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教えて、ドクター!

2018年5月16日

先生/夏目 誠(大阪樟蔭女子大学名誉教授)

BODY

【特集/ストレスと女性のからだ】

ストレスは人生のスパイス

----多い・少ないといったレベルに差はあるものの、年代・性別問わず、誰もが抱えているのがストレスです。「ストレス=心とからだに悪影響を及ぼすもの」として捉えられがちですが、実は適度にあるのが理想なのだとか。ストレスの正体、今どれくらいのストレスを抱えているのかを知る方法、そして心やからだにどんな影響を与えるのかを精神科専門医・産業医でもある夏目誠先生に伺いました。 ストレスは人生のスパイス
ストレスとは日常生活の「変化」のこと
仕事でミスをした、上司とうまくコミュニケーションが取れない......など、すぐに思い当たるストレスがある人もない人も、まずは自分が今どれくらいのストレスを抱えているか、チェックしてみてください。

ライフイベント ストレスチェック
この1年間にあなたが体験した項目をチェックし、左の点数を合計してみてください。


































































合計点数:

このチェックリストは、アメリカの心理学者トーマス・ホルムス氏とリチャード・ラーエ氏が考案した「ライフイベント ストレスチェック」を私たちのグループが日本人向けにつくり直したものです。ストレスというと、思い出すだけで憂鬱になるイメージがあるため、"結婚"や"長期休暇"、"収入の増加"がチェック項目に入っていることに違和感を感じた人は多いのではないでしょうか。

私たちは、いいことも悪いことも、日常生活に「変化」があるとストレスとして受け止めます。"結婚"や"長期休暇"は「変化」ですから、ストレスの要因になりうるわけです。260点以上300点未満はストレスが多い要注意状態、300点以上は病気を引き起こす可能性のある高ストレス状態と診断していますが、我々の調査では4人にひとりは高ストレス状態にあるという結果が出ています。

では、点数が低ければ低いほどいいのかというと、そうとも言えません。カナダのモントリオール大学の科学者ハンス・セリエ氏は、「ストレスは人生のスパイスである」と唱えているのですが、定年直後の男性を例にあげると、わかりやすいと思います。することがなくなり、ひきこもりがちになるのは、仕事という"ストレス(刺激)"がなくなるからなんですね。働いているときは、多忙ゆえ気づかないものですが、多すぎても少なすぎても味が決まらない調味料同様、適度なストレス(刺激)はあったほうが集中力を高めることができたり、いい結果に繋がったりするのです。
SOSのサインに気づくことが何より大事
ストレスを感じると、ストレスを対処しなさいという指令が、脳の視床下部に伝えられ、副腎からコルチゾールアドレナリンノルアドレナリンといったストレスホルモンが分泌されます。このストレスホルモンが血液を通して臓器や自律神経にも伝えられ、血圧が上昇したり免疫力が低下したりするのですが、からだに不調が現れるときは複数のストレスが重なっているケースがほとんど。自律神経が乱れ、交感神経が優位になると、胃腸が弱い人は胃痛、血圧が高い人は血圧の上昇、アレルギー体質の人は花粉症やアトピー性皮膚炎の悪化など、からだの弱いところに出やすい。肌あれや生理不順といった症状も、ストレスが原因であることが多いですね。

複数のストレスを長期間抱え込むと、ストレスや過度な蓄積疲労がうつ病を発症させる可能性があることもわかってきています。女性は、急激な女性ホルモンの変化がある産後と更年期にうつになりやすいのですが、うつ病よりも多いのは対人障害です。男性が縦社会なのに対し、女性は横社会。親密度が高いぶん、一度人間関係がこじれると修復に時間がかかることは、みなさん経験済みではないでしょうか。

何をストレスと感じるかは人それぞれですが、メンタル不調の場合はコーヒー、アルコール、炭酸飲料、甘いものの摂取量が増えてきたり、朝起きられない、寝つきが悪い、イライラ怒りっぽくなってきたら要注意。ストレスが溜まっているサインですから、見逃さないようにしましょう。ストレスは誰にでもあるもの。生きている限り避けて通れないからこそ、どれくらいストレスを溜め込んでいるか、まずは知ることが大事なのです。

----人事異動や子どもの卒入園などライフイベントの多い春は、自分が思っている以上にストレスを抱えやすいのだとか。「人事異動に関しては、5月病ならぬ7月病に注意してください。4〜5月は新しい職場、仕事の流れに対応しようと頑張りますが、適応できないこともある。頑張り続けることに限界はありますから、3か月後の7月に心やからだの不調が出てくるのです」と夏目先生。次回は、ストレスを軽減する対処法をご紹介します。
夏目 誠

夏目 誠 大阪樟蔭女子大学名誉教授。精神科専門医・産業医。日本産業ストレス学会 理事。現在、毎日放送、産経新聞社、デサントの産業医として診療も行っている。主な著書に『気づき力で変化をキャッチ』(中央労働災害防止協会)、『うつが消えるストレスコントロール術』(監修/宝島社)などがある。

取材・文/山崎潤子
イラスト/はまだなぎさ

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  3. ノルアドレナリン
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