植物療法士・森田敦子さんの肌習慣<後編>
特集/正しく知りたい肌のこと
語り/森田敦子(植物療法士)

フランス文化とともに習得した、美や健康にまつわる深い知識をもつ、植物療法士の森田敦子さん。後編では、心も健やかに整い、幸せ感に満たされる、さらなる極意を学びましょう!
Secret6
毎日の食事こそ、自然の力が宿るものを!
「
女性は美を追求するあまり、栄養失調になりがち。肌の不調のみならず、不妊やプレ更年期の原因にもなりかねないので、毎日の食生活を整えていきましょう。私が毎朝必ずとるのが、母の自家製の八丁味噌でつくる味噌汁。また、活力・精力が落ちないように、高麗人参のお茶をとったり、1か月に1回は参鶏湯(サムゲタン)を食べるようにしています。最近のお気に入りは、自家製のドレッシング。玉ねぎ、りんご、にんじんをフードプロセッサーにかけて、えごま油とバルサミコ酢で和えるだけ。オメガ3脂肪酸を含むえごま油は老化防止にも期待ができるもの。夕方に摂取すると、質のよい眠りをつくる
メラトニンが分泌され、相乗効果ですこやかな肌へと導きます」
Secret7
マッサージはセンシュアルラインを中心に
「肌と脳は、"皮脳同根(ひのうどうこん)"といって、同じルーツからなるもの。生命が母体に宿ると、外胚葉という同じ細胞で肌と脳がつくられ、その後、細胞分裂を起こしながら、赤ちゃんは成長していくのです。だからこそ、ここちよい刺激を与え、肌を愛でることが重要。私は忙しくても、デコルテと胸元はマッサージするようにしています。
センシュアルラインという、耳から首筋、脇の下、脇腹など、触れてくすぐったいと感じる、敏感なゾーンをマッサージすると、脳が活性化され、からだを巡る粘液にも作用が。艶やかで湿度を含んだ肌へとつながっていきます」
Secret8
ナイトウェアはここちよいものを選んで
「パジャマやガウンなど、ひと晩中肌に触れるものこそ、素材感のよいものを取り入れるようにしています。
睡眠時には、必ず寝返りを打つもの。洗濯を繰り返して、ここちよくなじんできたものなど、お気に入りの1着を身につけましょう。最近では、ピンクのナイトウェアが私の定番に。女性として気持ちが満たされるもの、よい眠りをもたらしてくれるものを選びたいものです」
Secret9
浴室のオイルマッサージで乾燥対策
「副交感神経にスイッチを入れてリラックスするためにも、お風呂の時間を大切にしています。粗塩にゆずの精油を4〜5滴落としたものを湯船に入れて、ゆず風呂に。ゆずは血行を促進する効果や副交感神経を優位にする作用があり、女性におすすめです。手間いらずで続けやすいのが、オイルケアを浴室で済ませてしまう方法。オイルを使って、ふくらはぎを下から上に向かって、リンパを流すようにマッサージ。
入浴後の肌は、通常より乾燥しやすくなるもの。お風呂場から出る前にオイルケアすることにより、肌の潤いをキープすることができます」
Secret10
デリケートゾーンの肌ケアをはじめましょう
「お風呂上がりは膣周りのデリケートゾーンのケアをする時間にしています。日本は、デリケートゾーンに対する意識がかなり遅れているといっても過言ではありません。フランスでは"見えないところこそ美しく"という精神が宿っており、専用のソープやローションを使うのが常識に。
顔に化粧水やクリームをつけずにいたら乾燥するのと同じように、膣周りも乾燥します。日本でも、ハイジニーナ脱毛といって、膣周りの毛の処理がだいぶ浸透していますが、それでもフランスに比べるとまだまだ遅れています。毛で覆われていると、どれだけ乾燥しているか気がつかないもの。顔や手足など外から見える部位ばかりではなく、デリケートゾーンの肌や膣内の粘膜まで潤いを保てるよう、ケアを始めましょう」
デリケートゾーンのお手入れアイテム「アンティーム オーガニック By ルボア」や「インティメール」をプロデュース。膣周りを洗うときは、フェミニンウォッシュ(右)がおすすめ。バーシングオイル(左)は膣内のケアに使うことも可能。リリーフオイル(中)は妊娠中、出産後の痛みをやわらげる効果も。
取材・文/川口夏希
撮影/長谷川梓