新訳からだ辞典「パンツ一丁」

2017年7月26日

文/相川藍(あいかわ・あい)
イラスト/白浜美千代

HEART

今月のコトバ「回復力」

今月のコトバ「回復力」
ピンチをチャンスに変える回復力
悪い状態になったものが元の状態に戻ることや、失ったものを取り戻すことを「回復」という。具体的に何が回復するのかというと、健康や体力、自信や理性、信用や名誉など。時にはダイヤの乱れや景気だって回復する。もしも人や社会に回復力がなかったら、世の中は大変なことになってしまうだろう。元の状態に戻る力って、すごいと思う。

もっとすごいのが「超回復」で、これは適当な造語ではなく、辞書にも載っているちゃんとした言葉。筋力トレーニング後、24〜48時間の休息をとることで、負荷のかかった筋肉細胞が回復し、なおかつトレーニング前よりも筋肉量が増える現象のことをいう。休息で元の状態以上になるなんて、もはや回復力は人体の神秘である。

大学時代、私は回復力のすごさを初めて目の当たりにした。赤ちゃんのようにフワフワな美しい肌の同級生がいたのだが、話を聞くと、病気で長期入院し、ボロボロになった肌が全部むけて、新たに再生したばかりというではないか。彼女のベビー肌は、超回復肌といえるかも。病気はつらいが、回復力のおかげで、思わぬご褒美が得られることもあるんだなと思った次第だ。
悪夢を見るのも悪くない
自分でも、風邪をひいたときなどに、回復力のパワーを感じることはある。熱が下がって食欲が出てくるあたりからのV字回復感は特別で、回復力のポイントは勢いではないかと思う。浦島太郎のように一夜にして老け込む話はよく聞くが、その逆もあるのではないだろうか。急激に老けたときは、回復力の出番。一気に、元の状態よりも若返るチャンスととらえるべきかもしれない。

個人的に最近ハマっているのは、悪夢からの回復力というやつだ。私は夢の中でしょっちゅうバッグをなくす。バッグに入っていた大事な書類や財布、各種カード類のことを考えると、一瞬にして絶望の淵に突き落とされ、これからやらなければならない手続きに気が遠くなる。

しかし、途方にくれて目が覚めた瞬間、それらは全部チャラになる。この解放感のスバラシさといったら! 幸せな夢から覚めてがっかりするよりも、バッグをなくしたが実はなくしてなくて良かった(書いていると何だかバカみたいですが)という回復パターンのほうが、より元気になれることに気付いた今日このごろである。
回復力を強化するアイテム例
回復力のパワーを強化し、超回復へともっていくためには、心身を癒す、自分だけのとっておきアイテムを用意しておくといいと思う。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感にここちよい刺激を与えるものがおすすめだ。

たとえば、シャンパンなどの泡系の飲み物は、グラスにたちのぼる泡やシュワシュワという音に加え、香り、味わい、のどごしと、五感のすべてを瞬時に満たし、疲れを上向きのベクトルに変える最強アイテムといえよう。もちろん、良い香りを漂わせたイケメン男性に、甘い言葉を囁かれながら肩を抱かれ、キスされるなんてのもアリかもしれない。その場合、相手はたとえば、1994年に大ヒットした映画『恋する惑星』に登場する2人の男のどちらかがいい。

最近リバイバル上映で見たばかりで感動が覚めないのだが、一人目の男(金城武)は、ホテルで眠ってしまった女の靴を脱がせ「美人にはきれいな靴が似合う」と言い、ネクタイで彼女の靴を磨く。二人目の男(トニー・レオン)は、動揺して足がつってしまった女のふくらはぎを、優しく巧みにマッサージする。要するに彼らは、疲れた女性を足もとから回復させてくれる存在。こういう男と一緒にいれば、超回復力が得られることは間違いないはずだ。

相川藍(あいかわ・あい) 言葉家(コトバカ)。ワイン、イタリア、ランジェリー、映画愛好家。
好きなネット用語は「パンくずリスト」。自分が今どこにいるのかを示す階層表示のことだが、ヘンゼルとグレーテルが森で迷子にならないよう通り道にパンくずを置いていったエピソードに由来すると知り、キュンとした。

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