珍品奇品も数多いKCIの収蔵庫 -- そこはまさに「驚異の部屋」。

素材:ウール、絹、ダチョウの羽根
原産地:アメリカ
製作年:1911年頃
「盛る」「映える」「エモい」。何事でも見た目を過剰に演出しがちな昨今だが、ファッションにおいて大げさに飾ることはいつの時代、どの場所でもよく起こっている。なかでも目につきやすい頭部の飾りは一度流行に火がつけば一気に燃え上がり、その大きさが競われることもしばしば。とりわけ18世紀末や20世紀初頭の頭部の盛りっぷりといったら! この20世紀初頭の帽子も非常に大きいうえに、ダチョウの羽根をふんだんに飾り付けている。「もっと盛ってちょうだい!」というお客の声が聞こえてきそうなくらいに。

Arnold Bachwitz監修『Grand Album de Chapeaux』
1910年頃刊行 京都服飾文化研究財団所蔵
1910年頃刊行 京都服飾文化研究財団所蔵
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第15号 2020年3月発行より)
(KCI広報誌『服をめぐる』第15号 2020年3月発行より)
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- 京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。 https://www.kci.or.jp/