2024.04.17

【特集】また、歩き出そう! #04

大谷義夫先生が登場! ウォーキングの疑問・質問すべて答えます<後編>

「池袋大谷クリニック」院長 大谷義夫先生

「ウォーキングはからだに働きかけるのはもちろんのこと、心にも効き、脳にもよい影響を及ぼすといわれています」。そう語るのは、コロナ禍をきっかけにウォーキングに目覚めたと語る医師・大谷義夫さん。おとなボディブック読者のみなさんから寄せられたウォーキングの疑問・質問にお答えいただく<後編>をお届けします。

ウォーキングの疑問・質問すべて答えます<前編>はこちら

【質問7】
歩く姿勢で気をつけるべきこと、歩幅などあれば教えてください。

歩くときは猫背にならないよう、背筋を伸ばして歩いてください。胸を張ることで“やる気ホルモン”といわれている「テストステロン」(男性ホルモンの一種で、女性にも少量ある)が増加し、“ストレスホルモン”といわれている「コルチゾール」が減少するということがわかっています。また、歩幅はやや広めの65センチを意識しましょう。ちなみに横断歩道の白線は45センチ。「白線の幅+半分」を目安にしてみてください。歩幅が伸びれば適度な負荷がかかり、認知症予防にもなります。

【質問8】
走る前と後にやったほうがいいことはありますか?(準備体操、プロテインドリンクなど)

もちろんストレッチなどをしてもよいですが、それよりも大切なのは水分補給だと考えています。食事にはたくさんの水分が含まれているので、食後に歩くと脱水症状を防ぐことができます。注意すべきは夏。歩く前、歩きながら、また歩いたあと、水分補給を忘れないようにしましょう。

【質問9】
ダイエット目的とリラックス目的とでは、歩く早さや距離を変えたほうがいいですか?

あまり深く考えなくて大丈夫です。まずは歩き始めることでリラックス効果が期待できるし、続けることでダイエットに効果が出てくることもあるかもしれません。速さや距離の調整よりも、まずは継続することを意識しましょう。

【質問10】
夜寝つきが悪いです。ウォーキングするのにいい時間帯はありますか?

寝つきが悪いのならば、朝日の当たる時間に歩くことをおすすめします。日中に太陽の光を浴びると、からだの中に“幸せホルモン”と呼ばれる「セロトニン」がつくられます。このセロトニンが15時間後、睡眠ホルモン「メラトニン」に加工されることでぐっすり眠ることができるのです。

【質問11】
犬の散歩をしながら、友達とおしゃべりしながら…。こんなのでもウォーキングと同じ効果はありますか?

もちろん効果はあります。歩行スピードが多少落ちたとしても、頻度が増え、習慣化することのほうが大切ですから、ぜひペットと一緒に、またパートナーや友達と一緒に歩いてください。余談ですが、メス犬は飼い主をよく見つめるため、お互いに“愛情ホルモン”と呼ばれる「オキシトシン」が分泌されるという結果も発表されています。愛犬、それもできればメス犬とウォーキングすることで、幸福感があふれ出すという副産物も期待できそうです。

【質問12】
日焼けをしたくないので、室内のウォーキングマシンを使ってます。気をつけることはありますか?

私も夕食後の深夜や雨の日には、室内でウォーキングマシンを使っています。夜遅い時間しか歩くタイミングがなかったり、日焼けが気になったりする人などには、おすすめです。私は継続するために、配信ドラマを観たりしていますよ。

大谷義夫先生が登場! ウォーキングの疑問・質問すべて答えます<前編>

  • 大谷義夫(おおたに よしお)
  • 大谷義夫(おおたに よしお) 呼吸器内科医・医学博士。九段坂病院内科医長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、米国ミシガン大学留学などを経て、2009年「池袋大谷クリニック」を開院。呼吸器内科のスペシャリストとしてテレビなどでも情報発信を行う。『1日1万歩を続けなさい』(ダイヤモンド社)ほか著書多数。 池袋大谷クリニック
構成・文/本庄真穂
デザイン/日比野まり子
イメージ写真・イラスト/stock.adobe.com

【特集】また、歩き出そう!(全6回)