歴史と伝統をつなぐ街、京都。京都はそれと同時に、新しいものを迎え入れ、こころづくしでおもてなしをしてくれる懐の深い街でもあります。さまざまな魅力を持つこの街は、実はワコールボディブックを運営するワコールの本拠地。ワコールボディブックの“地元”だからこそ知る、気取らずに、素のままで楽しむことができる京都へご案内します。京都には、からだとこころを美しく整えるヒントがたくさん詰まっています。Vol.4では、みだしなみを整える京都の名品を揃えてみました。手みやげにもぴったりの京のお道具ばかりです。
目次
〈かづら清老舗〉使うほどにしなやかな髪に導くつげ櫛 〈せんねん灸 京都〉やさしい香りとぬくもりで不調を和らげるセルフお灸 〈内藤商店〉無駄のない美しいフォルムで使いやすいボディブラシ 〈菊一文字〉手放せなくなる抜群の切れ味と使用感の爪切り&毛抜き
使うほどにしなやかな髪に導く
〈かづら清老舗〉のつげ櫛
慶応元年(1865年)創業。髪を美しく整えるための椿油やつげ櫛、結い髪に彩りを添えるかんざしなど、女性の髪まわりの小物を中心にそろえる〈かづら清老舗〉。看板商品のひとつであるつげ櫛は、日本の熟練した櫛職人が歯を1本1本挽いて作り上げるスペシャルなひと品。頭皮に優しい使いごこちで、静電気が起きにくいのが特徴。髪の絡まりや枝毛、切れ毛を防いでくれる効果があります。また、木に染み込んだ椿油が頭皮と髪に栄養分や潤いを届けてくれるので、毎日のお手入れで自然なつや髪に導いてくれるそう。
さつまつげやあかねなど天然の木材を使用していて、櫛は使うほどにきれいな飴色に変化していくというのも楽しみのひとつ。椿油を定期的に塗り込むことで乾燥を防ぎ、長く使うことができます。メンテナンスを加えながら、50年以上愛用している人もいるそう。写真上・さつまつげの解き櫛(13,200円〜)、下・あかねの抜き櫛(各4,840円)
〈かづら清老舗〉を代表する品といえば、つばき油(クラシックボトル2,145円)。「毎日使うものだからこそ、安心な素材と製法にこだわりたい」との思いから九州・五島列島に自社農園と搾油場を構え、上質な椿油作りを追求。じっくりと時間をかけて搾油した「純粋椿油」を使用したオリジナルのコスメやヘアケア商品は、肌と髪の内側からみずみずしい潤いを届け、使用感も優しいと、親子3代で愛用する人も多いそうです。
日本古来の色彩でちりめんを染め上げ、はんなりと愛らしい表情に仕上げた髪飾り。梅をモチーフにしたシンプルなデザインのピンは、普段使いにもおすすめです。正絹ちりめん 梅ミニピン(1,430円)
かづら清老舗 祇園本店
かづらせいろうほ ぎおんほんてん
住所
京都市東山区四条通祇園町北側285
電話番号
075-561-0672
営業時間
10:00~18:00
定休日
水休(祝日・年末年始・お盆は営業)
やさしい香りとぬくもりで不調を和らげる
〈せんねん灸 京都〉のセルフお灸
「お灸」とは、ツボを温めることで血の巡りを良くし、肩こりや腰痛、眼精疲労など、さまざまなからだの不調を緩和する東洋医学の治療法のこと。最近は煙の出ないお灸や、火を使わないシールタイプなど自宅で簡単にできる商品も続々と登場しています。新京極通りに面するお灸の老舗〈せんねん灸〉の京都店には、「セルフお灸」にぴったりの商品がたくさん。さらに、「お灸の良さを広く知ってもらいたい」との思いから、はじめての人向けの体験講座やお灸の原料であるもぐさ作りなど、様々な無料のワークショップも実施しています。
京都店限定で販売されているせんねん灸 彩(20個入り550円)。くだものの香りや、緑茶の香りなど、やさしい香りをまとったお灸は全10種類。少量でパッケージされているため、「お灸は初めて」という人でも気軽に試せるのが魅力です。三角形の愛らしいパッケージは、おみやげとしても好評だそう。
