#01の読者アンケートで寄せられたのは、紫外線に対するさまざまなハテナの声でした。そこで、素朴な疑問から具体的な対策テクニックまで、さまざまなクエスチョンをピックアップ。回答をお願いしたのは、#02で基礎用語の監修をお願いした慶田朋子先生です。うっかり日焼け、ラッシュガード、目の紫外線対策など、読めばすぐためになるQ&A、後編をお届けします。(前編はこちら)

6. うっかり日焼けをした日に、すぐできる対策はありますか?。

「しっかり冷やしてたっぷり保湿」が鉄則です
紫外線によるDNAへのダメージをなくすことはできないのですが、もし日焼けをして肌が赤くなっている場合、サンバーンという炎症が起きている可能性があります。その炎症は速やかに沈静化しないとよりダメージを深くしてしまうため、まずはしっかりと冷やすようにしてください。
そのあとに大切なのは保湿です。たっぷりの化粧水で肌に潤いを与えてあげてください。シートパックや美白美容液などのケアは、数日後に。まず冷やす→次に保湿するが鉄則です。


7. 髪が短いので、首の日焼けが気になります。かといって首を覆うと汗をかいてしまいます。なにかいい方法はないでしょうか?

物理的に覆うのがいちばんの対策なのです
首を覆うと汗をかいてしまうので避けたいというならば、やはり日焼け止めを塗る、日傘を使う、帽子をかぶる、日陰を選んで歩くようにする、などの対策はあります。ただ、紫外線にはさまざまな種類があるので、いちばん大切なのは、それらを併用しつつも物理的に覆うこと。風通しのいい素材を選ぶなど、工夫してみてください。

8. UVカット機能のあるラッシュガードを何年も使用し続けています。服の紫外線防止効果は、どれくらい続くのでしょうか。

メーカーに問い合わせるのが確実。2枚重ねも有効です
そのラッシュガードを海中で使用したのか、街中ではおっただけなのかなど、使っている環境によって劣化の状況は変わってくると思います。おすすめは、ラッシュガードの2枚重ね。私の場合、リゾート地の水場では必ず2枚重ねて使用します。するとほぼ焼けないように感じるのと、内側のラッシュガードは劣化しにくいような気がしています。
また、黒や紺など色が濃いものは紫外線を通しにくいことがわかっていて、織り目が密なナイロン素材ならUVカット機能が無くても95%ほどカットすると言われています。一方、白は紫外線を通しやすいので、UVカット機能が高いものを使用したほうがよいでしょう。効果の持続性については、メーカーに尋ねることをおすすめします。

9. 目の紫外線対策は、したほうがいいでしょうか?しないとどんなことが起こるのでしょうか。

目が紫外線を浴びることで、各種の疾患を引き起こす可能性が
結膜が異常な形で増殖する「翼状片(よくじょうへん)」や、網膜に障害が起こる「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんしょう)」、よく知られる「白内障」など、さまざまな症状を引き起こす可能性があるので、目の紫外線対策も重要です。
対策としては、UVカット付きのサングラスやコンタクトを活用すること。濃い色のサングラスだと、瞳孔が開いて、逆に紫外線の害が生じやすくなるので、最近はレンズの色が薄めでUVカットレンズのタイプも充実しているので、幅広く探してみましょう。


10. 毎日通勤で運転をしています。窓は紫外線防止、日焼け止めも塗っていますが、それでも日焼けしてしまいます。何か方法はあるでしょうか。

ラッシュガードを使用するといいでしょう
UVカット機能の数値は業界によりさまざまで、工業用品に関してはその基準がほかの業界に比べて満たされていないところがあります。本来紫外線は420ナノメートルまで光老化に影響を与えると言われていますが、化粧品のUVカットは400ナノメートル、さらに工業用品では380ナノメートルです。
そう考えると、やはり衣類で覆うなどの紫外線対策が必要でしょう。私は車用のラッシュガードを積んでいて、常に物理的にカバーすることを心がけていますよ。

次回は、「【特集】おとなの紫外線対策#05|夏肌を守る食事アイデア&レシピ」をお届けします。
- 慶田朋子(けいだ・ともこ) 美容皮膚科医、「銀座ケイスキンクリニック」院長。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、クリニックを開設。日本皮膚科学会認定皮膚科医専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。医学博士。 公式サイト:「銀座ケイスキンクリニック」
デザイン/日比野まり子
イメージ写真/stock.adobe.com
【特集】おとなの紫外線対策(全5回)
- #01|1年中対策するのは、もはや当たり前!? みんなの紫外線対策を徹底調査
- #02|あらためて知っておきたい、おとなのための紫外線用語解説
- #03|慶田先生が答えます。おとなの紫外線対策Q&A<前編>
- #04|慶田先生が答えます。おとなの紫外線対策Q&A<後編>
- #05|夏肌を守る食事アイデア&レシピ(coming soon)