【特集】おとな流 夏の紫外線対策#02

医師・友利新さん/「今」を楽しみ、ここちよく。光老化と上手につきあう方法

――おとな世代が、「紫外線対策」と「美しく年齢を重ねること」を両立するには? 友利先生の実践法には、紫外線を「避ける」ばかりでなく、「暮らしを楽しむ」ノウハウがあふれていました。

肌が老化する原因は、
加齢より怖い「光老化」

よく晴れた日は気持ちがよくて、沖縄・宮古島出身の私は心が弾みます。ただし一年中、日焼け止めは必須。紫外線を浴びないことで、肌を若々しく保てるからです。

みなさんは肌を老化させる原因のおよそ8割が、光老化だとご存じですか? これは年齢を重ねることよりも、日光を無防備に浴び続けることのほうが、肌のトラブルを引き起こすということ。紫外線に当たったぶんだけ、ダメージが定期預金のように増えていき、満期になったとき、シミやシワ、たるみとなって現れてしまうのです。

肌の老化の原因は、8割が「光」によるもの

若いころから浴び続けたダメージは、残念ながら減ることはありません。でも光老化は、加齢と違って予防が可能。今からでも日焼けを防ぐことで、若々しい肌を維持することができるはずです。

一方で紫外線は、骨の形成に関係するビタミンDの生成に大切な太陽光。更年期にさしかかったころから、骨がもろくなり、骨粗しょう症などが問題視されるおとな世代にとって、ビタミンDは重要な栄養素といえます。

適度に日光を浴びることを意識するなら、手足を“ちょっと”だけでも大丈夫。手の甲ほどの面積におよそ5分、日光を浴びれば、一日に必要なビタミンDが皮膚で生成されるといわれています。またビタミンDはきくらげなどに多く含まれますが、食品で毎日摂取するのは難しいので、サプリメントで補ってもいいでしょう。

朝の洗顔後、仕上げに
日焼け止めの習慣を

朝、顔を洗って基礎化粧品で整えたあと、外出するまで日焼け止めを塗らずに過ごす人は、多いかもしれません。でも家の中でも、曇っていても、日中は日焼け止めを塗ってほしいと思います。遮光カーテンなどを使用していない場合、部屋のガラス越しにも光老化をもたらす紫外線のUVAは入ってきます。

シミの元となるメラノサイトを攻撃したり、炎症を引き起こすUVB(B波)に比べて、波長が長いUVA(A波)は肌の奥まで到達。コラーゲンなどを攻撃して、肌を徐々に痛めていく。
UVAの85%がガラスを透過

出かける前ではなく、スキンケアの仕上げとして、日焼け止めを塗る。歯を磨くように、毎朝の習慣に組み入れてください。

また、今年も優秀な日焼け止めが、たくさん登場していますが、選び方のひとつとして、おとな世代ならファンデーションとの相性でチョイスしてみてはどうでしょう。日焼け止めとファンデーションを重ねたとき、伸びが悪かったり、粉と混ざってポロポロと固まってしまっては、紫外線対策効果も下がりますし、せっかくメイクをしても気分が上がりません。サンプルなどで試してから、購入するのがおすすめです。

また日焼け止めの価格帯はさまざま。高級なものには美容成分が含まれているなど魅力的なのですが、もったいなくて少量ずつ使っていると効果的な紫外線カットができません。正しい使用量でワンシーズンに1、2本を使いきり、しっかり光老化を防いでください。

私が「楽しい」から
向き合う美容

仕事、家事、美容…。全部を完璧に頑張るのは無理ですよね。私も、2歳の末っ子がいると日傘を持って公園に行っても、さす余裕なんてありません。それでも、小さな子どもと一緒に外で遊べるときは、思い切り遊びたい。2歳のこの時期は、「今」しかないのですから。

「今」を大切にしつつ、それでも私が美容に向き合うのは、やっぱり楽しいから。シミが改善されるとテンションが上がるし、洋服のコーディネイトを褒められるとうれしい。持論ですが、メイクもファッションも私という人間を相手に伝えるコミュニケーションだと思っています。人に与える自分の印象を考えながら肌を整えたり、服を選んだりすることが好きなんです。

一方で美容を重圧だと感じるならば、ストレスにならない範囲で。最低限のケアとして、紫外線、摩擦、乾燥を避けることで、皮膚は健やかに保てます。「今」を楽しみ、笑顔がいちばん素敵だと心得て、自分がここちよくなる選択ができるのも、おとなの特権だと思います。

●参考:「光老化」啓発プロジェクト委員会

――――【特集】おとな流 夏の紫外線対策#03では、引き続き友利先生におとな世代が実践したい夏の美肌対策をうかがいます。

【特集】おとな流 夏の紫外線対策

  • 友利 新(ともり あらた) 医師(内科・皮膚科)。沖縄県宮古島出身。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。2004年第36回準ミス日本。三児の母。現在、都内2ヶ所のクリニックに勤務のかたわら、医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・テレビ などで展開中。YouTubeチャンネル『友利新/医師「内科・皮膚科」』は登録者数68万人以上。美と健康に関する著書も多数。
取材・文/三宮千賀子
撮影/高木亜麗
ヘア・メイク/鈴木京子
デザイン/日比野まり子

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