上記商品を詰め合わせた「古都のせんねん灸詰め合わせ」は、大切な人へのギフトにもおすすめ。桐箱入り(9種類4,950円)、紙箱入り(3種類1,980円、6種類3,300円)。
国産の天然よもぎを天日干しにした乾燥よもぎ(770円)は、入浴剤のように使ったり、もぐさ作り活用したり、いろんな用途で使えるひと品。
店頭には商品のテスターも多数。お灸に精通したスタッフに好みの香り、温度などを伝えながら、自分にぴったりのお灸を見つけることができます。
無駄のない美しいフォルムで使いやすい
〈内藤商店〉のボディブラシ
文政元年(1818年)創業。京都の中心地・三条大橋のたもとに佇む、棕梠(しゅろ)のほうきやタワシを扱うお店。看板を掲げず、当時の面影をそのまま残したようなノスタルジックな店構えが目を引きます。「いいものを作っていれば、お客様は繰り返し足を運んでくれる、というのが代々受け継がれてきた信念なんです」と微笑む7代目当主の内藤幸子さん。その言葉の通り、何代にも渡って商品を愛用する人が多いそう。通りを行く観光客たちも吸い寄せられるように足を止め、シンプルで美しい道具たちを手にしていきます。
店内には棕櫚で作られたほうきやタワシ、馬毛のブラシやヤシ素材のバスマットなど、自然素材を使い職人の手で丁寧に作られた商品約230種類が並びます。「背中が洗いやすいように」ボディ用のタワシの両端に長めの紐をつけるなど、一つひとつ使いやすいように工夫が施されていて、説明を聞くほどに「使ってみたい!」と思わせるものものばかり。
馬毛のボディブラシは柄なし(写真左・3,080円)と短柄(写真右・3,300円)、長柄(3,630円)の3タイプ。程よい硬さの毛でマッサージするように洗うことで血行が促進され、冷え性の改善や美肌作りにも効果的だそう。毛の色によって固さが異なるので、お好みの肌ざわりを選んでみて。
9代目となる、お孫さんたちも店頭でお手伝い。棕櫚ほうきを作る様子をみせてくれました。慣れた手つきで仕上げます。
馬毛のメイクブラシは(0.5号495円〜10号2,530円)まで種類も豊富。肌に負担をかけないしなやかな毛と粉含みの良さで、プロのメイクアップアーティストの愛用者も多いそう。
内藤商店
ないとうしょうてん
住所
京都市中京区三条大橋西詰
電話番号
075-221-3018
営業時間
9:30〜19:00
定休日
不定休(1月1〜3日)
手放せなくなる抜群の切れ味と使用感
〈菊一文字〉の爪切り&毛抜き
700余年の伝統を誇る刃物の老舗〈菊一文字〉。寺町三条のアーケード内にあるお店には、包丁を中心に、裁縫用の裁ち鋏、園芸用の剪定鋏、彫刻刀など、多種多様な刃物が所狭しと並びます。感動の切れ味を求めて、各界のプロが通うお店としても有名です。身だしなみを整えるためのアイテムとしておすすめなのが、毛抜きと爪切り。どちらも原料の鋼を成形して研ぐ作業から両刃の噛み合わせの調節まで、職人の技が随所に光る逸品。自社製品にかぎり修理や研磨にも対応してもらえるのもポイントで、「一生ものの道具」としてぜひとも手に入れたくなります。
名品としても名高い毛抜き(2,970円)は、光に透かしても一寸の隙間も見えないほどの合わせの良さが自慢。刃先が細く、産毛のような細くやわらかい毛もしっかりと掴むことができます。
洋裁用の裁ち鋏や糸切り鋏も種類豊富に。
戦後から製造しているという爪切り(660円〜)。鋼製の刃によるパチンッと爽快な切れ味と、切った後のなめらかな仕上がりが人気の秘密です。
菊一文字
きくいちもんじ
住所
京都市中京区三条通寺町東入ル石橋町14
電話番号
075-221-0077
営業時間
11:00〜17:30(日曜12:00〜)
定休日
木休
撮影/わたなべよしこ
構成/梅原加奈
デザイン/WATARIGRAPHIC