• Wellness
  • 2023.01.11

プロが選ぶ! 楽しく走り続けるためにそろえておきたいアイテム4選

ランニングに関する素朴な疑問をプロが解決!<前編>

プロが選ぶ! 楽しく走り続けるためにそろえておきたいアイテム4選

世間もwithコロナにシフトして、いろいろなことが動き始める予感に満ちた2023年。以前より少しなまってしまったからだをどうにかしたくて、ランニングに興味を持っている人も多いのでは? けれどいざ始めるとなると、何から手をつければ良いものやら……。そんな迷える未来のランナーに向けて、失敗しないウェア&アイテム選びや、三日坊主で終わらないランニングの楽しみ方を、前編・後編の2回にわたってお届け!

楽しく走れるランニング指導が人気のマラソントレーナー森田光希さんと、ワコールの機能性コンディショニングウェアブランド「CW-X」の商品開発やPR設計に携わり、自身もラン愛好家である久本のぞみの二人が、ランニングの世界へエスコートします。

アイテム1:スポーツブラ
“ユレ・ズレ・アセ”からバストを守る最新ブラのすすめ

スポーツゆれケアブラ(HTY020) スポーツゆれケアブラ(HTY020)

森田さん(以下、敬称略) ランニング教室を開催したり、パーソナルトレーニングをしていることもあって、ランニング初心者の生徒さんにレッスンすることも多いんですね。そんななかで一番に気になるのが、普段と同じワイヤーブラをつけて参加する人が結構多くいること。レッスンが終わるころには、ワイヤーで胸もとがこすれて血がにじんでしまう人もいるのですが、当の本人は「え? ワイヤーブラではダメなんですか?」と、わりとあっけらかんとしているケースが多くて。

久本 ワコールで実施したアンケート結果でも、スポーツ時にスポーツブラを着けていない女性が約7割もいるようです。

森田 7割も⁉︎ それならなおさら、スポーツブラがある理由や、女性のバストを守るためにも必要であることに気づいてほしいですね。

久本 そもそもブラジャーにスポーツ用があるのは、バストの構造が関係しているんです。バストには筋肉がなく、鍛えることができません。また、スポーツ時のバストは大きく揺れています。バストのかたちが変化する理由は加齢などさまざまですが、スポーツ時の揺れも一つの要因です。スポーツブラはバストの動きを抑え、揺れを軽減、スポーツ時も快適にバストを守ってくれるんです

森田 私もスポーツブラを選ぶときは、走っているうちにカップがズレないか、バストの揺れが軽減されているかということを第一に、さらにランニングに必要な要素、つまり肩甲骨がよく動いて腕振りの邪魔にならないか、などの機能性を同時にチェックするようにしています。

久本 さすがプロの視点! 実は長年の研究から、ランニング時のバストは単に上下に弾んでいるわけではなく、弧を描くように揺れているということがわかりました。ですので、ランニング時は胸部のサポート力がしっかりしたものなど、揺れ軽減機能がついたスポーツブラを着用することをおすすめします。

森田 データの蓄積や研究から生まれるスポーツウェアの機能は、使ってみると本当に違いがよくわかりますよね。この「スポーツゆれケアブラ」もしっかり胸がサポートされるのに圧迫感が少なくて、負担を感じませんでした。スポーツブラを選ぶことの大切さが、一度着用すればわかると思います。

久本 「CW-X」は運動時のからだをサポートするため、当社の人間科学研究開発センターの研究・知見と独自のテーピング原理から生まれたコンディショニングウェアブランド。「スポーツゆれケアブラ」はつけごこちにこだわったのはもちろん、胸もとのデルタ型のパワーネットによるサポートでバストの揺れを軽減しています。また、カップ部は成型カップ内蔵で丸くてきれいなシルエットをキープできるようにしています。さらに、ズレにくさや吸汗速乾性なども備えて、バストの3大ストレス“ユレ・ズレ・アセ”を軽減しているのも特長で、ランニング初心者にもぜひ使っていただきたいアイテムです。

バストの揺れを抑える機能を担っているのは、このデルタ型のサポート部分 バストの揺れを抑える機能を担っているのは、このデルタ型のサポート部分

森田 確かに、走ってもバストがバウンドしないし、アンダーバストのゴムもソフトで呼吸が楽ですね。ただ私、足もとから着用できるスポーツブラがあるのを知りませんでした! 上から腕を通して生地がクルクルまるまってしまうのは、普通なんだとばかり……(笑)。

