毎日をすこやかに美しく過ごす「養生生活」

こころとからだの二十四節気

2019年8月28日

文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか

BODYHEART

白露(はくろ)/肺を鍛えてかぜ予防!

白露(はくろ)の心得
肌や髪の毛のツヤがなくなる秋
白露は9月8日~9月22日の時期で、日中の暑さは残りますが、朝夕には涼しい風が吹きます。大気が冷えて草の葉先に露が結ばれる様から、白露と呼ばれています。9月9日は重陽の節句で、栗ご飯などを食べて収穫を祝い、ここからがようやく秋本番です。

この時期は朝晩の温度差が激しいことから、皮膚や粘膜などが刺激されやすいため、鼻・気管支・肺などの粘膜に炎症が起こりやすく、呼吸器系にさまざまなトラブルが起こりやすくなります。鼻アレルギーやかぜが多くなり、ひどいときには喘息(ぜんそく)に発展するので、注意が必要です。東洋医学でも、秋は「肺」の時期といわれ、その状態は鼻に現れやすく、鼻がつまったり、においがわかりにくくなったりします。また、皮膚や毛などの状態にも変化が見られ、ツヤや潤いがなくなるといった症状がみられるかもしれません。
呼吸筋をゆるめるストレッチを
さらに、東洋医学でいう「悲」という時期であることから、何かとセンチメンタルになったり、涙もろくなったりします。また、昔を懐かしんだり考え込むなど、物思いにふけることが多くなるでしょう。そこで、肺の機能を高め、からだも心も改善しましょう。

肺の機能を高めるには、胸の周りにある呼吸筋をゆるめましょう。息を吸うための筋肉のストレッチは、肩幅と同じくらいに両足を開いて立ち、胸の前で両腕を組みます。その後、鼻から息を吸い込みながら、両手を前方に伸ばし、徐々に背中を丸めていきます。口から息を吐きながら、徐々に元の姿勢に戻して。一方、息を吐く筋肉のストレッチは、肩幅と同じくらいに両足を開いて、片手を頭の後ろ、もう一方を腰に当てます。その状態で、鼻からゆっくりと息を吸い、吸いきったら口から息を吐き出しながら、ひじをもち上げる感じでからだの側面を伸ばし、息を吐ききったら元に戻します。これらのストレッチを1日10回程度行いましょう。 息を吸うための筋肉のストレッチ・息を吐く筋肉のストレッチ ストレッチの後は、ペットボトルを利用した呼吸筋の訓練を。空のペットボトル(500mg)を口にくわえたら、大きく吸い込んでペットボトルを凹ませます。続いて、大きく息を吐いてペットボトルを元に戻す。これを10回ほど繰り返しましょう。
カゼかな? と感じたら「中府(ちゅうふ)」のツボ
最後に、白露を乗りきるための「中府(ちゅうふ)」のツボをご紹介します(図3)。中府は鎖骨と肩の骨の間にあるクボミから指幅1本分下にあります。このツボは、咳(せき)や痰(たん)などのかぜや肩こりに効果があります。イタ気持ちいい程度に10秒程圧迫し、5秒あけて5回程度刺激するようにしましょう。

咳や痰などの風邪症状や肩こりなどの症状に効果的なツボ・中府(ちゅうふ)
伊藤和憲

伊藤和憲(いとうかずのり) 鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。
https://www.yojyo1192.com/

ワコールスタディホール京都 ワコールスタディホール 伊藤先生のお話を聞きながら養生体験!
東洋医学が導く美のメソッド~2019秋のレッスン~ 全5回
8月21日(水)9月4日(水)9月18日(水)10月2日(水)10月16日(水)
第1回のみ 19:00~20:30
第2~5回  19:15~20:30

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