ヨガインストラクター吉川めいさんの呼吸美人10の秘訣<後編>

特集/呼吸で自分を変える!

語り/吉川めいさん(ヨガインストラクター)
取材・文/川口夏希(ライター)

呼吸に意識を向けることは、美しさを手に入れることにつながるだけでなく、自分自身を見直すきっかけにも。後編は、吉川さんが実践している呼吸方法などを紹介します。 ヨガインストラクター・吉川めいさん

Secret6
バランスのよい呼吸が自然治癒力を高めます

「バランスのよい呼吸をすることで、心とからだが本来のバランスへと戻っていきます。そうすることで、人間がもっている自然治癒力を高めていくことができると考えています。自然と離れたところで生活する現代社会では、常にデトックスしていくことが必要です。呼吸が整い、心とからだが本来のバランスを取り戻すことができれば、自然とデトックスできる仕組みが整います。"すこやかなからだと安らかな心"があって初めて、美しさにつながっていくと考えているので、そういった意味でも豊かな呼吸は美しさを手に入れるためにも大前提であると思います」

Secret7
呼吸を観察することを習慣に

「ヨガをしているとき以外でも、日常で歩いているときや話しているとき、自分の呼吸がどうなっているのか観察するのがクセになっています。ヨガの種類によって呼吸方法はいろいろあるのですが、アシュタンガヨガでは鼻呼吸を行います。アシュタンガヨガのクラスでは、エネルギーをリチャージするために口からエネルギーを出さないでください、と指導しますが、仕事終わりで疲れたときにひと息つく呼吸は、そのときに必要な呼吸。ルールに縛られることなく、そのときごとに気持ちいい呼吸を選択することが大切です」

Secret8
呼吸を考えるのではなく、感じてください

「ヨガのレッスンでも生徒さんに、呼吸について考えるのではなく、感じてくださいと、よくお伝えします。現代では、「考えること」が賢いとされすぎていて、なんでも考えてしまいがちですが、豊かな呼吸をするためには、気持ちいいかを感じながら呼吸することがすごく大切です。大人になるにつれて、何秒間の呼吸が正解かなど、頭で考えてしまいがちですが、気持ちよく息を吐けていれば、おのずと気持ちよく息を吸えるもの。"こうしなければならない"というしばりが増えると、呼吸も浅くなってしまうので、"気持ちいいか"どうかだけに意識を向けて呼吸してみてください」 ヨガインストラクター・吉川めいさん 何秒で吸って吐くのが正解か、などの方法にこだわらず、"気持ちよさ"に重点を置いて呼吸するようにしましょう。

Secret9
すぐに気持ちいい呼吸ができなくても、あきらめないで

「なかなか気持ちいい呼吸ができない...と悩む生徒さんもいらっしゃるのですが、何十年もの間、呼吸に目を向ける機会がなかったのですから、それは仕方がないことです。呼吸は素直に今の自分を表すので、気持ちいい呼吸ができていないのなら、生活全般でアンバランスを抱えていることも多いのです。今の生活のなかで、いちばん呼吸が乱れる瞬間はいつかを考えると、自分を知るきっかけにもなります。満員電車の中、締め切り前、苦手な人と一緒にいるとき...、どんなときに呼吸がしづらいかを観察すると、知らず知らずに自分に強いているものやストレスの原因が見えてきます」

Secret10
自分の呼吸を感じ始めると、生き方も変わります

「ヨガを始めて生き方を変える人も多いのですが、それは、自分の呼吸を感じ始めると、社会的な規制や自分でつくっている固定観念など"〜しなければならない"ことにガマンができなくなるから、というのもあると思います。"どんな呼吸をしたいか"をたどっていくと、"どんな生活をしたいか"ということを選ぶきっかけにもなります。呼吸はだれでもできるものですが、奥が深く、さらには生き方まで変える可能性を秘めています。豊かな呼吸ができたのならば、きっと生活も豊かなものになるはずです」

吉川めい ヨガインストラクター、モデル。コンセプトスタジオveda主宰。14歳からモデルとして活躍しながら、2001年にアシュタンガ・ヨガと出会い、インド・マイソールで修行。2006年には日本人女性として初となる、アシュタンガヨガ正式指導資格を取得。『吉川めいのアシュタンガヨガ基礎レッスン』(NHK出版)など多数の書籍があり。
http://maeyoga.com
http://vedatokyo.com

撮影/長谷川 梓