立夏(りっか)/足のツボでホルモンバランスを整える

文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
立夏(りっか)

今回からは、二十四節気ごとにケアしたいからだのツボをご紹介。すき間時間を使ってここちいい程度に押しながら、季節の不調を乗り切りましょう。

立夏(5月5日〜)の時期は、植物はもちろん人のからだの内部も活発に動き出すとき。からだが成長したり動くためには、各種のホルモンが必要です。ふだんホルモンは一定量分泌され続けていますが、より分泌されやすい状態をつくるよう、ツボ押しを取り入れてみましょう。

立夏にケアしたいツボ

太衝(たいしょう)
位置:足の甲側で親指と隣の指(第二指)の間をなで上げていき、指の止まるところ。骨と骨とが交わる手前。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほどお風呂あがりなどに行いましょう。また、冷えているときはお灸であたたかさを感じるまで刺激をしてみましょう。
効果:ホルモンのバランスを整えてくれるだけでなく、腰や足の痛みやしびれ、さらにはイライラを抑えてくれます。ストレスが多く、ホルモンバランスが乱れている方におすすめです。

太衝(たいしょう)

照海(しょうかい)
位置:内踝(うちくるぶし)の骨の下から、親指の幅1本分下がった骨のへこんだところ。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど朝晩に行いましょう。また、突起物のついたシールや米粒などを貼っておくとさらに効果的です。
効果:ホルモンバランスを整え、泌尿器系や婦人科系などの不調軽減などが期待できます。

照海(しょうかい)

三陰交(さんいんこう)
位置:内踝(うちくるぶし)の骨の上から指4本分の幅を上がったところで、脛(すね)の骨の後ろ際(きわ)にあります。
方法:気持ちいい程度に約5秒、円を描くようにマッサージしてみましょう。また、足が冷えている場合は、あたたかさを感じるまでお灸をしたり、カイロなどを足首に貼ることもおすすめです。
効果:ホルモンバランスを整えつつ、婦人科系全般の症状に効果的です。生理痛や更年期の症状などに悩む方におすすめです。

三陰交(さんいんこう)
  • 伊藤和憲
  • 伊藤和憲(いとうかずのり) 鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
    1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。 https://www.yojyo1192.com/