からだのために「やってる人」の奥の手公開!

美の流儀

2018年12月26日

語り/西村秋保(アスリートフードマイスター)

BODYFOOD

【番外編/学びと美を考える】

健康は自分への最大のご褒美

「美」をコンセプトにした学びの場、ワコールスタディホール京都と連動した美の流儀【番外編】。マラソンシーズン到来の冬は、「アスリートレシピ」を提案する西村秋保さんがご登場。ランナーご自身はもちろん、家族やサポーターにとっても役立つお話です。 西村秋保さん
持久力を保つには、エネルギー源となる糖質が必要
――2019年の京都マラソン(2019年2月17日)が近づきました。本番1か月前に開催される西村さんの講座「マラソンシーズン到来! パフォーマンス向上を目指すアスリートレシピ」について教えてください。

「アスリートの場合、通常の生活に加えトレーニング分のエネルギーが必要となります。エネルギーの供給が不足するとパフォーマンスが低下してしまいます。パフォーマンスを上げるために、どんなタイミングで何を食べるか、それがからだにどう影響するか、わかりやすくお伝えしたいと思っています。

代表的なのが、炭水化物の活用方法です。持久力を保つためには、エネルギー源となる糖質が必要で、ごはんやうどん、パスタなどを試合前日までに食べることをおすすめします。

サポートする側の方はアスリートに対し、単に必要な栄養素を押し付けるのではなくて、アスリートの好みに合わせ、喜んで食べてもらえるよう料理でアレンジできたらいいですよね。たとえばパスタをつくるときには、アスリートが和食好きならパスタを和風味にする、中華好きなら麺のお出汁を中華風にしてごま油を入れる。イタリアン好きならトマトとオリーブオイルとニンニクを入れたパスタ、というふうに」 ポークボロネーゼパスタ ポークボロネーゼパスタ/パスタでエネルギーの素となる糖質をたっぷり補給。ソースの豚肉煮は糖質からエネルギーをつくり出すビタミンB1が含まれている。トマトやニンニク、細かく切った野菜も含まれるので、試合前のスタミナをつけたいときに。 ――今回の講座は、ランナー自身はもちろん、ご家族やパートナーにもぜひ聞いていただきたいですね。サポートする側として心得ておくことには、どんなことがありますか?

「基本は日常からバランスよく食べて、そこに足りない栄養をプラスしていく。そして走る1週間くらい前から炭水化物を多めに食べる。ただ試合直前になると、緊張感から胃腸の働きが弱くなることがあります。緊張で食欲がないときは、ひと口サイズのミニおにぎりにして食べやすくしたり、スープと一緒にとったり、のどを通りやすくするといった工夫も役立ちますよ。 鶏レバーのニンニクしょうが煮 鶏レバーのニンニクしょうが煮/女性ランナーに不足しがちな鉄分とビタミンB群がたっぷりと含まれているので、スタミナ補給に最適の一品。つくり置きできるので、一度に多くつくって練習後や疲れたときのサイドメニューに。 アスリートには、緊張するタイプもいれば、しない人もいます。構われたい人がいれば、構われたくない人も。ひとりひとりに合わせた、臨機応変なサポートが大切ではないでしょうか。

手づくりだけでなく、外食するときがあってもいいんです。そのときに何を選ぶか、何を買うか、外出先での代替えの知識があれば、いざという時に役立ちます。たとえば、エネルギーをすぐに補給したいときのおやつにパンを選ぶなら、カレーパンよりもあんぱんのほうが理想的。なぜならカレーパンは脂質が多く、消化に時間がかかるため、エネルギーになる速度が遅くなります。試合当日におやつを選ぶなら、油分の多いチョコレートよりも、カステラやおまんじゅうなど脂質が少なくて消化しやすいものに。特に和菓子は、脂質が少なくて糖質が多いので、素早くエネルギーになります。また走り終わった後は、傷ついた筋肉を修復し、からだを回復させるために、すぐにバランスのよい食事をするのが理想ですが、それが無理な場合は、できるだけ早くタンパク質、糖質、クエン酸などを補給しましょう。手軽に携帯できる梅干しやレモンのドリンク、シークワーサージュースなどでもいいですね。

手づくりだけでなくてもいいと言いましたが、そのひとつがおにぎりです。
大事な試合前など、衛生と安全面を考え、体調を壊さないことを優先すれば、コンビニで買ったほうが安全なこともあるんです。 西村秋保さん このようにして、『つくる力』だけでなく、食べ物を『選ぶ力』こそ、身につけていただきたい。考えすぎると精神的にしんどくなりますから、できるだけ長くスパンをとって、体調のいいとき・悪いときの自分を見つめながら、無理なく。1日のタイムスケジュールと食事内容をアスリート本人に書き出してもらい、それを一緒に見て、見直さなければいけないところが見つかれば、代替えを提案するなどアスリートが納得できる提案をすりあわせながら、少しずつ見直していくのもいいと思います」

――アスリートフードを学びながらも、基本的な健康について学べるということですね。では最後に、「健康」は西村さんにとって、どのような意味があるでしょうか。

「『美しさ』の根本こそが、健康であることだと思います。心とからだが健康であれば、外に出かけたくなるし、自分を高めたくなる。いろいろなことが楽しめる。そうやって向上心をもつことは、美しさに近づくこと。そして何より、健康で体調がいいと、お金がかかりません(笑)。体調が悪いだけで、病院にお薬に、とムダなコストがかかってしまいますからね。健康はローコストでハイリターン。これこそが、自分への最大のご褒美ではないでしょうか」

西村秋保(にしむらあきほ) アスリートフードマイスター1級、野菜ソムリエ上級プロ、調理師、家庭料理研究家。2012年息子がバドミントンを始めたことをきっかけにアスリートフードマイスターを取得。2016年からロンドンやアメリカで開催されたポールスポーツ世界大会日本代表選手に同行し、食事づくりをするなど世界に活動を広げる。
2005年野菜ソムリエ取得をきっかに、2人の息子を育てる専業主婦から家庭料理研究家に転身。2009年約6万人いる野菜ソムリエの最高峰「野菜ソムリエ上級プロ」を京都府で初めて取得。京都新聞「あきほのたっぷり旬野菜」で365日レシピ連載や、クックパッド、YouTube、Eレシピで200品以上の簡単レシピや動画を配信中。

6分料理動画「西村秋保の京のおいしおす」140品 http://akihos13.exblog.jp/
クックパッド 西村秋保のキッチン https://cookpad.com/kitchen/6454590
Woman.excite Eレシピより、「野菜ソムリエ秋保の3行レシピ」、「野菜ソムリエ秋保の3行レシピ 旬の野菜を使ったお弁当レシピ」公開中。
【著書】『いっぺんおたべ 京野菜』『スチームケースで作る 京のおばんさい』

ワコールスタディホール京都 西村秋保さんのワコールスタディホール講座情報
マラソンシーズン到来!パフォーマンス向上を目指すアスリートレシピ
2019年1月16日(水) 19:00〜20:30
3,780円(税込)

取材・撮影/ワコールボディブック編集部


※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。

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