2025.05.21

【特集】おとなの紫外線対策#05

食事で紫外線対策!「抗酸化の薬膳レシピ」公開します

料理研究家・橋本加名子さん

紫外線が強くなり始めた今の時期だからこそ、外側からの対策と並行して内側からも備えておきたいもの。「紫外線により活性酸素が発生し、それがからだのサビの原因となるのです」と語るのは、料理研究家の橋本加名子さん。そこで、抗酸化作用のあるニラを使ったレシピを教えてもらいました。

肌のくすみ、シミの原因となる
「瘀血(おけつ)」を改善することが大切

気温が高くなり、外出すると肌がピリピリ、日差しの強さを感じ始めました。

気になるのは紫外線によるシミ、そばかすとからだの老化です。

私たちに関係する紫外線は2種類あります。UV-Aは、皮膚の奥の真皮層にまで届き、しみ、しわ、たるみの原因となります。雨の日も、曇りの日も降り注ぎ、家の中にいても窓から入る「生活紫外線」と呼ばれるものです。

UV-Bは、波長が短く、皮膚の表面にダメージを与えます。表皮に炎症を与える日焼けで、しみや色素沈着、乾燥の原因となり、「レジャー紫外線」と呼ばれるものです。

この2種の紫外線により活性酸素が発生し、からだのサビの原因となります。活性酸素による酸化を抑える抗酸化作用のある食材をとり、サビと老化を防ぎたいものです。

中医学の考えでは、肌のくすみ、シミの原因は「瘀血(おけつ)」と言われています。瘀血とは、汚れたり、粘度が高まって流れにくくなったドロドロの「血」の状態のことを言います。瘀血になると肌の新陳代謝が低下し、シミやくすみが溜まっていきます。傷跡がいつまでも治らない、あざがいつまでも残る、といった状態も瘀血が原因です。薬膳的な対策は、活血化瘀(かっけつかお)食材を取ること。活血化瘀とは、血流をよくして、流れの悪くなった状態を改善することです。

この活血化瘀食材と抗酸化作用のある食材には、共通するものが多くあります。

抗酸化と血流をよくする作用のあるニラを
ソースにしてたっぷりと!

今回はそのなかでもおすすめの食材「ニラ」を紹介します。

ニラは地味な食材で、主人公になることが少ないですが、栄養的にもとても優秀な食材です。抗酸化作用のあるβカロテン、むくみや高血圧にも有効なカリウムやビタミンC、E、K、葉酸、血液をサラサラにするアリシンが豊富です。

薬膳的には、足腰をあたため、瘀血を改善し、滋養強壮作用もあるため、気力もアップ(補気)し、元気が出ます

組み合わせる食材はサバ。たんぱく質が豊富で、血液をサラサラにする効果もあります。薬膳的にも血流をよくし、気力をアップさせる食材です。

さばのソテー ニラソースがけ

さばのソテー ニラソースがけ

材料<2人分>

  • さば(半身)…1枚
  • 塩…少々
  • オリーブオイル…適量
    【ニラソース】
  • ニラ…1/2把
  • しょうゆ…大さじ2
  • 酢…大さじ1
  • 砂糖…小さじ1
  • 白いりごま…適量

つくり方

  1. さばは半分に切り、塩をふり10分おき、余分な水分をキッチンペーパーでふく。
  2. 1をオリーブオイルをあたためたフライパンで両面焼く。
  3. ニラソースをつくる。ニラを幅5mmに切り、その他の材料と混ぜ合わせる。
  4. 2のさばを器に盛り付け、3のソースをかけて、ごまをふる。

ニラソースは冷蔵庫で1週間保存可能です。 多めにつくり、豆腐にかけたり、豚しゃぶサラダのたれなどにも使えますので、ご活用くださいね。

家の中でも日焼け止めを塗る。外出時には日傘を持つ、帽子をかぶるなどの表面的な対策と水分補給も忘れずに!

  • 橋本加名子(はしもと かなこ) 料理研究家、栄養士、フードコーディネーター、国際薬膳調理師、防災士。タイ料理、ヴィーガンタイ料理、和食、発酵の料理教室「おいしいスプーン」を主宰。『老けない体をつくる! たんぱく質の10分おかず』(ART NEXT)ほか著書多数。新刊『魔法の万能調味料 玉ねぎ麹レシピ』(河出書房新社)が好評発売中。食べてからだを調える「養生・ベジ発酵薬膳クラス」、「ヴィーガンタイ料理・ベジタイ指導者クラス」各9月からスタート。 公式サイト:「おいしいスプーン Instagram:「kanakohashimoto1
文・写真/橋本加名子
構成/本庄真穂
デザイン/日比野まり子
イメージ写真/stock.adobe.com