鍼灸師・森田真理さんの『むくまない』ための生活習慣<後編>

特集/むくみの正体に迫る!

語り/森田真理(鍼灸師、女性ホルモン研究家)

鍼灸師・森田真理さんが教えるむくみケアの後半は、日常のちょっとした心がけを伝授します。 森田真理さん

Secret6
太もものむくみの原因はショーツかもしれません

「ふくらはぎのむくみは鍼灸治療を行えば、比較的スッと解消できるのですが、太ももは細くするのに時間がかかります。太ももが張っている、脂肪に覆われているなど、悩みをかかえているなら、ふだん身につけているショーツが原因かもしれません。ブラのサイズにはこだわるけれど、ショーツはおざなりで小さいサイズを身につけている人がとっても多いのです。私自身、レーストリミングされた太ももの付け根に食い込みにくいショーツを愛用するようになり、太もも周りがすっきりしたのを実感しています

Secret7
むくみに効くツボ押しを習慣に

「老廃物の排出をうながすツボ押しは、手軽にむくみ解消できておすすめです。膝の後ろの"委中"は血流やリンパの流れをよくする作用が。また、女性なら足首の内側のくるぶしから指4本ぶん上がったところにある"三陰交(さんいんこう)"も冷えやむくみに効きます。このツボは水分の排出をうながすだけでなく、婦人科系の不調全般にも効く"万能ツボ"。忙しいときには"三陰交"だけでもツボ押ししてみてください。三陰交のツボ 三陰交は足首の内側のくるぶしから指4本ぶんほど上にあるツボ。ほかにも脚にはむくみに効くツボがたくさんあります。ツボ押しを習慣にすれば、美脚も夢じゃありません。

Secret8
お風呂で血流を促進し、疲労を解消

「夜遅くまで仕事をしているときに、ふくらはぎがパンパンになってしまうのは、乳酸がたまっているから。疲労物質もむくみの原因になるのです。疲れをとるためには、リラックスして副交感神経を優位にさせるお風呂も効果的。私はあら塩を入れたお風呂につかり→冷水を浴びる、というのを3回ほど繰り返しています。毎日15分ほどの入浴で、血流をよくし、疲労が蓄積しないように心がけています

Secret9
質のいい睡眠でからだの巡りをよく

「むくませないためには、からだの巡りをよくすることも大切。自立神経を整え、からだを万全な状態にするためには、質のいい睡眠をとることが欠かせません。私は寝る3時間前にはスマホ、パソコン、テレビは見ないようにしています。それらが放つ光には、エスプレッソ2杯分の覚醒作用があるといわれてます。自律神経を整え、元気な状態でいるには、朝と夜のオン&オフの切り替えをすることが大切。夜は副交感神経が優位に立つべきなのに、夜まで電気が光る中で遊んだり仕事をしていると、自律神経が乱れ、それがむくみを含めた体調不良を招いてしまうのです」

Secret10
寝る前に、セルフ治療の時間を

「なるべく24時までには寝るようにしていて、夕飯も21時には食べ終わるようにしています。また、寝る前に必ずやっているのが、お灸です。くるぶしにある"三陰交"や、おなかと仙骨にお灸して、血流を促進させるのを基本のケアにしています。お灸は5分行うだけでもからだを芯から温めることができるので、忙しい女性にもおすすめです。ヨガマットの上でお灸したあとは、ストレッチをするのが習慣。疲れているときこそ、寝る前に自分で"ミニ治療"して、体調を整えています」 お灸は5分ほどでも効果てきめん。よもぎの効果で芯から温めることができます。 お灸は5分ほどでも効果てきめん。よもぎの効果で芯から温めることができます。

森田真理(もりたまり) 「Mari鍼灸Salon」代表。
19歳からエステティシャンとして活躍。30代で体調を崩したことをきっかけに、鍼灸治療に出合う。早稲田医療専門学校へ入学した後、アメリカで解剖学を取得。中医師につき、東洋医学を学び、36歳で鍼灸国家資格を取得。
たんなる鍼治療だけでなく、不妊や産前、産後ケア、生理トラブルや更年期など、女性の悩みに特化した治療にファン多数。
『足から体を癒す』(ブルーロータスパブリッシング)など多くの著書を手がける。
ぎんざ鍼灸Salonn

取材・文/川口夏希
撮影/長谷川梓