ボディの保湿と入浴剤

特集/正しく知りたい肌のこと

先生/山岸理恵子(ライオン ヘルスケアマイスター)

----前回、からだの洗い方をレクチャーしてもらいましたが、乾燥から肌を守るにはお湯の温度も大切だと山岸さんは言います。プラスαの保湿アイテム、入浴剤の選び方についても伺いました。 ボディの保湿と入浴剤

38〜40℃のお湯に入浴剤を
入れてうるおいをキープ

冬場は42℃に設定している人が多いのですが、42℃と40℃のお風呂に入ったときの皮膚の水分量を比べてみると......(上のイラスト参照)。

入浴直後は42℃のほうが汗をかくため水分量が多いのですが、20分後には42℃のほうが水分量が低いという結果が出ました。つまり、熱いお湯は角層を傷めるため、入浴後の乾燥が促進されるのです。温度の感覚は人によって違いますが、38〜40℃の間で「気持ちいい」と思う温度に設定してみてください。 入浴後の肌の水分量を比較 入浴後の肌の水分量を比較 入浴剤を入れるのも効果的です。バスタブにつかっているときの肌は、うるおい成分である水溶性のNMF(天然保湿因子)が流出しています。からだを手でやさしく洗っていればバリア機能が低下することもないので、そこまで流出することはないのですが、気になる人は角質に保湿成分を浸透させる保湿タイプの入浴剤を入れてみてください。お湯につかる時間は、肌のことを考えると10〜20分がベスト。心臓から出た血液が全身をめぐって再び心臓に戻ってくるのが約1分と言われているので、10分つかれば、温まった血液が10回からだをめぐったことになり、リラックスすることで自律神経をコントロールする効果も期待できます。入浴剤を入れる場合、バスタブから出た後にシャワーを浴びてしまうと保湿成分も洗い流されてしまうので、上がり湯はNGです。

入浴後のケアは乾燥の度合いで 使用アイテムをセレクト

からだを拭くときも油断は禁物です。ゴワゴワのタオルでゴシゴシ拭くと角質をとってしまうので、柔らかめのタオルで水分をおさえるように拭きましょう。入浴で失われる水分は300〜500mlと言われていますから、入浴前後、それぞれコップ1杯の水を飲むことも忘れずに。

洗い方とお風呂の入り方を変えただけで、肌がうるおうようになる人もいますが、肌が乾いている日中に、片方の腕にだけボディミルクを塗ってみて、塗っていないほうの腕が白っぽく見えたら、それは乾燥のサインです。両方同じ色なら、ケアを見直す必要はありません。カサつきやつっぱり感にはボディローション、白く粉を吹く乾燥にはボディミルク、ガチガチに硬くひび割れているならクリームもプラスしてください。かかとは皮脂腺がないうえ、歩くときに圧力がかかります。ひじやひざも、机や床につくことが多く外からの刺激を受けやすく、角質が厚くなりやすいのです。いきなり保湿をする前に、肌にやさしい処方のスクラブなどで古い角質をオフしてから保湿をすると、より早く改善効果がみられますよ。 山岸理恵子先生 ----ライオンから発売されたボディソープhadakaraは、吸着保湿テクノロジーにより保湿成分が肌に吸着しやすい形に変化し、すすいでも洗い流されない(ライオン社従来品比)のが特徴。洗うたびにうるおうと、早くも評判のようです。入浴剤はつい香りを重視してしまうので、ボディソープ同様、保湿系を選ぶようにして乾燥知らずの肌を手に入れたいものですね!

データ提供/ライオン
山岸理恵子

山岸理恵子 ライオン 快適生活研究所 副主席研究員 ヘルスケアマイスター。毛髪診断士、睡眠改善インストラクターの資格も有する。身体洗浄剤、スキンケア剤の研究・開発に約20年携わってきた知識と経験を活かし、健康や美容に役立つ情報を発信している。

取材・文/山崎潤子(ライター)
イラスト/はまだなぎさ