服飾の歴史や文化へ誘う、京都服飾文化研究財団(KCI)広報誌より

服をめぐる

2019年2月20日

文/筒井直子(京都服飾文化研究財団 キュレーター)

BEAUTY

【KCI Wunderkammer】

昆虫の羽(装飾用)

昆虫の羽(装飾用) 撮影:成田舞 素材:玉虫の前羽
製作年:1850年頃
原産国:インド


緑色の羽が妖しくも美しく光る。16世紀から19世紀半ばのムガル帝国(インド)ではこれを婚礼衣装や豪華なターバンの装飾に用いていた。異国の希少なものを好んだ欧州の人たちはこれを輸入し、流行のスタイルのドレスに仕立てた。本品はイギリス人の若い姉妹が着装したと伝わっている。1匹から2枚の羽を採取したとすると、ドレス2着にはなんと約5千匹もの玉虫が使われている計算になる。彼女らははるか遠くの異国からやってきたこれを虫と知っていたのかどうか...。 イヴニング・ドレス、ショール 1850年頃 イヴニング・ドレス、ショール 1850年頃
© 京都服飾文化研究財団
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第2号 2015年11月発行より)
京都服飾文化研究財団(KCI)

京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。
https://www.kci.or.jp/

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