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教えて、ドクター!

2019年12月18日

先生/奥村 歩(おくむらメモリークリニック 院長)

BODY

【特集/ブレインヘルスの最新事情】

もしや、あなたも「スマホ脳疲労」!?

---- スマホのアラームで目覚めて、すぐSNSをチェック。通勤電車の中ではネットニュースを流し読み。仕事の合間はスマホゲームで息抜き――こんな日々を続けている人は、「スマホ脳疲労」に陥っているかも!? そしてさらには、脳の機能が低下する「スマホ認知症」にも...。現代人のスマホ漬け生活に警鐘を鳴らしている、脳神経外科医・奥村 歩先生に教えていただきました。 もしや、あなたも「スマホ脳疲労」!?
スマホからの大量の情報で
脳内はゴミ屋敷に!
私のクリニックには、「もの忘れ」に悩み、「認知症」を疑う患者さんが、毎日、全国からたくさん来ます。待合室は連日、満員電車状態ですが、そこにいる時間、患者さんが何をしているかというと、スマホ。病院に来ているときくらい、ぼんやりと脳を休めればいいのに、少しでも時間があれば、SNSを見たり、ネットサーフィンをしたりと、スマホで脳に情報を入れてしまう。もちろん、仕事に関わることなど本当に必要な情報もあるでしょう。でも、ネット上の情報のほとんどは、その人の人生にとって、たいして必要のないもののはず。そうした情報をどんどん脳に入れていくうちに、整理整頓が追いつかなくなり、パソコンでいうなら、フリーズ状態。頭の中は散らかり放題の"ゴミ屋敷"になってしまうのです。

脳は、情報や刺激が入ってくると、前頭前野という部分で、その情報を吟味する情報処理をします。情報処理には、「迅速に浅く考えるメモ機能」、「じっくり深く考える熟考機能」があり、スマホを見たりゲームをしたりしている間は、メモ機能ばかりが使われている状態です。情報処理が追いつかず脳疲労に陥っていく一方で、使われないままの熟考機能は、どんどん錆びついていく。そして、「もの忘れ」に代表される脳の「検索・取り出し」機能が低下していく。この状態を、スマホによって認知症に似た状態が引き起こされるという意味で、私は「スマホ認知症」と呼んでいます。「スマホ認知症」は「もの忘れ」だけにとどまりません。からだの健康にも悪影響を及ぼします。
原因不明の体調不調は
脳の誤作動によるもの
脳は、その人が幸せに生きていくための「管理棟」です。マンションの○号室で異常があったという知らせを受けて、管理人が対処する。それが、管理棟が正常に働いている状態です。たとえば、手にトゲが刺さったとき。痛みによって「トゲが刺さったよ」と脳に知らせがくるから、「トゲを抜く」という行動を起こし、化膿を防ぐことができるわけです。ところが、脳疲労になると、それが誤作動を起こしたり、機能しなくなったりする。トゲも刺さっていないのに手が痛い、検査で異常が見つからないのに頭が痛い、めまいがする、胃が痛い、首が痛い、腰が痛い...。原因不明の不調は、全部、脳の誤作動によるものです。

精神状態が不安定になるのも、脳疲労が原因です。悲観的になったり、何かに執着したりと、気持ちを整えることができなくなる。それは、うつ病予備軍の状態です。

人は、からだが疲れていることは自覚しやすいものですが、脳が疲れていることにはなかなか気づかないもの。しかし、脳は、心身のバランスを保つ、大切な存在です。脳が健康であれば、体調も整います。肌のコンディションや体型をコントロールしているのも、脳です。健康や美容のために、まずは脳の健康を気にかけてほしいもの。そのためにも、スマホとのつきあい方を見直し、脳を上手に休ませてあげることが大切です。

余談ですが、脳と肌は、発生時、外胚葉という同じ部分から生まれます。脳と肌は同じものからできているのです。脳が健康な人は、はつらつと元気で、肌も若々しいですよね? 見た目の疲れ具合と、脳の疲れ具合は、見事に同じなのです。

----スマホ脳疲労、スマホ認知症...。思い当たることがある人も多いのでは? 心身ともに健康でいるためには、まず、脳が健康でなくてはならないのです。次回はいよいよ、脳疲労を解消するための具体的な方法についてうかがいます。
奥村 歩

奥村 歩 医学博士。日本脳神経外科学会認定専門医。おくむらメモリークリニック院長。これまでに10万人以上の脳を診断。特に2008年に「もの忘れ外来」を開設して以降は、認知症やうつ病に関する診断も多く経験する。『その「もの忘れ」はスマホ認知症だった』(青春出版社)、『脳を休める技術』(カンゼン)、『「朝ドラ」を観なくなった人は、なぜ認知症になりやすいのか?』(幻冬舎)など著書多数。

取材・文/剣持亜弥
イラスト/吉岡ゆうこ

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