人にとってはバストを測るのは当たり前の作業だし、おっぱいなんて見慣れてるよね。だから「はいはい、次!」って感じに圧倒されちゃって、ちょっと嫌だったのね。急にからだを触られることにびっくりして、心の準備ができてなかったのかもしれない。
Riko:私は、触られること自体に抵抗はあまりないかな。パッと測ってもらうほうが、下着も買いやすい。それでも測っていないのは「小さいサイズでだいたい合う」って勝手に思い込んでいたからな気がする。
Minori:それで下着がズレたりはしないの?
Riko:むしろそれが億劫だから、普段はあんまりブラジャーをしていなくて。でも今日測ってみて、ちゃんとサイズが合うものをつければすごくここちいいんだってわかりました。

知ることで、からだの捉え方が変わる?
――普段、まわりの人と体型について話すことはありますか?
Minori:なんとなく避けているかもしれないですね。あまりいろいろしゃべらないほうがいいかなって思っちゃう。
Riko:たしかに私もそれは考えちゃうな。太りたい方もいるし痩せたい方もいる。私自身、普段からどっちも思う時期があるし。実は鏡で自分のからだを見るのが好きなんだけど、「キレイだな」と思うときもあれば、「うわー」ってなるときもあって、日によって感じ方が違って。
Ochiba:私もおなかがぷにってしてきたときに、「かわいい」って思うときもあれば、「うわー、きてるわー!」って思うときもある。
Minori:かわいいって思うの、すごいね。私はあんまり思わないかも...! 服が似合わなくなったら嫌だなって焦っちゃう。
Riko:たしかに、服を着たときと裸のときとではからだの見え方が全然違うよね。
Ochiba:実際に、胸の見え方も洋服を着るか着ないかでかなり変わると思ってて。例えばピッタリした服だったら全部ぺったんこに見せるほうが好きとか、逆にこの服だったらちょっとラインが出てるほうがいいなとか、服によってどんな下着をつけるかを変えてたりするよ。
Riko:でも今日は初めて店員さんの話をたくさん聞けて、プロの視点すぎてもっと話を聞きたい! って思っちゃった。私の下着を選んでほしい。自分では本当にわからないから。

――自分のからだについてコンプレックスを感じる部分はありますか?
Ochiba:私は生まれたときから脚の太さが左右で違っているんですね。だから、脚を出すときは常に気になっちゃう。一般的に、脚の太さは両方同じくらいなのが当たり前って思われているじゃないですか。子どものときは短いスカートをはくこともあったから、「前の子、脚の太さが違う。変なの!」って言われたのをすごい覚えていて。脚の太さを理由に学校とかでいじめられはしなかったけど、そういった日々の小さな出来事がトラウマになっている気がする。自分のからだのことを愛おしいと思ってるけど、この部分は受け入れるのが難しい。だから今日は、自分のからだを数値で見たらどう感じるだろうと思って来たけど、腕の長さが違っていたり、ほかの人もからだの数値が左右で違うと知れて、かなりラクになったなって。
Minori:私は腕の長さが左右で1cm違った!
Riko:私は2cm。
Ochiba:違うよね? からだは全部、左右で同じなのが当たり前だと思ってたから、こんなに違うんだっていうのは気づきだったな。

――おふたりは自分のからだの捉え方が変わった部分はありますか?
Riko:私は胸の大きさかな。小さい胸ってマイナスに捉えられがちだったり、胸を盛るカルチャーがあったりで、よく考えていました。女子校に通っていたし、そういうことに関心をもつ年頃ということもあって、友達と一緒にブラを買いに行きながら「絶対に盛るよね」って話してたんです。当時はバストが小さい人向けのブラって、胸を大きく見せるブラしかなくて。自分が大学生になったくらいのころに盛らなくてもかわいいブラが出てきて、自分の中からコンプレックスが自然となくなっていった気がします。今はいろんな体型の友達がいて、近い友達とはからだのことをシェアしながら「どのからだでも本当に最高だよね」みたいにお互いに言い合ってる。そうしていくうちに、結果的に「コンプレックスどころじゃない、自分のからだ大好き!」って感じになりました。
Minori:私は仕事柄自分のからだを気にすることはあっても、普段の生活の中でコンプレックスを意識することはあまりないかも。その分、ほかの人の体型も全然気にせず過ごしてる気がします。でも小学校のときに「ガリガリ」って人から自分の体型のことを書かれて、すごく怒ったのを覚えてる。「痩せたね」って言うのも褒め言葉だと思ってる人が多いけど、痩せたくない人からするとうれしくないし、「痩せ=褒め」とつなげるのはよくないっていうのを知ってもらいたいです。その人がどういう体型になりたいのかはほかの人にはわからないし、自分のからだのことは自分で決めるものだと思ってます。

私のからだって愛おしい!
――「SCANBE」で自分のからだを知って、何か気持ちに変化はありますか?
Riko:ありますあります。下着って面白いと思いました。最近はタンクトップしか着ないんですけど、あえてこの子(胸)を盛り上げてあげるのって、デコるみたいでかわいいなって。そういう気分で下着を見るのも楽しいなって。
Ochiba:確かに、そう思えたらかわいい〜!
Minori:私は単純に面白かった! 自分の知っていることなんて身長と体重くらいで、知らないことが多いから。3Dスキャンや数値でいろんな角度から自分を見られる体験も面白かった。ちゃんと自分のからだに合う居ごこちのいいものを身につけなきゃと思ったし、自分のからだをかわいがるようなものを選んでみたいなって。
Riko:しかも誰かに触られることなく、ひとりで測れるっていうのもいいよね。私は触られてもあまり気にしないけど、ちょっと気になる方にとっては価値観が変わるんじゃないかな。
Ochiba:しかも、ポップだからプリ機みたいな感じしない? 「そろそろデータが出るよ!」みたいな。だから楽しく測れるのもよかった。今まで病院でMRIをはじめたくさんデータを取ってきたけれど、自分のからだと向き合うのってすごく嫌で。「自分のからだを見たくない」って気持ちになってた。でもこれは楽しいから、また来ようって思えるかも。
Riko:数値もすごく細かく出るしね。通販で注文するときとかも参考にできそう。服を選ぶときもいけるんじゃない?
Ochiba:たしかに! 太ったかも...とか痩せたかも? って思ったときに「また来たい!」って思えるぐらい、楽しく体験できるのがいいな。

今回3人が体験したのはSCANBE東急プラザ表参道「オモカド」店
住所
渋谷区神宮前4-30-3 東急プラザ表参道「オモカド」4F
営業時間
11:00〜20:00(最終受付19:20)
writer/Maki Kinoshita
photographer/Shiori Ota
デザイン/WATARIGRAPHIC