からだを温めるスパイス「ヒハツ」

文/堀 知佐子(レストラン『Le Rire』オーナー兼シェフ)
イラスト/いしわたりきわこ
からだを温めるスパイス「ヒハツ」

「ヒハツ」は胡椒の一種で、沖縄では島胡椒の「ピパーチ」として知られ、からだを温めるスパイスのひとつです。体温が下がると免疫システムも鈍ることがわかっている今、からだを温めることは免疫にも大きくかかわり、季節を問わず大事な習慣になっています。

「ヒハツ」には毛細血管を強くする「ピペリン」という辛味成分が含まれていて、それが血管を広げ、血液の流れを促進します。ほかにも、「Tie2(タイツー)」という酵素を活性化させる効果をもつ成分によって、毛細血管に作用して、傷などの損傷を修復する効能もあります。そこから、血管の老化予防、肌の色を健康的に見せる効果も、大いに期待できます。

粒のものより、パウダー状のものが使いやすく、スーパーなどでも手に入りやすいでしょう。使い方は胡椒とほぼ同じで、肉や魚の下味や野菜炒め、ドレッシング、さらにみそ汁などにも合います。また、シナモンにも似ているので、ミルクティーに入れて香りを楽しむこともできます。まだなじみの薄い「ヒハツ」ですが、このように美容と健康にうれしい効果が多いので、ぜひ普段使いしてみてください。

  • 堀知佐子
  • 堀知佐子(ほり・ちさこ) 管理栄養士・食生活アドバイザー・アンチエイジング料理スペシャリスト。レストラン「Le Rire(ル・リール)」シェフ。京都の調理師学校で教鞭をとった後、京料亭「菊乃井」の物販事業部責任者を経て、2010年株式会社「菊の井」常務就任。2008年アンチエイジングをコンセプトとしたレストランを開業。料理教室の開催、地方自治体アドバイザー、講演など、食と健康をテーマに幅広く活動。著書に『みそと野菜でアンチエイジング』『100歳まで錆びない栄養レシピ』など多数。