女ですもの、楽しまなくちゃ。さあ、ご一緒に

アゲませ女♥召しませレース

2019年4月 3日

語り/田中杏子(『Numero TOKYO』編集長)

HEARTBEAUTY

「平成」に起きた、ファッションと下着の大きな変化

まもなく平成という時代が終わりを迎えます。この時代、ファッションのあり方は大きく変化し、同時に下着の選択肢も広がりました。ファッションや下着はどんな変遷を歩んできたのか、モード誌『Numéro TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』編集長・田中杏子さんにお伺いしました。お話を聞いていると見えてくる、下着やファッションの変化は、女性の生き方そのものの変化だということ。時代の節目に、じっくり考えてみたいテーマです。 「平成」に起きた、ファッションと下着の大きな変化
「頑張る」ファッションから、「女性による女性のための」ファッションへ
バブル崩壊が起きた平成初期、90年代の初めのファッション業界を見てみると、女性デザイナーは少なく、業界は男性デザイナーが多くを占めていました。彼らの思い描く女性像とは、豊かなバストとキュッと上がったヒップ、きれいなくびれ...カーヴィで美しい、まさにパーフェクトボディをもつ女性でした。

当時の女性たちもその像を追いかけ、高いヒールを履き、バストは上げて強調し、スリムな服を涼しい顔で着ながらも、本当は息をするのも大変というキツさに耐えながら頑張っていました。日本では、ボディコンが大流行中で、からだにぴったりとフィットする服を下着の力も大いに借りながら頑張って着こなそうとしていました。

この時代は長く続きましたが、時は経ち女性デザイナーが増えてくると、彼女たちはこれまでとは違うファッション観、引いては"女性像"を打ち出していきます。そこに世界中の女性たちが待ってましたとばかりに飛びつくのです。ミウッチャ・プラダのつくる"かわいい"は世界中を席巻し、"少年のように"の意味をもつブランド"コムデ・ギャルソン"を立ち上げた川久保玲は、それまでの女性像をガラリと変える革新的なファッションで世界から熱狂的な視線を浴びました。

その後も女性デザイナーの大躍進は続き、ステラ・マッカートニーやセリーヌのクリエイティブディレクターを務めたフィービー・ファイロ(2008〜2018年)が発表したのは、キャリアをもち、子どもも産み育てている、自分たちがリアルに着る服。「動きやすく」かつ「きれいに見えるファッション」の数々でした。ゆったりと楽に着られるシルエットが女性たちの圧倒的な支持を得て、世の中に広まっていきます。女性が女性に向けて服を着るようになり、ファッション観は大きく変化しました。そして、こういった服は、胸をコンパクトに見せた方がカッコよく着こなせるのです。実際に彼女たちは下着もデザインしていましたが、多くがワイヤレスで華奢なものでした。

私もこのころ、ふと「胸が小さく見えるブラはないかな」と思い立ち、コンパクトに見せるブラを愛用するようになりましたが、その背景には、ファッションのこういった大きな流れがあったと思います。私にとって、下着とは着たい服をイメージした通りに着こなすために重要なものであり、この服をいちばんきれいに見せてくれるのはこの下着、というくらいファッションと強くリンクしているもの。ファッションにとっての大切なファクターなのです。
ファッションも生き方も多様化の時代
さらに時は流れて、現代。男性がスカートをはき、女性がメンズのアイテムをおしゃれに着こなすなど「男性のファッションはこうあるべき、女性はこうあるべき」という凝り固まった価値観やファッション観はますます古いものとなり、ファッションにおいても、自身のあり方や生き方においても、男女間の垣根は取り払われ、よりフラットになってきました。

個が尊重され、多様化の大きな流れはこれからも進むでしょう。皆で同じ方向を目指すのではなく、たくさんの選択肢の中からなりたい私を選んだり、自分に合うものを見つけたり、もっと言えば、「今日の私」にフィットするものを次々と選んでいく時代。

ドレスを着る日には、バストをボリュームアップしてくれるブラを選んだほうがきれいに見えますし、反対にリラックス感や抜け感を出したい時は胸を小さく見せるブラをつけたほうが華奢に見えて美しい。ひとりの女性の下着のワードローブの中に、ボリュームアップするもの、小さく見せるもの両方あるべきだと思うんです。オケージョンによって、色々なタイプのブラを使い分けるのが当たり前になったら。平成後期、バストを小さく見せるという画期的な選択肢をもった私たちは、好きな服をよりきれいに着こなせる、ファッションの幅も手に入れたと感じます。
田中杏子

田中杏子(たなかあこ) ファッションを学ぶため単身イタリアに渡り、帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などでスタイリングに従事し、『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。ファッションエディターとして7年間在籍。誌面でのスタイリングのほか、広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO'S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。

取材・文/大庭典子

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