久本 後ろにホックがついていないもので、足もとから着用できるタイプもあるんです! 腕をくぐらせるときの窮屈さもなくなりますし、バストも持ち上げるかたちになるのでスッと収まりますよ。着用できたら、アンダーバストのズレやカップの浮きや食い込みがないかを確認してください。

アイテム2:ソックス
負担のかかりやすい足まわりはスポーツソックスでサポート力を補強

左から、5本指ソックス(BCR610)、プレーンソックス(BCR608) 左から、5本指ソックス(BCR610)、プレーンソックス(BCR608)

森田 ランニングのときはどうしても足に負担がかかりやすくなるので、足首のサポートや足裏の補強があるスポーツソックスを愛用しています。それも、5本指タイプがスタンダード。足指の1本1本がしっかり地面をとらえて蹴り上げる感覚が気に入っています。

久本 ランニングでは足裏に体重の何倍もの力がかりますから、ソックスのズレにくさやフィット感、クッション性のあるなしは重要ですね。当社でもテーピング原理を採用したソックスは人気があって、足首をサポートすると同時に足裏の動きをよりアクティブにする立体的なアーチサポートを装備しています。5本指タイプ、つま先やかかとにクッション性の高いパイル地を使ったタイプなど使い分けていただけます。

森田 スローランでも距離を走るうちに足裏に負担がかかってきたりしますから、機能派ソックスは欠かせないアイテムですね。足首プラス足裏のクッションや土踏まず(アーチ)のサポートなどがしっかりしていると、足もとが安定する感じがして走りにより集中できますから。

アイテム3:スポーツタイツ
ぜひ使ってほしいのが、筋肉と関節をサポートするタイツ

スポーツタイツ エキスパートモデル(HXY499) スポーツタイツ エキスパートモデル(HXY499)

森田 ランニング教室の生徒のみなさんにすすめているアイテムの一つが、スポーツタイツです。座っている時間が長かったり、日ごろ運動をしていないと、脚の筋力は年々落ちていきます。その状態でいきなり走ろうとしても、正しく筋肉を使えないことが多いんです。

久本 私たちもランニング時にはからだの筋肉や関節をサポートするスポーツタイツをおすすめしています。足の運びがスムーズになり、疲労感も出にくくなるはずです。

森田 そうなんです! ランニングは骨盤のゆがみのなさやひざの動きが大切なので、下半身を安定させることが重要になってくるんです。

久本 例えば「CW-X」のエキスパートモデルでは、独自のテーピング原理をもとにタイツ全体にサポートラインを入れ、着地の衝撃を緩和したり、股関節の左右の筋肉の流れを妨げることなく、ムダな動きを抑える仕立てにしています。また、走っているとだるくなりやすいふくらはぎ部分は段階着圧をかけ、運動時の筋肉をサポートしています。

森田 個人的にも愛用していますが、本当に足運びが軽やか! ランニング体験でレッスンに来る人はゆるっとしたトレンカやスパッツをはいていることが多いのですが、立ち姿だけ見ても反り腰になっていたり、ひざが前に出るクセがあったりして。そういうときは正しい姿勢を体感してもらうためにも、「ランを始めるならスポーツタイツをはいてみて!」とアドバイスします。実際はいてみて最初の一歩がスッと前に出たり、足の運びがスムーズになる感覚がわかると、みなさん驚かれます

ひざの位置をクロスラインの中央に合わせてはくことで、ひざ関節をサポート ひざの位置をクロスラインの中央に合わせてはくことで、ひざ関節をサポート

久本 とはいえ、スポーツタイツははき方を間違えると正しいサポート力が発揮されにくいんです。まずひざの位置を合わせて少しずつ引き上げ、股関節の位置までズレないように。この点さえ気をつければ、快適なランの一助になってくれるのではないかと思います。

森田 サイズ選びに困ったら店舗へ行って、きちんとフィッティングしてもらうことも大事ですね。

アイテム4:シューズ
ランニングシューズは、はいて歩いてフィット感の確認を

久本 森田さんにぜひうかがいたいのがシューズ選び。ご自身ではどんな点をチェックされていますか?

