ウイングから新登場のガードル「カーヴィーヒップ」は、しめつけ感を減らした軽いはきごこちながら、しっかりとヒップアップ! その理由となる、フリーカッティングの素材や細やかな機能性について開発担当者にインタビューしました。

縦によく伸びる素材だからラクな着用感でボディメイク
――まず「カーヴィーヒップ」開発のきっかけを教えてください。
山村 ガードルに対して「きつくて苦しい」というイメージをもっている方がとても多いので、そんな固定概念を払拭できればと思い開発しました。これまでのガードルとの大きな違いは、縦によく伸びる生地を採用したことです。従来のガードルとくらべると…。

――想像以上に伸びますね!
塩田 そうなんです。本体生地はツーウェイで、従来品に比べて縦にも横にもよく伸びます。縦にこれだけ伸ばせるのは、縦編み素材の技術の進化あってこそ。生地メーカーさんと長年ガードルをつくっているワコールが蓄積した技術を、最大限に生かしました。

山村 商品になる前の生地がこちらです。ヒップアップの機能を出すために縫製をしたり、生地を二重にしているガードルもありますが、カーヴィーヒップはそれを1枚の生地で叶えました。フロントに使っている生地は縦方向にだけ伸びるワンウェイで、薄くて軽い新素材。ぴったりとおなかをおさえてくれます。
塩田 おなか側はフロント生地がしっかりと皮ふの動きをおさえつつ、おなか側以外のウエストまわりはフリーカッティングなので、圧迫感を軽減しています。ここをフリーカッティングにできる技術も強みかなと。この1パターンの生地をベースに、展開している商品サイズごとにカットしていきます。

山村 従来のガードルはウエストにゴムがあることでずれ下がらないのですが、この生地はそもそもよく伸びてずれ下がりにくいので、ゴムはサイドの一部分だけにつけています。新開発の生地で、部分的にゴムを付ける仕様も初めてだったので、最後の最後までねばって調整した部分です。

塩田 あまりゴムのパワーが強すぎると生地に負荷がかかりますし、縫製で全部とめてしまうと安定するけれど圧迫感を与えてしまうという問題がありました。ほどよいパワー感を探るのが大変でしたね。
安定感やヒップアップ効果にモニターの方からも感激の声
――機能性について教えてください。
山村 まず、生地がよく伸びるので動きに追随してくれるのがポイントです。ヒップ下の皮膚はよく伸びるのですが、それに合わせて生地が伸びるので、快適な着用感があります。たとえば、しゃがんで立ち上がってもヒップアップがキープされるのも長所です。

塩田 色が濃い部分ほどパワーが強くなっていて、このグラデーション部分でパワー切り替えをすることで、おしりをしっかり支えてヒップアップしてくれます。全体のバランスが悪くなるとシワがよってしまったり、パワーの効果を発揮できないので、生地内での調整が必要でした。
――モニターの方の反応はいかがでしたか?
塩田 うれしいコメントが集まりました。「ヒップアップを感じて安定感がある」「運動後もヒップアップしている感じが維持される」「ウエストゴムがくいこまない。それなのにずれるという不安感もない」などです。
――カラー展開について教えてください。
山村 カラーはブルー(KO)、ブラック(BL)、グレー(GY)、ベージュ(DR)の4色です。サイズ展開はブラック・ベージュが58・64・70・76・82、ブルーは64・70・76・82、グレーは64・70・76です。
塩田 今回、ブルー、ブラック、グレーはウイングのバストケアブラと連動しているので、ぜひ上下セットでそろえていただければ。

山村 私は毎日ガードルを愛用しているので、開発側でありながら発売を楽しみにしていまして(笑)。とてもはきやすいので、過去にガードルをはいていたけどあきらめてしまった方や、ガードルを「きつそう」と思ってはいてこなかった方にこそおすすめしたいですね。おうち時間が長い今、ご自宅で着用するのにもぴったりです。
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塩田青衣(しおた・はるい)
卸売事業本部 ウイングブランドIW商品統括部 商品企画部 商品企画一課
ワコール入社後、ウイングショーツ・仏ワコール・メンズインナーのパタンナー、デザイナーを経て、2020年よりウイングボトムのチーフデザイナーを担当。
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山村奈央(やまむら・なお)
卸売事業本部 ウイングブランドIW商品営業部 商品営業一課
ワコール入社後、2019年よりウイングのボトム企画・計画MDを担当。
撮影/合田慎二