珍品奇品も数多いKCIの収蔵庫 -- そこはまさに「驚異の部屋」。

バッスル(1870~80年代)の着装図。京都服飾文化研究財団所蔵 畠山崇撮影
素材:綿、鋼
原産地:西欧
製作年:1870-80年

『La mode illustrée』誌(1886年)より。京都服飾文化研究財団所蔵
19世紀の西欧ほど女性服のシルエットが目まぐるしく変化した時代はない。なかでも1870〜80年代にかけて流行したスタイルはなかなか奇妙で、バッスルという下着を用いてスカートの後ろを大きく膨らませた。バッスルの形は大小さまざまあったが、さぞ動きの邪魔になったことだろう。そして本品のように下に長くなったものは椅子にすら座れないではないか。しかし、提灯状に畳めるように設計することで難なく問題をクリアした。流行は簡単には手放せない。

上図のバッスルをもとに製作したレプリカを着装して。
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第13号 2019年7月発行より)
(KCI広報誌『服をめぐる』第13号 2019年7月発行より)
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- 京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。 https://www.kci.or.jp/