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2018年1月24日

先生/細川モモ(予防医療コンサルタント)

BODY

【特集/女のからだと代謝】

その疲れ、貧血かも? 鉄分と食物繊維の力を見直そう

----全身の細胞に酸素を届ける役割を担っているのが鉄です。不足すれば当然、各細胞への酸素供給量が低下し、さまざまな不調が出てくるわけですが、残念なことに日本女性の多くが深刻な貧血状態にあるのだとか。「貧血になると代謝が下がるだけでなく、疲れやすくなります」と話す細川さんに、女性が貧血になりやすい理由と改善法を、引き続き伺いました。
女性は月経があるため、
鉄分を貯めにくい
貧血はヘモグロビン(酸素の運搬をするたんぱく質の一種)の数値でジャッジされがちですが、私たちのからだはヘモグロビンが減ると貯蔵鉄(肝臓や膵臓などにストックされている鉄分)から補う仕組みになっています。貯蔵鉄の平均数値は、男性が136ng/mlなのに対し、女性は22.5〜25.7ng/mlしかありません(※1)。女性は毎月月経による出血があるため、正常に月経がきていれば慢性的な鉄不足になるリスクが高いことを自覚しましょう。貯蔵鉄はガソリンのようなもの。男性より女性のほうが疲れやすかったり、メンタルのアップダウンがあるのは、鉄を貯蔵できないことも一因なのです。出産すると貯蔵鉄はガクっと下がりますが、そこからV字回復できるかどうかは、産前に貯蔵鉄がどれだけあるかにかかっています。底をついてしまうと、疲れやすくなってイライラしたり、クヨクヨしたり、産後うつになる可能性もあります。

慢性的な鉄不足を解消するには、食事の見直しが必須です。植物性の鉄分は吸収率が約2〜3%しかないうえ、コーヒー、紅茶、緑茶などの飲料に含まれるタンニンに吸収阻害されるので、吸収率20〜30%の動物性ヘム鉄を積極的にとりましょう。レバーやマグロなどの赤身の肉や魚に、豊富に含まれています。スポーツで汗をかく頻度が高い人や月経量が多い人は貧血のリスクが高いため、サプリメントもプラスしてください。ただ、鉄はとりすぎると活性酸素の温床になるため、無月経の人はサプリメントで補う必要はありません。貯蔵鉄がどれくらいあるかは、血液検査で調べられます。フェリチンが貯蔵鉄のことなのですが、血液検査の項目にフェリチンが入っていなければ、オプションで追加できます。将来妊娠を考えているのであれば、目標としたい50ng/ml〜にどれくらい足りていないか、現状を知るととるべき量が明確になるので、調べてみることをおすすめします。
睡眠の質を上げると
運動したくなる心身に
鉄不足の女性は、ビタミンDも不足しています。ビタミンDは、別名サンシャインビタミンといって、摂取後日光に当たることで初めて皮膚の上でつくられます。骨と筋肉を増強する働きがあるので、紫外線を極端に避けていたり、魚を食べない生活をしている人は、骨と筋肉が脆弱になってしまうリスクがあります。手のひらだけでも効果があるので、晴れた日は通勤時間などを利用して、1日15〜30分を目安に日光に当てることも意識しましょう。

睡眠不足も、代謝を低下させる一因です。翌日のパフォーマンスに影響が出てくる境目は6時間ですが、「まるのうち保健室」の調査では、就業女性の平均睡眠時間は、5〜6時間でした。6時間が難しい人は、光、飲料、食事を意識して睡眠の質を変えましょう。朝日を浴びるとセロトニンというハッピーホルモンが分泌され、セロトニンが14時間後にメラトニンという入眠ホルモンに変わり、体内の就寝準備が整うのですが、メラトニンは明るい光を浴びると引っ込んでしまうため、夜は蛍光灯などワット数の強い光を避けて間接照明にするのがベスト。睡眠のリズムを乱すカフェインは諸説ありますが、18時以降は摂取しないことをおすすめします。「まるのうち保健室」の調査で、熟睡感を得ている人ほど食物繊維の摂取量が多く、気持ちのアップダウンが少ないこともわかっています。ただ、働く女性が最もとれていないのが食物繊維。根菜類やきのこを積極的にとって欲しいのですが、外食が多く難しければ、1本に3〜5gの食物繊維が入っているアーモンドミルクを飲んだり、おやつを甘栗にしてみましょう。

質のいい睡眠がとれると疲労の回復も早く、朝きちんと起きられるようになり、生活がアクティブになります。からだが元気でないと、運動しよう! という気持ちにならないですよね。睡眠中に分泌される成長ホルモンには筋肉を増加させる働きもあるので、代謝をアップさせるために睡眠も見直してみてください。
※1 平成21年国民健康・栄養調査より
----「鉄不足の症状は、めまい、貧血、立ちくらみといった極度の症状だと思われがちですが、爪が割れやすい、顔色が悪い、朝起きるのがつらい、PMS(月経前症候群)が重いというのも慢性的な鉄不足の症状です」と細川さん。女性は月経があるため、男性のようにとったらとっただけ数値が上がるわけではありませんが、コツコツと貯蔵鉄の量を増やしていきたいと思います。
細川モモ

細川モモ 予防医療コンサルタント。知るべき知識と得るべき機会を普及させるため、医療・健康・食の専門家によるプロフェッショナルチーム、ラブテリ トーキョー&ニューヨークを設立し、代表理事を務める。2014年には三菱地所と共同で、東京・丸の内に「まるのうち保健室」をオープンし、「働き女子1000名白書」をまとめる。『タニタとつくる美人の習慣』(講談社)、『「食事」を知っているだけで人生を大きく守れる』(ダイヤモンド社)、『成功する子は食べ物が9割』(主婦の友社)など著書多数。

取材・文/山崎潤子(ライター)
イラスト/はまだなぎさ

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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