2019年11月13日
BEAUTY
【KCI Wunderkammer】
着せ替え人形

製作地:フランス
製作年:1840年代前半
日本で着せ替え人形といえば、こどもの玩具というイメージがあるが、これらは大人の女性向けのもの。ディテールの描き方が緻密で本格的だ。ドレスや帽子は端のみが糊付けされ、その中に人形のからだがすっぽりと入る構造になっていて、後ろ姿も楽しめる凝りよう。この着せ替え人形は、当時のファッション雑誌の付録として配布されていた。まだ既製服がほとんどなかった当時、女性達はこの人形をもとに自分のドレスをオーダーしたり、コーディネートの参考にしていたのだった。

(KCI広報誌『服をめぐる』第8号 2017年11月発行より)

京都服飾文化研究財団(KCI)
京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。
https://www.kci.or.jp/