生きるためのボディ&ソウル。鍛えれば、人生きっといい感じ

湯山玲子の「人間はカラダだ!」

2016年12月28日

文/湯山玲子
イラスト/腹肉ツヤ子

BODY

【特集/なんとかしたい!肩こり】

肩こり対処法のあれこれ

肩こり対処法のあれこれ
発明したのは夏目漱石!?
私の人生初の「お仕事」、つまり、労働をして対価をもらう行為は、肩たたきだった。
父母の、そして、同居していた祖母に10回肩たたきをしたら、100円ぐらいのお小遣いをもらったり、それが数回になるとおもちゃを買ってもらえる、といったパターンである。
それほど、肩こりという症状は身近なものなのに、なんと、英語ではこれに該当する単語がない、というのは有名な話。同様の症状を伝えるには、stiff neckと言うのが一般的なのだという。つまり、固まった首。そう、肩ですらなく首、なのである。
しかし、日本語の肩こりも、言葉としては伝統が浅く、発明したのは夏目漱石だという。症状はひとつの単語になるとはっきりする。鬱という言葉と症状が一般的になって初めて、多くの人がその病気を認識するようになったわけで(それまでは、気のせい、で片付けられていたことも多かったと思う)、「肩こり」という言葉があるからこそ、私たちは、マッサージに行ったり、湿布をしたり、体操をしたリ、で適切なリカバーを施すことができるようになったのである。
こまめなエクササイズでコリが激減
そして、私自身は、思えば小学校のときから、親に肩をもんでもらうような、肩こり人間だった。家庭内肩もみ要員としての対価は、もんだ親に私ももんでもらうという物々交換のような事態にもなっていたのである。その主な原因は読書。ゲームなんぞがなかった当時、本やらマンガやらを手当り次第に読みふけっていれば、自ずと肩こりを引き寄せてしまう。その後の仕事人生では、編集やら物書きやらで「机に向かって同じ姿勢」を続けているし、90年代からはパソコンも導入され、机の前の私はもはや、凝り固まった銅像のような状態を続けているのだ。
そんなわけで、肩こりとつきあってもはや40数年、自分なりの対処法は、編み出している。まずは駆け込み寺としての、鍼とマッサージ。特にパンパンに張って、目もかすみ始めたような重傷のときは、迷わず鍼。20代の後半、会社で酷いぎっくり腰になった時に、鍼一発でソレを治して下さった名医のところに通っている。鍼は怖がる人も多いが、名医の施術は劇的に効果があるので、怖さの敷居をさっさと飛び越えて、その境地を味わってほしい、と切に思う。
マッサージは、それこそ、街場ではたくさんサービスがあり、私もありとあらゆる方式を体験しているのだが、最近、注目しているのがオイルマッサージ。オイルのヌルヌルとともに優しく凝りを「揺らす」という感じなので、コレ効いてるのかな? と思いきや、施術後には身体の凝りのすべてが消え去っているのだ。全身の血やリンバの動きを良くすることはもちろん、皮膚というものも重要で、皮膚をオイルで柔らかくすることで、それが筋肉や内臓にも影響するのだという。「なので、皮膚を乾燥させないで、風呂上がりにボディーオイルやローションを付けると、肩こりも軽くなりますよ」と言われたので、その習慣を取り入れてみたこの冬。たしかに、体調はすこぶる良好なのです。
しかし、何よりも忘れてはいけないのが、こまめなエクササイズ。目の前で肘をつけるようにして合掌して、そのまま上に上げたり、その拳の形を肩から背中の方に回したり、要するに肩甲骨の回りを意識的に動かすようになって、私の肩こりは劇的に減少したのである。お試しあれ!

ゆやま・れいこ 著述家、ディレクター。自ら寿司を握るユニット「美人寿司」、クラシックを爆音で聴く「爆音クラシック」を主宰するなど、カルチャー界を牽引。著書に『四十路越え!』(ワニブックス)、上野千鶴子氏との共著に『快楽上等! 3.11以降を生きる』(幻冬舎)がある。

構成/本庄真穂

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