服飾の歴史や文化へ誘う、京都服飾文化研究財団(KCI)広報誌より

服をめぐる

2019年1月16日

文/福嶋英城(京都服飾文化研究財団)

BEAUTY

【今日の補修室/Today’s Restoration Room】

第1回「後世にのこす」

KCI収蔵品の補修、保存を行う「補修室」より日々の奮闘を綴ります。 第1回「後世にのこす」 生地が弱り、あちこちに裂けが見られる20世紀初頭のデイ・ドレス。トレーン(引き裾)の部分が擦り切れた18世紀のローブ・ア・ラ・フランセーズ(宮廷服)。縫いとめていた糸が切れかかり、シークインが今にも落ちそうな19世紀末のイヴニング・ドレス。

KCIの収蔵品の中には、このままではどんどん劣化が進み、何らかの手を加えないと後世に伝えることが難しい、さまざまな問題を抱えたものが存在します。

その問題に日々向き合っているのがKCIの「補修室」と呼ばれる部門です。これ以上の劣化が進まないよう傷んだ部分に補強を施したり、取れかかった部分を元の位置に戻したり、また、収蔵品に負担がかからない収納方法を考えたり、6名の補修スタッフが収蔵品を後世に残すべく方策を立てています。

補修すること。保存すること。後世に残すこと。

西洋の衣装を収集・保存・研究するKCIにとって、これらは頭を悩ませる事でもあり、同時に衣装と対話をするきっかけとなる事でもあります。衣装の状態をよく観察して、それに見合った補修方法を吟味し、保存方法を選択する。KCIの補修室では、今日も収蔵品の声に耳を傾けています。
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第1号 2015年7月発行より)
京都服飾文化研究財団(KCI)

京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。
https://www.kci.or.jp/

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