【特集】梅雨をポジティブに過ごすコツ #04

梅雨は自分のからだを見直すチャンス。ペースダウンも大事です

産業医 福田千晶先生

―――気温差や湿度、さらには生活様式の変化…。梅雨は、さまざまな要因がからみあって、心身の不調を引き起こす季節です。特集最終回は、「梅雨だる」の予防・対処の方法について、産業医の福田千晶さんに教えていただきます。

衣食住を見直して
小さなストレスを軽減

衣食住のそれぞれでしっかり準備をしておくことで、梅雨のストレスを軽減することは可能です。

「衣」であれば、その日の温度や湿度に合った服装を。汗をかきそうな日、湿度の高い日は吸湿速乾性に優れた肌着を選ぶ。風通しがいい、意外に蒸れる、など、洋服の素材も把握して、適切なものを着ることも大切です。紫外線防止には、日焼け止めだけではなく、帽子や日傘を。

冷房による冷え対策として、カーディガンなどの羽織ものや、薄手のストールやスカーフを用意しておくのもいいでしょう。私も、バッグの中にはストールと、伝線したときの替え用にということもありますがストッキング、そして温熱シートを常備しています。首まわりの冷えで血行が悪くなり、肩こりになる人もいるようなので、夏服でも襟のついたものを選んだり、ストールなどを巻いたり。軽いストレッチやラジオ体操で血流を巡らせるのもおすすめです。

「住」では、寝具を調整できるように整えるといいですね。また最近は、住居の気密性が高くなって、室内にいると外の気温や湿度がわかりにくいので、外に出たら思いのほか暑かった、肌寒かった、ということもよくあります。外出前に気温をチェックしておくことも大切ですね。

「食」では、自炊でも外食でも、メニューが冷たいものばかりにならないように。暑くなってくると、たとえば夕食で、お刺身と冷奴と海藻サラダ、シメに冷たいうどん、と一見、からだによさそうだけれど、冷たいものだけ、というチョイスになりがちです。私は、必ず一品は湯気の出ているものをとるようにしています。難しければ熱いお茶だけでもいい。あたたかい飲み物をマイボトルに入れて持ち歩けば、冷え対策にもなります。

低気圧による不調には
耳たぶのマッサージを

前回お話しした気圧の変化による不調については、「なぜそうなるのか?」ということは、実ははっきりとはわかっていません。ただ、気圧が低くなることで、からだにかかる外からの圧力が小さくなり、それが自律神経を乱れやすくするのだろうとは考えられています。その結果、特に肩こりや頭痛を感じる人が多いようです。

梅雨どきに感じる不調

この時期、不調を感じたときにおすすめなのが、耳たぶのマッサージです。

Shutterstock.com

両手で耳たぶをもって、上下に引っ張ったり、親指と人差し指で縦にはさんでふたつに折ったり、ぐるぐる回したり。耳まわりの血行をよくしておくことで、内耳あたりの血行やリンパの流れがよくなり、正常な状態に近づけることができます。個人的には、長引くマスク生活で、耳にもストレスがかかっているのではという気もしています。ふだんからマッサージをして、不調のときは念入りに。短い時間でも、耳まわりがぽかぽかしてリラックスできますよ。

おしゃれやメイクで
気持ちも上げて

梅雨時期は、「憂うつだな」「嫌だな」といったマイナスな感情が起こりがちですが、それも不調の原因になるので、ちょっとした工夫で気持ちを明るくしていくことも重要だと私は思います。

おしゃれがしにくい雨の日は、せめてお気に入りのアクセサリーをつける。マスクでもちゃんとメイクする。髪の毛がまとまらない日はバレッタに凝ってみる。日常の中でも意識してメリハリをつけていくことは、自律神経を整えることにもつながるはずです。人間のからだって、そういう小さなことで整っていくのだと、私は思います。

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そもそも、今のおとな世代は、真面目で頑張りすぎている人が多いんです。加えて、ライフスタイルの多様化によって、自分の年齢を感じる機会が減っている。たとえば、長く会社に勤めていると、毎年新人が入ってきたり役職が上がったりと、自分が年齢を重ねていることを実感することが多いですよね。肩書きで呼ばれることも、年齢が上がっている自覚をもたらします。

けれど一方で、フリーランスで仕事をしている方は肩書きや周囲の変化がなかったりで、よくも悪くも、自分の年齢に気づくチャンスを逸することにもなります。

そういう意味では、梅雨時期の不調は、からだが年齢に気づかせてくれるサイン。客観的に自分を見るいい機会だとも言えます。

女性のからだというのは、子どもを望む・望まないにかかわらず、生物として、更年期前まではあくまでも妊娠出産のための“からだづくり”をします。それが、更年期以降は、自分のためだけのからだに変わっていくわけです。妊娠出産という目的がひとつなくなって、ここから先は、長く上手に生き延びていくことが目的になる。

不調を、いい意味で「歳のせい」だと自覚して(笑)、無理しすぎず、ときにはペースを落としたり、休んだりしながら、本当の自分に順応していけるといいなと思います。

  • 福田千晶(ふくだ ちあき) 慶應義塾大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、クリニック勤務および嘱託産業医。また健康科学アドバイザーとして執筆、講演、テレビ・ラジオ番組への出演などで活躍。
取材・文/剣持亜弥
デザイン/日比野まり子

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