森田 ランニングが習慣になると、調子が良い日は15kmくらい走ってしまうこともあるので、まず程よい通気性とクッション性があることが大前提です。シューズ内のアーチと自分の足裏の土踏まずがしっかりフィットすること。そして、つま先が当たらないように、1cmくらいの遊びを持たせて選ぶようにしています。

久本 最近では靴もネット通販で購入する人が多いと聞きますが……。

森田 試しばきは必須です。足入れをしてみないとはきごこちはわからないことが多いですから。両足はいて、その場で足踏みをしてみると、サイズ感はだいたいつかめるはず。そうそう、試しばきには必ず、一緒に使う予定のスポーツソックスをはいて行ってください。生地の厚みによってもフィット感は変わるので、シューズ選びの失敗はそれだけでもかなりの確率で低くなるはずです。

他にもそろえておくといいアイテム
軽やかな走りに集中するためのお役立ちグッズに注目

左上から時計回りに、キャップ(HYO499)、グローブ(HYY540)、ウエストポーチ(HYO070)、JYURYU® TOP(JAY410) 左上から時計回りに、キャップ(HYO499)、グローブ(HYY540)、ウエストポーチ(HYO070)、JYURYU® TOP(JAY410)

久本 ランニング時、他に持っていると便利なアイテムはありますか?

森田 私は長距離を走るので風よけや防寒、UV対策にもなるキャップとグローブは必需品ですね。走っているとからだは温まりますけど、指先は冷えてしまうので。

久本 キャップをかぶって走ると、結構集中できますよね。

森田 そうそう、できます! 私もいろいろなことで頭が混乱しているときや考えごとをしたいときに、キャップをかぶって走りに出ることがあります。軽量でムレ対策もあると、脱いだあとの髪も乱れないので助かります。以前は、軽いキャップって風にあおられて脱げちゃうのではないかと不安だったのですが、後頭部のベルトで頭に合わせてしっかり締められるようになっている最近のスポーツタイプは快適ですね。

久本 ちなみにグローブだと「CW-X」にはタッチパネル操作対応タイプがあるので、ちょっとしたスマホ操作のときもその都度グローブをはずす手間がなくて便利ですよ。森田さんはランのとき、スマホはどこにしまっていますか?

森田 普段のゆっくりとしたランニングではパンツやタイツなどのポケットに入れて走っていますが、ペースが上がると揺れが気になるので、ウエストポーチが便利だなと思い始めています。

久本 ドリンクや家の鍵なども入れられるので、ウエストポーチは便利ですよね。私のお気に入りは、前後からからだをはさむように装着するタイプ。おなかと腰にぴたっとフィットしてバランスがいいんです。

森田 いろいろなタイプがあるんですね。今度試してみます! それと、これはウェアの補足になるのですが、ランニングするときはインナートップスの力をかりるのも一策だと思っていて。気持ち良く走るには、足の運びと同時に腕の振りがとても重要。「CW-X」のインナートップスもそうだと思うのですが、背面に肩甲骨の可動域を広げるストレッチが効いたトップスを着ていると、腕が本当にスムーズに振れるようになって、ランのパフォーマンスもグッと上がったりするんです。いい変化はやる気にもつながるので、三日坊主対策にもおすすめしたいですね。

久本 なるほど! 私もインナートップスを必ず使うようにしてみます。

後編では、体力的な不安や走り方など、ランニング初心者が抱くさまざまな疑問について、引き続き森田光希さんに教えていただきます。1月18日(水)公開予定の「けがなく、楽しく走るためのヒント」もお見逃しなく!

  • 森田光希(もりた・みき)
  • 森田光希(もりた・みき) マラソントレーナー。中学生の頃から陸上を始め、全国高校駅伝や全日本大学女子駅伝に出場。ブランクを経てランニングを再開し、現在はパーソナルトレーナーとして活躍している。「MAKE IT POSSIBLE」をスローガンに目標達成をサポートする「MIP」プロジェクトを立ち上げ、ランニング教室やマラソン教室なども開催。トレーニングを組みあわせ、けがなく走りを楽しむ指導が好評を呼んでいる。
    https://www.mip-run.com/
  • 久本のぞみ(ひさもと・のぞみ)
  • 久本のぞみ(ひさもと・のぞみ) ワコール 第3ブランドグループ ウエルネス商品営業部事業企画課
    入社後、百貨店婦人肌着売場のセールス、スポーツ売場のセールスを経て、ウエルネス商品営業部事業企画課へ異動。現在、「CW-X」のブランド戦略の立案、商品・サービスの開発、PR設計を担当。
取材・文/田中あか音
撮影/新妻誠一
構成/江尻千穂
デザイン/WATARIGRAPHIC