美胸を目指す、正しいバストケア

特集/美胸の保ち方

先生/奥田逸子(国際医療福祉大学 三田病院)

---- 年齢によって変化していくバストには、それぞれの状態にあったケアが必要です。今回は、WACOAL BODY BOOKに寄せられた「バストを美しく保つ方法を知りたい!」というみなさまの声に、お答えしていきます。国際医療福祉大学 三田病院 放射線診断センターの奥田逸子先生、よろしくお願いします!

美胸を目指す、正しいバストケア

知っておきたい!
美バストを目指す7つのQ&A

Q 世代別のバストケアを教えてください。
A成長期、妊娠・出産・授乳期、そしてエイジングが気になる時期と、それぞれバストの状態は変わりますが、共通して大切なのは、適正なブラジャーをつけること。成長期からジュニア向けのブラジャーをきちんとつけることは、自分のからだの変化と向き合うことにもつながります。何か変化を感じたらショップでサイズを測ってもらうなどするのもよいでしょう。バストが最も大きく変化する妊娠・出産・授乳期には、乳腺が炎症を起こさないようにマッサージをしたり、雑菌が入らないよう乳頭を清潔にするなど、特別なケアが必要です。

Q クーパー靭帯が伸びてしまった後でもバストを美しく保つには?
A 伸びてしまったクーパー靭帯を元に戻すことはできませんが、表面の皮膚のハリによって、若々しい見た目を保つことはできます。顔の肌にハリがある人は、頬のたるみも少ないですよね? 私は、お風呂上がりのフェイスケアの際に、手の平に余った化粧水を首からバストまでのばしています。朝は、日焼け止めをデコルテにも塗ります。紫外線による乾燥は皮膚の劣化につながりますので、乳房そのものだけをケアするのではなく、首やデコルテといったバストにつながる部分にも、ついででよいのでスキンケアを。

Q やってはいけないバストケアはありますか?
A ブラジャーをつけるときに、脇肉を寄せてバストをボリュームアップしようとするのは、クーパー靭帯に負荷をかけてしまうので、おすすめしません。脇肉は、どんなに寄せても脇肉です。移動はしません。それよりも、下からしっかり支えるほうが、胸元は若々しく見えます。

Q ダイエット中です。バストのサイズは保ちながら痩せるコツはありますか?
A バストだけを大きくしたり、バスト以外を痩せさせたり、ということは、人体の構造上難しいと思います。ダイエット中でも栄養バランスに気をつけて、不規則な生活をせず、からだの中をきちんと整えていくことが大切。乳腺の萎縮は加齢だけでなくホルモンバランスの変化によっても起こります。肌のハリが失われたり、筋力が衰えたりと、からだの土台が崩れても、乳房は垂れやすくなります。

Q バストが外を向いています。形を変えることはできませんか?
A バストの向きは、解剖学構造上、変えることはできません。さらに、加齢によってだんだん重力に逆らえなくなり、バスト全体、同時に乳頭も、パンダの目のように外に向かって下がってきます。それをできるだけ食い止めるためには、肌のケア、からだのケア、そして適正なブラジャーをつけることがポイントです。

Q バストをサイズアップするトレーニングを教えてください。
A 乳房そのものを鍛えることはできませんが、乳房を支える大胸筋を鍛えることは、後ろからバストが前に押し出されるようなイメージで、バストを大きく見せることにつながります。大胸筋の筋トレとしては、胸の前で合掌して手の平を押し合うトレーニングがよく知られています。

Q 日中や就寝時など、バストによい姿勢はありますか?
A 背筋を真っすぐにして、姿勢をよくすることは、バストを美しく見せます。現代人はスマホやPCで猫背になりがちですから、特に意識するとよいのではないでしょうか。就寝時にも、バストは重力の影響を受けていますが、寝相を変えることはできませんので、気になる方にはナイトブラをおすすめします。

----「乳房をいたわって、日々、ちょっとしたケアを続けていくことで、5年後、10年後が大きく変わってきます」と奥田先生。いつまでも美しいバストを目指して、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

取材・文/剣持亜弥
  • 奥田逸子
  • 奥田逸子 医学博士。国際医療福祉大学 医学部 放射線医学 准教授。放射線診断専門医として、マンモグラフィやMRIにおける乳腺画像、CTやMRIによる頭頸部および胸部画像などを中心とする画像診断を行う。画像を使ってエイジングを研究する「加齢画像研究所 ONI」所長。