珍品奇品も数多いKCIの収蔵庫 -- そこはまさに「驚異の部屋」。

京都服飾文化研究財団所蔵 林雅之撮影
素材:ビニール、プラスチック、ゴム
原産国:アメリカ
製作年:1968年頃
「おうち時間」といえば聞こえがいいが、2020~21年はコロナ禍でいやが応でも家にこもらざるを得ない日々が続いた。「外に出て、植物の緑に癒されたい」。そう思った人も多かったことだろう。本品は米国の靴メーカー、ハーバード・レヴィン社が60年代後半に売り出した「草の中の裸足」という名のサンダル。芝が一時の安らぎを与えてくれるかのようだ。60年代後半の米国といえば、ベトナム戦争や旧体制からの脱却にもがく閉塞感があった時代。状況は違えど、近年と志向が重なる。
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第18号 2021年12月発行より)
(KCI広報誌『服をめぐる』第18号 2021年12月発行より)
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- 京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。 https://www.kci.or.jp/