2025.05.07

【特集】おとなの紫外線対策#03

慶田先生が答えます。おとなの紫外線対策Q&A<前編>

「銀座ケイスキンクリニック院長」慶田朋子先生

年齢を重ねて、紫外線対策が自己流になってしまっていませんか? さまざまな対策が打ち出されているなかで、それらをしっかり取り入れているでしょうか。そこで読者アンケートから、紫外線にまつわる疑問を幅広く抽出。サプリメントから手の甲にできたシミ、雨の日の紫外線対策事情まで、#02で用語解説の監修をお願いした慶田先生に答えていただきました。まずは前編をお届けします。

Q

1. サプリの日焼け止め、どれほど効果がある? 選び方も知りたいです。

A

あくまでも「サプリはサポート役」と心得て

日焼け止めのサプリメントは、SPFの数値でいうと、およそ2〜3程度と言われています。サプリを飲んだからといって、日焼け止めを塗らなくていいというわけではなく、サプリはあくまでもサポート役と捉えてください。

また、市販のものは効果が弱いと言われているので、主成分の違うもの、たとえばビタミンCメインとビタミンAメイン、それぞれのサプリをダブルで摂取してみてもよいかもしれません。なるべくならば、医療機関で処方されたサプリを摂取することをおすすめします。

Q

2. 骨の健康やメンタルヘルスを考えると、日に当たることも必要だと聞きます。とはいえ、やっぱり日に焼けたくない…。最低限必要な日に当たる時間を知りたいです。

A

腕や脚など日焼けしてもいい部位を探してみましょう

健康のために日光浴を生活に取り入れる場合、、晴れた日ならば夏はおよそ15〜20分、冬は1時間程度と言われています。日焼けを避けたい場合は、たとえば顔まわりを避けて、手のひらや腕、脚など日焼けしてもいいと思う部位を見つけて、日光浴を意識してみてはいかがでしょうか。

ただ、冬場はどうしても日照時間が短くなり、日光浴で生成されるビタミンDが不足しがちです。その場合は、サプリメントで補うのがいいでしょう。

Q

3. さまざまなSPFの商品がありますが、使い分けを知りたいです。また、顔とからだ、同じ日焼け止めを使用していいのでしょうか。

A

顔用とからだ用は、それぞれ賢く使い分けを

理論上は顔用とからだ用、同じものを使っても問題はありません。ただ顔用は、顔色をトーンアップするためにベージュやピンクなどの色がついているものが多く、ならば顔に使ったほうが効果的ですよね。それらをからだに塗った場合、洋服についたときに色が落ちなくなる可能性もあるので、からだには透明なタイプを選ぶなど使い分けるのが賢い方法だと思います。

また昨年度の日焼け止めは中身が劣化しているので、思い切って処分しましょう。顔用、からだ用、あとはプールや海などで活躍するウォータープルーフのもの。この3種類をそろえて、そのシーズンで使い切るように心がけてください。

Q

4. 顔よりも手の甲にシミが目立ちます。できたシミへの対策、これ以上増やさない対策、教えてください。

A

できてしまったシミには、レーザー治療が有効です

顔まわりは日焼け止めを熱心に塗るものの、手の甲はうっかり怠ってしまったがゆえ、年齢を重ねて目立ってきてしまったのですね。日焼け止めや美白剤は、シミの予防には効果を発揮しますが、すでに出てきてしまったシミにアプローチするのは難しいのです。特に手の甲のシミは、「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」という良性の皮膚腫瘍であることが多く、気になる場合は専門医にレーザー治療などを相談してみてください。

Q

5. 雨の日や部屋の中でも、日焼け止めを塗ったほうがいいとよく聞きます。でも、そんなに毎日使っていたら、肌の負担にならないか心配です。

A

雨の日でも、室内でも、必ず日焼け止めを

天候にかかわらず紫外線は降り注いでいて、さらに室内まで届いています。なので、天候や環境にかかわらず、日焼け止めを塗るようにしてください。日焼け止めを使うことで肌が荒れるなどの症状が出ていないならば、肌の負担にはなっていないと考えられます。日焼け止めを塗るメリットのほうが大きいと考えていいでしょう。

また、日焼け止めは500円玉大程度の量をたっぷり塗ることでしっかり効果を発揮します。適正量を隙間なく塗る、汗をかいたら塗り直す、塗り重ねる。日焼け止めの正しい使い方を意識してみてください。

次回は、「【特集】おとなの紫外線対策#04|慶田先生が答えます。おとなの紫外線対策Q&A<後編>」をお届けします。

  • 慶田朋子(けいだ・ともこ) 美容皮膚科医、「銀座ケイスキンクリニック」院長。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、クリニックを開設。日本皮膚科学会認定皮膚科医専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。医学博士。 公式サイト:「銀座ケイスキンクリニック
構成・文/本庄真穂
デザイン/日比野まり子
イメージ写真/stock.adobe.com

【特集】おとなの紫外線対策(全5回)