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美の流儀

2016年11月23日

語り/堀畑裕之、関口真希子(ファッションデザイナー)

HEART

【番外編/学びと美を考える】

仲間と学び、遊び、何かが始まる

「美」をコンセプトにした学びの場、ワコールスタディホール京都と連動した美の流儀【番外編】。今回は、日本の美意識を活かした服づくりをするブランド「matohu(まとふ)」のデザイナーおふたりが登場です。 matohuデザイナー堀畑裕之さん(右)と関口真希子さん(左)。 matohuデザイナー堀畑裕之さん(右)と関口真希子さん(左)。2005年に「日本の美意識が通底するあたらしい服の創造」をコンセプトにブランドを設立。matohuの由来は、プロフィール欄を参照。 ――おふたりがデザインするブランド「matohu」の活動について、教えてください。

関口 昔からあった日本の美意識を表す言葉を毎シーズンのコレクションテーマに反映させ、服のデザインを展開しています。たとえば、「うつくし」(2017年春夏コレクション)、「おぼろ」(2016年秋冬コレクション)など、伝統的なものの考え方を現代にあてはめて、それをどう活用できるか問い続けています。

堀畑 ワコールスタディホール京都のオープンに合わせて、受付スタッフの制服もご提供しました(下の写真)。生地は、近くで見ると小さな三角がたくさん並んだ柄になっていて、コレクションでもとても人気を集めました。襟を立てても折り返しても着られるようになっていて、後ろのフレアがきれいなつくりです。このあと、さらにスタッフのみなさんの制服もデザインし、つくっていく予定です。

関口 制服というと、黒でかっちりしたものが多い印象ですが、明るく開放的な建物の雰囲気に合うものを...と考えました。ビルの内装にある曲線と服のラインもぴったり合って、とても好評です。 matohuデザインによる、ワコールスタディホール京都オープニング時の受付スタッフの制服。 matohuデザインによる、ワコールスタディホール京都オープニング時の受付スタッフの制服。 ――今回、ワコールスタディホール京都で開かれる講座は、どのような内容になるのでしょうか。

関口 私たちの講座「日本の美意識を生活にいかす」では、matohuの各シーズンのテーマをどうやって服のデザインに落とし込んできたか、作品の映像や資料などを使って、お伝えしていく予定です。さらに、その過程で美意識に対して私たちが感じてきたことを、参加者みなさんにも気づいていただけたら。

「うつくし」「おぼろ」「かろみ」「ほのか」「ふきよせ」...。テーマとしてきたこれらの言葉は、今は使う機会が減ってしまったけれど、ときどき耳にしたり、生活のある一部分では残っていたりするものです。たとえば「ふきよせ」とは、秋の終わりに落ち葉が風で吹き寄せられて集まった姿を言います。それをイメージした彩りの和菓子や鍋料理などで、「季節のおもてなし」にしてきた伝統がありました。このような、今まで気づかなかった言葉と美意識に目を向けて、ふと立ち止まったり、住まいの中で別の活かし方を見つけていったり、そんなふうに心が動いたら素敵だなと思っています。

堀畑 さらには、スタディホールで知り合った人たちが友達になって、そこから新しいコミュニティができたら素晴らしいですね。併設されているライブラリーでひとりで過ごすのも楽しいし、同じ講座で学んだ人たちとカフェで語り合ったり、知識を分かち合ったりするのもいい。そこから新しく何かが始まることもあるんじゃないでしょうか。

僕たちも、ふだんお客さまと分ち合い、そこから知ることはたくさんあります。テーマの言葉にちなんだ「和歌がありましたよ」と教えていただいたり、「能の舞台があるから観に行きませんか」と誘っていただいたり。お客さまと一緒に学びながら、遊び仲間も増えていく。ファッションブランドのデザイナーとお客さまという関係だけではなく、一緒に成長しあえる関係が、とてもうれしく思います。

――ファッションブランドmatohuそのものが、学びの場でもあるということですね。

堀畑 シーズンごとのテーマを考えるときも、最初は深くわかっていないところからスタートすることもあります。自分たちなりに勉強をしていく中で、新しく知ることは多く、それを服づくりに転換していくのは楽しいことです。学びながらつくっていくという点では、僕たちにとっては、matohuがスタディホールだと言えるかもしれませんね。 年2回、日本の言葉をテーマにして展開されるコレクションと同時に、制作される冊子。 年2回、日本の言葉をテーマにして展開されるコレクションと同時に、制作される冊子。シーズンごとにデザインもつくりも異なるが、ひとつの冊子として綴じられるようになっている。 ――堀畑さんは京都に住んでいたこともあり、いつかは京都での活動も考えていらっしゃるそうですが。

堀畑 僕は学生時代に7年京都に住んでいましたから、第二の故郷という感覚です。日常の中で季節の花を生ける習慣やお茶の伝統が残っていたり、街並は変わっても、人の意識の中に昔の文化があります。matohuのブランドの世界観にはまる場所だといえます。

関口 一方で、今私たちの活動の拠点は東京の表参道で、まさにファッション最先端の場所。日本の美意識を大事にしながらも、現代のファッション性を感じられる環境で服づくりができるのは、すごく面白いなと思います。

――その活動が、女性を内外から美しくしていくことにつながっていく。活動の広がりを、今後も楽しみにしています。

matohu (堀畑裕之/関口真希子) ファッションデザイナー
堀畑裕之と関口真希子がデザイナーを務める、2005年創立の日本のファッションブランド。
ブランド名は「纏う(まとう)」と「待とう」からきている。
「纏う」...日本語独自の概念。たんに服を着るだけでなく、積極的な美意識で身にまとう様子。
風をはらむ動作と静かな余韻を残すたたずまい。
「待とう」...性急に消費しすてるのではなく、固有の美意識が成熟するのを待とうという呼びかけ。
matohu http://www.matohu.com/

ワコールスタディホール京都

取材・文/南 ゆかり
撮影/長谷川 梓

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。

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  1. matohu
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