補修室の七つ道具②

今日の補修室/Today’s Restoration Room 第17回

文/藤井久子(京都服飾文化研究財団)
写真/成田舞(Neki. inc.)
作図/Neki. inc.

KCI収蔵品の補修、保存を行う「補修室」より日々の奮闘を綴ります。

七つ道具その2 マネキンのヘアー

今回は、18~19世紀頃の衣装をマネキンに着せて展示する時、ヘアーをどのように作っているのかご紹介しましょう。

衣装が着られていた当時のファッション・プレート(下の画像01)を見てイメージを固め、制作に取りかかります。まず市販の白い画用紙を1~3cm幅の帯状に切ります。それらを三つ編みにしたりカールさせたり、丸めてシニヨンにしたりして(下の画像02)、マネキンの頭部に両面テープやグルーガンで貼り付けて形作っていきます(下の画像03)。

この手法は、KCIがこれまでに手掛けた「華麗な革命」展(1989年)や「浪漫衣装展」(1980年)など18世紀、19世紀をテーマとした展覧会での展示経験がもととなり、補修室でアレンジして今の形になりました。KCIでは、あまりにリアルなマネキンは生々しくなってしまうので好みません。髪型も同様で、人毛や人工毛ではなく紙で作ることで、逆に見る人の想像力を高めるようにしています。

最近では海外の美術館でも紙で作ったヘアーを用いて当時を表現しているところが増えたように思います。衣装の展覧会に行ったら、マネキンのヘアーにも注目してみると面白いかもしれません。

七つ道具その2 18~19世紀頃の衣装をマネキンに着せて展示する時のヘアーの作り方Step
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第17号 2021年3月発行より)
  • 京都服飾文化研究財団(KCI)
  • 京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。 https://www.kci.or.jp/

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