婦人科医・松村圭子さんのホルモンを味方につける10の秘訣<前編>

特集/神秘なるホルモン

語り/松村圭子さん(婦人科医、成城松村クリニック院長)

現代女性のライフスタイルをふまえた、からだのケアやアドバイスに定評のある、婦人科医・松村圭子さんが、ホルモンを味方につけて美人になる秘訣を伝授。女性ホルモンとうまく付き合うコツを前・後編でお届けします! 婦人科医・松村圭子さん

Secret1
ホルモンは天然の美容液です!

「30歳前後は女性ホルモンがピークになるので、何もしなくても元気できれいなはずなのに、不調を感じるなら、生活態度を見直さなくてはなりません。ホルモンは女性の一生を左右するくらい大切なもの。そのバランスが乱れると、髪がバサバサになったり、肌にはニキビができたりします。女性ホルモンのひとつである『エストロゲン』は肌のキメを整えたり、潤いを保つ働きがあり、まさにただで使える"天然の美容液"なのです

Secret2
ホルモンの乱れは自律神経の乱れが引き金に

「女性ホルモンは多すぎればいいものではなく、バランスがとれていることが大切です。それは『エストロゲン』と『プロゲステロン』の分泌の波がバランスよく定期的に訪れ、心身が安定していることをさすのですが、そのバランスを保つには、自律神経を整えることが大切です。昼夜逆転の生活をしていたり、ストレスを抱えて自律神経を乱すような生活をしていると、ホルモンバランスも乱れてしまうのです。不調を抱えているなら、ライフスタイルを見直し、じっくり時間をかけて改善していきましょう」

Secret3
自律神経を整えるには、あたりまえの生活が大切

30代は自律神経の乱れがホルモンの乱れの引き金になることが多いです。自律神経を整えるには、あたりまえの生活が大切で、そういう意味では日の出とともに起きて、日の入りで床につくという、昔のライフスタイルが理想なのかもしれません。深夜コンビニに入ったりするのはもちろんのこと、一般的にはリビングの灯り以上の明るさで睡眠に影響を与えるといわれているくらいですから、深夜までパソコンやゲームをするのが、からだにいいわけがありません」

Secret4
オン&オフの切り替えスイッチをつくりましょう

「私は仕事終わりにお酒を飲むことが多いのですが、それがオンからオフへの"切り替えの儀式"になっています。オフの時間には、ついオンのスイッチが入ってしまいそうな医療ドラマを見たりもしません(笑)。オフへの切り替えは、リラックスできることをするのがいちばん。ドラマや映画を見たり、漫画を読むのでもいいので、心からリラックスできる"自分なりの何か"で、仕事とプライベートをさっと切り替えましょう」

Secret5
"私がどうしたいか"という心の声に正直に!

「働く頑張り屋さんの女性は真面目だから、『オン&オフ切り替えのための何かをつくりましょう』というと、英会話やワークアウトにいそしむ人も少なくありません。本当に好きならばいいのですが、仕事帰りに行きたくないなと思うのであれば、心が欲していない証。おしゃれに見えるから、すごいと思われるから、という基準で趣味を見つけると、どうしても無理が生じがちです。そうではなく、自分が心から楽しいと思えることに身をゆだねてもいいのです

〈後編〉は2月公開予定。ホルモン美人になるための極意をひもときます。

松村圭子 婦人科医、成城松村クリニック院長。婦人科専門医として、月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポートする診療を行う。西洋医学のほか、漢方やサプリメント、点滴療法による幅広い治療方法で、女性のあらゆる不調をケア。小さな悩みごとでも相談しやすく、姉御肌の頼れる女医として人気。『女性ホルモンがつくる、キレイの秘密』や『女性ホルモンを整えるキレイごはん』など著書も多数。
http://seijo-keikoclub.com/

取材・文/川口夏希(ライター)
撮影/長谷川 梓