からだの真実、世の中のホント。専門家がズバリ解明

教えて、ドクター!

2013年8月 7日

先生/渡辺光博(慶應義塾大学政策メディア研究科教授、
医学部兼担教授)
取材・文/大庭典子(ライター)

BODY

【特集/女はおなかで勝負!】

おなかに朗報!話題の胆汁酸ダイエット

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糖尿病やメタボを改善する話題の"胆汁酸"
女性のからだの悩みナンバーワンといえば、"おなかまわり"。ぽっこりおなかやたるんだおなかなど、年齢を重ねるごとに深刻さは増すばかり。おなかまわりに効く画期的な方法があったら...と探していたところ、こんな朗報が飛び込んできました。
「"胆汁酸"を調整することで基礎代謝をupし、糖尿病やメタボを改善できるメカニズムを解明!
胆汁酸を調整?? 聞き慣れない言葉ですが、それもそのはず。胆汁酸の研究が注目され、進んできたのはここ10年くらいのことなのです。さっそくこの研究を発表した慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の渡辺光博先生を訪ね、お話をお伺いしました。

「現在問題になっているメタボリックシンドロームだとか肥満などの現象は、人間の長い歴史から見ると、ごく最近のこと。それまで何百万年もの間、人は空腹の状態で生きてきました。ですから、人間のからだは、生命を維持するのに貴重なコレステロールや脂肪はできるだけ吸収しようとします。そして、その吸収や消化に大きく関わっているのが胆汁酸です。

胆汁酸は、肝臓でコレステロールからつくられる物質で、イメージとしてはキッチンの油で詰まったパイプをきれいにする洗浄剤のような働きをします。別名、"腸管のせっけん"とも呼ばれているほどで、腸管の壁に脂質がくっつくのを防いで、消化や吸収を助けます。

胆汁酸は、肝臓でつくられたあと、小腸内で脂肪の消化や吸収に携わり、使い終わった胆汁酸の約5%が便として排出されます。ひとりあたりの胆汁酸の量は一定なので、排出された5%分は新たに補給されますが、残りの95%はどうなると思いますか?

実は、残りの胆汁酸は再び肝臓に戻り、また同じ活動を繰り返します。なんと1日に4~12回も繰り返されるんですよ。すごいリサイクル率です(笑)。

胆汁酸が一度に排出されず、なぜ何度も循環するのかというと、これもやはり空腹時代の名残。貴重なコレステロール様物質である胆汁酸はすぐに排出させず、何回も使って大切に分泌されるのです。
食物繊維を摂ってGOOD―BYE!古い胆汁酸!
ただし、現代は空腹どころか食べ過ぎやコレステロール過多が問題になるような時代。ですから、コレステロールからつくられている胆汁酸を上手に排出すれば、血中のコレステロール値も下がり、ダイエットにも効果的だと言えます。

からだを何度も巡った古い胆汁酸は、新しい胆汁酸に比べて代謝に対する機能も低下します。健康のためには、古い胆汁酸を効率よく出すことが大事なのです。

古い胆汁酸は便を通して排出されるので、なんといっても便秘は大敵。お通じが止まってしまうと、古い胆汁酸がいつまでも体内に残り、結果、大腸がんのリスクを高めてしまう危険性も。

古い胆汁酸排出のポイントは、食物繊維をよくとること。特に水溶性食物繊維には、古くなった胆汁酸を吸着させ、便として排出させる作用があります。なかでも、おすすめは大麦。スープやサラダに入れるなど、積極的にとるといいでしょう。チャーハンに入れてもパラパラとしておいしく出来上がりますよ。ほかにも胆汁酸の排出成分が入った杜仲茶、もずくやわかめ、海苔などの海藻成分なども効果的です」

食物繊維の力で、古い胆汁酸には体内からすぐにでも退出してもらいたいですね。大麦を使ったレシピ、今日からさっそく試してみます!

胆汁酸とおなかの関係は、次回に続きます。

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渡辺光博(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授 ヘルスサイエンスラボ代表 兼環境情報学部、兼医学部) 国立東北大学遺伝子実験施設 博士前期課程、フランス国立ルイ パスツール大学分子生物学科 博士課程 卒業。2014年「胆汁酸の調整で肥満、糖尿病が改善」をイギリスの科学誌『ネイチャー』に発表。その後、研究の関連論文は英科学誌『サイエンティフィック・リポーツ』と米科学誌『プロス・ワン』『JBC』等の国際誌に掲載された。バックパッカーで世界中を巡った経験も。

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※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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からだ用語辞典

  1. 胆汁酸
  2. コレステロール
  3. 水溶性食物繊維

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  1. おなか
  2. 渡辺光博
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